あらすじ
★装丁画・漫画:羽賀翔一(『君たちはどう生きるか』)
よく、「あの人は頭がいい」とか「自分は頭がよくないから」とか言いますよね。
その根拠はなんだろう?
きみは本当に頭がよくないんだろうか?
学校の授業さえきちんと受けていれば、「頭のよさ」は手に入るのだろうか?
いえ、それだけでは、いじめや不登校など、人生におとずれる多様な困難に打ち勝つ「タフな頭」を鍛えることはできません。
「頭がいい」というのは、脳の「状態」なのです。
頭のいい人、よくない人というように、分けられているわけじゃない。
みんな、頭のはたらきのいい状態と、そうでない状態がある。
その「はたらきのいい状態」を増やしていけば、だれもがどんどん頭がよくなります。
頭がいい状態なら、目の前の問題を解くのはたやすいことです(勉強でも人生でも)。
頭のよさは、生きていく力、現実を変えていく力なのです。
それでは、「頭のいい」状態を増やしていくには、どうしたらいいのでしょうか?
学校にはなんのために行くの?
受験にはどう臨んだらいいの?
本はどう読めばいいの?
周りの人とはどうつきあえばいい?
この本では、さまざまな身近なテーマから、一生使えるものの考え方を身につけて、頭のよさを磨いていく方法を伝授します。
<概要>
第1章 本当の「頭のよさ」ってなんだろう?
⇒本当の頭のよさは「知(判断力)」「仁(誠意)」「勇(行動力)」でつくられる。
第2章 勉強するのはなんのため?
⇒勉強は、自分をいまよりもっと生きやすくしてくれる。 「知る」「考える」喜びが、人生にワクワクやイキイキを増やすんだ。
第3章 学校に行く意味ってなに?
⇒学校は、いろいろな人がいることを知り、人との接し方の練習をするところと思いなさい。
第4章 受験にはどんな戦術で立ち向かうか?
⇒受験は、自分の強み、自分らしい戦い方を見つけるチャンスだ。
第5章 本とどうつきあうか?
⇒本を友だちにしたら、きみは一生、ひとりぼっちじゃなくなる!
第6章 「好きなこと」への没頭体験、ありますか?
⇒好きなことにどんどんハマれ! 情熱の火種を燃やせ!
第7章 思春期は不機嫌でいてもいいと思ってる?
⇒ほがらかな人になろう。自分も他人も上機嫌にできる人になろう。
第8章 生きていくってどういうこと?
⇒いま、自分にできるベストを尽くせ! うまくいかなくても、道はほかにもある。それに気づけるのが、本当の頭のよさだ。
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Posted by ブクログ
中高生向きだけど、内容がとても肉厚な本だった。
勉強の楽しみを知ること、続けていくことで広がっていく
無限の可能性。英語、歴史、本。好きなことを知るだけで
世界がどんどん広がってゆく。
苦手な人や知らない人との距離の取り方も大切な学び。
マンガ、アニメ、映画。世の中の流行を知っていることも
大切な教養。
大切なことは、学ぶことをすこしずつ、続けてゆくこと。
Posted by ブクログ
本屋にて。タイトルと齋藤孝さんと言うとをみて一読。
★4.0の4点
まさかの中高生向け本とは!!自分が中学、高校の頃に出会いたかった。ただ、同時にこの本があったとして読むだろうか。「趣味が読書です」と言っていた人を馬鹿にしてた過去の自分に対して、今趣味が読書になっていることを如何にうまく伝えればいいんだろうか。
頭がいい状態が増えると人生が楽しくなる。今は何事も勉強、自分のためになってると思える人生だから楽しい。全くもって同感。
【学び、備忘録】
・好きでないこともやるから好きなこともいっそう好きになる
・他人の好きなものの否定は言葉の暴力
・自分の不機嫌を撒き散らさない
★「にもかかわらず上機嫌」戦法はいただき
・「好き」「嫌い」だけでなく、「保留」をうまく使う
・むしろ良かったや逆に良かったと言う視点
Posted by ブクログ
主に中高生向けに書かれていて、自分がその世代のときに出会いたかったなと思えるような、とても生きる勇気をもらえる本です。
大人が読んでも参考になる。
情熱が頭を良くする火種である、と著者は言っているが、その情熱を出さないことが個人的な悩みだった。
本著の言葉を借りると、没頭感覚が目覚めてない。
それを意識しているのといないのとでは、一生が大きく変わると書かれている。
そんなことを言われたら、どうやってでも目覚めさせたい。
最初から好きで夢中になるというよりも、やってみたら面白くなって夢中になって好きになっていくパターンが多いそうだ。
私は飽き性なので、面白いなと感じても長続きしない。深掘りしようとしない。
ハードルが高くて簡単にはゴールの見えないこと、すぐには面白さを感じないことのほうが好奇心が維持できるかも。
その観点でアンテナを張ってみよう。
もしまたすぐに飽きてしまっても、没頭感覚が得られるよ、と笑っている著者の顔を思い浮かべて、もうひと掘りする気持ちでやってみよう。
また、確率を上げるために、ちょっと面白そうと感じたことにどんどんチャレンジしよう。好きを増やしていこう。
