あらすじ
母親がスーパーで買い物をするわずかの間に、6歳の少女が忽然と姿を消した! 12年後、フリーライターの飯塚桃子は、事件についての本を書き上げるため、当事者や関係者たちへの取材を重ねていく。それぞれの人物の言葉から浮き上がってくる驚くべき真実、そして少女と母親を待ち受ける運命とは? 1章ごとにがらりと変貌を遂げてゆく極限のミステリー!
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Posted by ブクログ
いやあ〜諦めない女が、その言葉を心にあり続けるのが沙恵だった、京子ではなくて。単なる誘拐事件の話じゃなかった、サスペンスじゃなかった、とても大切な守らないといけないって事。2章の出だしでぶっ飛んだ、時系列もだし沙恵がいきなり登場したから、勝手に筋書きを描いている自分は恥ずかしいので。自分だけ守るしか考えない父親と同じで沙恵ちゃんは生存していないだろうな、だから犯人逮捕がゴールとかなやっぱり浅はかだ。見つかって帰国して学生生活するまで追いかけて、ライターの目線で描かれてる。あと人身売買がリアルで愛ちゃんが
Posted by ブクログ
ハラハラドキドキするわけじゃないんです。
でも先が気になって、するすると読んでしまうやつです。
すごく面白かったです!
大きなどんでん返しとかが、あるわけじゃないんです。でもホェーと腑に落ちるんです。
やっぱり面白いんです。
Posted by ブクログ
読み進めていくうちに明らかになる真実、そして予想外の結末…一気読みでした。面白かった。
母娘共に"諦めない女"だった。やっと自由になれた沙恵に安堵する反面、度を超え歪んでしまった愛情から事件を起こしてしまう京子には報われない気持ちになった。
Posted by ブクログ
最初から最後までコロコロ展開が変わって面白かった。諦めないのは女というわけではないけど、男と女の違いのようなものを感じた。愛ちゃんがどうなったのかだけが気がかり。。。
Posted by ブクログ
スーパーで買い物をする少しの間に、6歳の少女・沙恵は姿を消してしまった。母親の京子は半狂乱になって探し回るが見つからないまま。やがて12年の時が過ぎ…フリーライターの飯塚桃子はこの事件について本にしようと、関係者に取材して話を聞いていく。
沙恵が行方不明になった第1章からストーリーが始まるが、第2章になったところで突然18歳の沙恵が取材対象になっており、誘拐されても生きていたことが発覚。これだけでもうまいなぁと思ったが、その後も意外なところから展開を読者に知らせる形で、構成に感心した。娘の無事を信じるが故におかしくなってしまった母親、なんとか次に進むためにけじめをつけて新しい人生を歩むことにした父親、そしておかれた状況の中で必死に生き延びた少女と、当然の成長&母親とのぶつかり。どんでん返しとはいわないまでも、最後まで意外な展開があり。おもしろかった。
Posted by ブクログ
読み進めていくたび、ゴールポストが動いていく感じ。一章ごとに、変貌するミステリーと言われているけど、それ以上に変わる。ミステリーになっているけれど、それを考える隙がない。
スーパーでの数分の買い物の間に、6歳の少女の姿が消える。母親は、必死で探す。警察も学校も動くが、金銭の要求もなく、少女の身体も見つからない。周囲は、時間の経過とともに、徐々に諦めていく。少女の母親は決しって諦めない。
その母親の生涯をノンフィクション作品として出版しようと、フリーライターが当事者関係者への取材を重ねていく、という構成。
諦めない母親は次第に周囲から孤立して、離婚となり家も失う。それでも、探し続ける。
諦める事は、罪なのか、日常を保ち精神を保つ手段なのか。となるのかな、母親だったら諦めないよ!と、思うところで、子供達の状況が語られ始める。諦めないところと、受け入れるところを区別して生活を保つ子供達が尊い。
そして、諦めなかった母親の元に12年ぶりに成長した少女が戻る。成長した娘と、娘の保護を諦めない母親との間に亀裂が入り始める。
子供達が、大人すぎるなとは思うけど、楽しめました。
Posted by ブクログ
周囲から何を言われても、姿を消した6歳の娘の帰りを諦めずに待つ母親。自分だったら、京子のようにずっと生存を信じていられるだろうかと考えてしまう。
予想もしないスケールの広がりを見せる第二章は、遠い世界の話のようでいて実際は…と思わせる裏側のリアル感が生々しい。子どもたちのせつない想いに胸が締めつけられる。
