【感想・ネタバレ】横尾忠則 創作の秘宝日記のレビュー

あらすじ

美アートは肉体だ! 84歳にして旺盛な創作を行う「全身芸術家」の濃密な日常.
大病にも負けず、自粛にも負けず、飼い猫のことを心配し、夢と現実のあわいを往還しながら、休むことなく書かれた1498日の記録.
本書に登場する主な人々(夢も含む)--
オノ・ヨーコ、岡田准一、香取慎吾、細野晴臣、糸井重里、瀬戸内寂聴、保坂和志、山田詠美、平野啓一郎、小澤征爾、山田洋次、黒澤明、石原裕次郎、谷崎潤一郎、三島由紀夫、デヴィッド・ボウイ……
〈人間は未完で生まれて、未完で生きて、未完で死ぬ。それで結構〉

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Posted by ブクログ

変な話、著者と同世代の親を持つ身として、80代の人がどんな心の動きをしているか、の参考書として、途中でもういいか、と思う気持ちを抑えて最後まで(ちょうど一年前、コロナで緊急事態宣言が発せられたあたり…2020年6月14日まで)読み切りました。もちろん、アート界のスーパースターの自我と市井の人の思い悩みの違いはありますが…思うに任せない身体の状況(著者の場合は難聴)と折り合いをつけながら毎日毎日を作っていく感じはリアルでした。その中で2019年2月16日の日記、『アトリエに行く途中、快晴の空に北斎の富嶽三十六景の「凱風快晴」の富士の背後の霊とそっくりのを見る。絵では抽象に見えるが、実は写実だったのが証明された。そのことで北斎の絵の見方が変わるかもしれない。北斎から未吸収、未消化の部分はいくらでもある。この遺産を見逃すわけにはいかない。』なんですか、このパワー!過去を生きるのではなく未来を向くこの姿勢。親の問題というより自分の高齢期の生き方にも気合入りました。

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2021年03月07日

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