情熱を注いだ先の充実感や幸せな感じを体験したい。
そう気づかせてくれた本でした。
Posted by ブクログ
明治大学文学部教授の齋藤孝先生の書籍。
大学生に現在進行形で教えている斎藤先生が子どもの視点に立って勉強の大事さを説いています。
最も心を動かされたのは「頭は幸せになるために使おう」というフレーズです。
テスト勉強で高得点を獲得して好成績を得るために勉強することも非常に大切ですがどのような動機であれ、勉強をして頭をよくすることで辿り着く最終目標は幸せになるためだと思いました。
頭がよい人は選択肢が増え、視野も広がるため最悪の結末を迎えようと考えることもなく周りの人達を傷付けることもしないと思います。
僕も勉強して読書して様々な経験をして頭のよさを磨いていつか誰かの悩みや苦しみから手を差し伸べられるような存在になれるように励もうと思えました。
Posted by ブクログ
中高生向きに書かれた本のようだ。
著者は中高生向けの講演活動をすることもあるらしく、語るような口調で分かりやすく書かれている。
頭の良さ=頭がよく働く状態
というのは、確かにそうだと思った。
大人になると、自分の調子が良い時と悪い時がはっきりと分かるようになる。
調子が良い時はよく集中できて、やるべきことも捗り、段取りもうまくいく。たしかに調子の良い時の私は頭がいいかもしれないなぁ。
私は大人だから、この本に書いてあることは大体納得したし、理解できた。
しかし、中高生の時に読んだら半分も理解できなかった、受け入れられなかっただろう。
恥ずかしながら、形だけ理解したふりをする子どもだったなと思う。
齋藤孝先生は、私が卒業した大学の教授であり(学部は違うため授業ではご縁がなかったが)、私が大学に入学した時の入学生向け講演もなさっていた。
その時はスラムダンクの話を混ぜながら話していた。聞く人がどんな人かを想定して、聞き手を飽きさせない話し方を心がけておられたんだろう。
それがもう20年くらい前か。
20年もの間、ベストセラーを多数執筆し、メディアからも引っ張りだこの大人の話なら、中高生も聞く耳持ってくれるのかな。
この本の中で私が胸を打たれたのは、自死することはとてつもない親不孝であるということ。人は与えられた命を生き抜かなければならないということ。
本当にその通りで、これだけ日本語に長けた人でも、このことについては、理屈ではなくストレートな言葉で伝えるしかないんだと思った。
身近な人を自死で亡くした人の悲しみは、図り知れない。
この言葉が、この本を読んだ人、齋藤先生の講演を聞いた人の心に残り、一人でも多くの人が自分の命を生き抜くことを選んでほしいと思った。
他方で、それは違うよね?と思ったことは、中高生に対して「敵、味方」どちらでもない「保留」の人間関係を多く作って、天気の話とか相手の好きなものの話とか(つまり、こちらの本心を見せずに当たり障りない話だけ)してなってところ。
友達は少しいれば充分、そんなに多くの人に心を見せなくて良い、という考えが前提としてある。
この話、大人にとってはまさにそうだ。でも、中高生にそれは無理だ。
うちの親も、私が中学生の時、親が付き合ってほしくないと思う子達と私が友達関係になったら「友達なんて一人いれば充分!あんなの友達じゃない!」と全否定してきたものだった。
それと同じくらい、中高生にとっては聞く耳持てない話だと思う(たしかに、人を安易に信用して犯罪に巻き込まれてしまいそうな中高生にはこの教えは当てはまるけど、この本の読者はそれとは違うのではないかと思う)。
私が中高生の時、放課後いつまでも、何時間でも同級生と話していられた。話が尽きなかった楽しい思い出は、その後その子達と疎遠になってしまっても忘れない。もしあの時に戻れても、私は当たり障りない話なんてしない。自分の本心を隠して、保留のままでは、あの経験は絶対に得られなかった。
人を信じて心の内を話すことで、傷付いたこともある。でも、傷つくことで、人の痛みがわかったり、その後の人間関係を考えるキッカケにもなった。決してマイナスなだけではなかった。中高生の時にそうやって人と接していた私も、現在は大人として節度を保って保留の人間関係を多く構築しているよ。中高生の時にそんな大人みたいなことしなくても、できるようになるもんだ。
失敗から学ぶのではなく、最初から失敗しないようにしよう、という齋藤先生の教えは、「失敗したくない、世の中イージーに渡っていきたい」と思う冷めた若者には響くのだろうか…。
人間関係については、理論、理屈だけで学べることではなくて、実際に経験してみないと上達しないのではないかと、私は思いました。
Posted by ブクログ
小中学生向け自己啓発書。
『本当の「頭の良さ」とは?』という切り口から、受験勉強、読書との付き合い方、人生論、感情のコントロールなどについて解説している。
平易な言葉で書かれているため、対象の小中学生が読んでも理解しやすい。
また、大人自身がこの本を読んで、小中学生へ語りかける言葉の材料としても良い。