形は違っても京子も沙恵も諦めない女。京子の諦めない気持ちが違う方向に向かってしまったのは沙恵との空白の時間や狂おしい母性が影響していたのか。沙恵と愛ちゃんの諦めない意思は何よりも強く輝いて印象に残る。
Posted by ブクログ
女子小学生が疾走した事件を取材するライターが様々な関係者に話を聞く中で明らかになっていく全貌。
最初の章は母親が「諦めない女」だが、次の章では違う女になり、意味合いも変わっていく。なかなか壮絶な話だが、全くありえない話でもない。徐々に事実が明らかになっていく様がさりげないんだけど、なかなか衝撃的なことだったりする。とてもうまい。
ドロドロとした男女関係を描くのがうまい作者と思っていたから、こんなミステリーっぽい内容だったことが意外。でも面白かった。こんな作品も増えてくれると嬉しい。
Posted by ブクログ
第一章
飯塚桃子
三十歳を機に編集プロダクションを辞めてフリーランスになった。
小倉京子
ペットショップ勤務。沙恵とスーパーに買い物に行き、買い忘れた牛乳を買い戻ると沙恵がいなくなっていた。
小倉沙恵
京子の一人娘。
小倉慎吾
沙恵の父親。証券会社勤務。
綾野雅治
刑事。
山田春馬
刑事。
権藤美香
専業主婦。沙恵がいなくなった当時、慎吾と京子のサポート役に就いた女性警官。
大谷佳則
京子が十日間だけ働いたペットショップのオーナー店長だった。
ふみえ
慎吾の母。
富雄
ふみえの夫。
松本友梨
沙恵の担任教師だった。
村上遥
現在五十二歳。三十歳の時に娘が行方不明になった過去を持つ。娘は翌日遺体で発見され、犯人は一週間後に逮捕された。事件や事故で我が子を失った親たちの会を結成する。
伊藤佳苗
息子を交通事故で亡くす。
伊藤学
佳苗の夫。
上野ゆり子
桜井豊
警察官を定年で退職後、近所の子どもたちの遊び場をボランティアで見守り役をしている。
羽鳥香菜
美容師になるための専門学校に入学したばかりの十八歳で、小学一年生の時沙恵のクラスメイトだった。
生島舞子
京子の二つ上の姉で専業主婦。
第二章
沙恵
現在十八歳。
ユキ
当時八歳。沙恵と一緒に拉致されて監禁されていた。
ケイタ
当時十歳。沙恵と一緒に拉致されて監禁されていた。
星あやの
現在二十三歳。拉致されて監禁されていた。
太川純一
現在二十五歳。拉致されて監禁されていた。
歩
拉致されて監禁されていた。
マリア・サントス
島にいた大人。
航平
拉致されて監禁されていた。
佐々木愛
当時十二歳。
涼太
拉致されて監禁されていた。
佑太
拉致されて監禁されていた。
小春
拉致されて監禁されていた。
直樹
拉致されて監禁されていた。
真凛
拉致されて監禁されていた。
小池
編集長。
ケン・オカンポ
日本人観光客のガイドやビジネス通訳の仕事をしている。
ドネア
警察官。
健介
拉致されて監禁されていた。
第三章
小倉慎吾
綾野
平川
女性担当者。
小林怜子
教師をしていたが退職して、授業についていけない子どもの学習をサポートする団体を設立した。
神田貴文
四十歳。E大学で准教授をしている。
内藤麻耶
沙恵が通う定時制高校のクラスメイト。
公介
クラスメイト。
広瀬仁
Posted by ブクログ
章ごとに目線が違うので、え?!って騒ぎながら読んだ。
前半は完全に母の気持ち。
後半は娘に感情移入。
どっちの気持ちもほんとわかる。
私にも同世代の娘がいるけど、干渉しすぎないようにしようと誓った。
今のところGPSは見たことない。
Posted by ブクログ
ほんの僅か、ボタンを掛け違えたが為に人生が大きく変わってしまう話。
最後に母親が「ほっとしたわ。もうこれで沙恵が今どこにいるか、誰と会っているかといったことを心配しなくて済むと思って」という言葉が印象的だった。ライター以外の登場人物全ての人が被害者であり、心が痛んだ。
Posted by ブクログ
桂 望実さんの長編小説です。
スーパーで買い忘れに気付き戻った母を待っていた小学一年の娘、沙恵(さえ)が、入り口のベンチから忽然と姿を消してしまいます。
そして数年が経ち、離婚した京子は今日もひとりで、わが子の帰りを待ちながら情報を集めてビラを撒きます。
第一章は淡々と物語が進行して行きあまり変化がありませんが第二章でいきなりの展開。
そこからは空白の数年間に何があったのか徐々に明らかになって行きます。
親子、夫婦の絆、母親の子供に対する愛情、執着、誘拐事件の裏に潜む問題、サスペンス要素やホラー的要素もあり中盤から一気に引き込まれて行きました。
インタビュー形式になっていて登場人物も多いので若干の読みづらさはありましたがまあまあ面白かったです。