あらすじ
人生の折り返し地点をとうに過ぎ、もう恋など忘れたはずだった――。結婚を考えるほど愛していたのに、突然消えた女。四十年後の再会、そして別れの理由に涙する表題作。その他、若き日に性の手ほどきを受けた人妻の娘に出会う「観覧車」、離婚した幼馴染みへのひそかな思慕を描く「土産話」など、全六作を収録。年齢を重ねたからこそわかる、深い味わいと切なさに満ちた、名手による最期の恋愛短編集。(解説・吉田伸子)
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
65歳ぐらいの男性が主人公の短編集。
コンサートに行くと、昔交際していた女性が隣の席に。しかも失明していた・・・「わかって下さい」
妻に先立たれた。残されたのは彼女の連れ子。ずっと一人で血のつながらない娘を育てた。彼女が結婚すると言う・・・「白いシャクナゲ」
たまたま困った老女を助けた。昔好きだたった男性を探してると言う。一緒に探しているうちに、偶然が・・・「恋ものがたり」
マンションに突然知らない女が来て、困ったらここに来るように、安田先咲に言われたそうだ。安田のことは知らないが、女は有名女優らしい。そして安田は昔付き合った女性の娘だと言う・・・「観覧車」
画家は描く気力がなくなくなった。家庭菜園で出逢った男は70代のギタリスト。妙に気が合った。軽井沢に別荘を持ってると言う。自分も軽井沢別荘を持ってるので再会しようと言い合うと・・・「エアギターを抱いた男」
昔好きだった人と再会する喜びと悲しみと・・・「土産話」
うーーむ。素晴らしく良かった面白かった。ほとんど65歳の「男性」目線で描かれてるので女性にはサッパリ受けないのかも知れない。65歳とか、中高年男性の心理を知りたい女性は読んだ方がいい。
男として、「こんな風に女性を好きになってしまうのさ」が溢れ出てる。
Posted by ブクログ
若さは無いが枯れてしまってもいない、ごく普通の六十代の男性の恋の物語、短編集です。
どの物語の男性も優しく愛おしくなります。
文章が優しいんです。
藤田宜永さんはハードボイルドのイメージが強かったので、こんなに優しくまるい物語だったとは。
嬉しい誤算です。
物語に出てくる懐かしい音楽の数々。俳優のロバート・ボーンは、昔々わたしも大好きでした。
因幡晃さんの「わかってください」のノスタルジーな世界に、胸がいっぱいになります。涙しながら物語の世界に浸ったわたしです。
Posted by ブクログ
65歳の男性の短編。最初のわかって下さい。が1番良かった!この時代の因幡晃って人が歌う「わかって下さい」っていう歌が小説に出てきたりするから、この世代の人たちにはすごい懐かしくて面白い作品なんじゃないかな。自分は聞いたことがなかったから読み終わったあとに聞いてみた。へぇ〜って感じで特に だったけど笑 「エアギターを抱いた男」も良かったな。