【感想・ネタバレ】ヒストリア 上のレビュー

あらすじ

第二次世界大戦の沖縄地上戦で家族とすべてを失い、魂(マブイ)を落としてしまった知花煉(ちばなれん)。戦後の闇市で一時の成功を収めたのも束の間、米軍のお尋ね者となった煉は、新天地を求めて南米ボリビアへと渡る。しかしそこも楽園ではなかった。移民にあてがわれたのは伝染病が蔓延する未開の地。呆然とする煉に、米諜報機関CICの魔手が迫る。一方、魂が分裂したもう一人の煉は、若き革命家チェ・ゲバラに出会い恋に落ちてしまった……。

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Posted by ブクログ

空襲によって故郷も家も家族も友も全てを失った知花煉。だが、マブイを落としながらも彼女は死なせてもらえなかった。生まれ持った商才で戦後の沖縄でのし上がろうとするも、あらぬ疑いをかけられ米軍に追われる身となってしまう。偽装結婚によってボリビアへの移民となることに成功するが、新天地もまた楽園ではなかった...

池上永一は歴史ものを書き始めてからなんとなく手を出しかねていたのだが、しばらく前に読んだ現代ものの「海神の島」が異常に面白かったので、やはり歴史ものも読まねばと思い、まずは舞台が一番現代に近い今作を手に取った。
空襲の圧倒的な絶望感から始まる、序盤からなかなか腹に重い一発を喰らうような作品だが、その後のたくましく、そしてふてぶてしく沖縄やボリビアで生き抜いて行く様は目眩がするほどの波瀾万丈ぶり。
いつもの登場人物の無軌道な暴れっぷりは国境を越えて更にスケールアップし、やがて革命の嵐に呑み込まれて行く。
以下次巻。

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2025年10月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

第二次世界大戦の沖縄地上戦で家族とすべてを失い、魂(マブイ)を落としてしまった知花煉(ちばなれん)。戦後の闇市で一時の成功を収めたのも束の間、米軍のお尋ね者となった煉は、新天地を求めて南米ボリビアへと渡る。しかしそこも楽園ではなかった。移民にあてがわれたのは伝染病が蔓延する未開の地。呆然とする煉に、米諜報機関CICの魔手が迫る。一方、魂が分裂したもう一人の煉は、若き革命家チェ・ゲバラに出会い恋に落ちてしまった……。

主人公の煉が、数々の失敗をしながらボリビアで生き抜いていく話。史実をベースに作られているらしく、沖縄からのボリビア移民も史実であったことをこの作品で知った。2人の煉を通して描かれる当時のボリビア。チェ・ゲバラも何回か出てきて下巻が楽しみに。

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2023年08月26日

Posted by ブクログ

単行本の時から気になっていたもの。それにしても、文庫化にあたって分冊化され、それぞれが千円もすると、結局単行本と変わらんがな、とか恨みがましく思いつつ。前からうすうす気付いてはいたんだけど、文庫化に際して分冊されそうな分厚い単行本は、もうさっさと買っちゃった方が良いのかも、って改めて思った次第。
れはさておき、この前半戦。池永作品は3作目だけど、どうしても『絶賛大好き!』とならない理由が、やはり本作にも…。それは、ちょいちょい感じられる会話の不自然さと、行空きもなく唐突に移り変わる場面展開。後者は、識者にとってはむしろ魅力と考えられている節もあるけど、それはいかがなものか、と。とはいえ、突拍子もない物語設定が、どんどんページを捲らせるし、後半の盛り上がりも気になるところだし、面白いには違いないんだけど。

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2020年10月07日

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