あらすじ
エンタメ愛を超えて、地方創生・アジア・デジタルへ!
吉本会長と『ビリギャル』著者がタッグを組んだ!
約6千人の所属タレントを擁する日本屈指のエンタメ企業である吉本興業。だが、大﨑洋会長はこのままでは、デジタル革命に“よしもと”は飲み込まれると危惧する。「地方創生・アジア・デジタル」をキーワードに、百年企業はどのように進化していくのか?
第1部 吉本会長が語る理由
第2部 大阪を元気にしたい
第3部 タレントとの理想の契約
第4部 吉本が考える地方創生
第5部 コロナ後に吉本が向かう未来
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
吉本の会長の大崎さんと、ビリギャルの著者であり吉本の役員である坪田さん、そして、テーマごとの専門家の方とのトークショーをまとめた一冊。
坪田さんや専門家がロジカルに話したことを大崎さんが感覚的に伝えてくれたり、吉本がやっている地方創生やDX化や契約話を坪田さんや専門家が説明してくれつつ、そこに至る気持ちや動機を大崎さんが語ったりというトークショーがそのまま書籍化されている。
話し言葉で書かれているから読みやすいけど、今の日本の課題を理論的に、具体的な事例に基づきながら、そこに至る動機と突破する様々な困難も話してくれている。
たぶん、下手なビジネス車を読むより、よっぽど学びはあるし、理屈だけではなく感覚的にも理解が深まる。
そして、テーマの新鮮さ。
2019年12月から2020年5月の間のトークショーが8月には書籍化されてる、このいらちならではの速さ。
巻末に取材・構成担当の伊藤愛子さんのあとがきも読んで、この方の手腕もすごいなと思ったし、こんな方々を巻き込みながらササっと書籍化してしまう大崎さんのプロデュース力というか、人間力みたいなものも感じられる一冊。
誰に薦められて読んだのか思い出せないけど、お薦めの一冊です。
Posted by ブクログ
大崎会長はなんか変わった人みたいやけど、なんか色々と考えている人なんですね。
デジタルトランスフォーメーションとデジタル化の違い。すごく説明がシンプルで、こんなところで勉強になることがあるなんでビックリ。
デジタル化、地方創生、アジア。
これからも吉本頑張って欲しいです。
Posted by ブクログ
エンタメ業界の話と思って手に取ったら、上質のビジネス書。ファイナンスあり、リーダーシップ論あり、人材育成論あり、なにわ金融道あり、地方創生あり、ゼロイチありと、新書なのにケーススタディがてんこ盛り。読みどころ満載、文字は少なめなのに、内容は結構濃密という不思議な本で、意外に時間をかけて読んでしまった。
Posted by ブクログ
真面目なことを
真面目に話すことは
よくあること
真面目なことを
面白可笑しく語るには
それなりの度量と力量が要る
モノではなく
「芸」を売り物とする
吉本興業さん
いや この一冊の場合は
大崎洋さんの
魅力たっぷりの
一冊になりましたね
「お笑い」の垣根など
取っ払ってしまう
異業種とのコラボレイトのお話は
真に 興味津々のものでした
個人的には
第四章の
地域再生プロデューサーの清水義次さんとの
お話が とても印象に残りました
Posted by ブクログ
吉本興業をお笑い事務所から総合エンタメ企業へと転身させた吉本興行の前社長であり会長の大崎洋が自らの声で語る対談集であるが、これがハンパなく面白い!
数日前に発売されWebメディアでも本書に収められているハイヒールとの対談が面白かったこともあり手に取ってみたが、同氏のキャラクターがずば抜けている。吉本興行はNTTグループと、教育デジタルコンテンツのJVである「ラフ&ピースマザー」を2019年に設立したのだが、一番笑ったのはその誕生の経緯であった。当時NTTの副社長であり現在は社長を務める澤田氏との初対面の場で、「世界に動画配信するプラットフォームを作りたい」と語った大崎氏に対して、澤田氏は「ぜひやりたい。ではどんなコンテンツを?」と問いかける。
「こっちはそこまで考えてなかったから、一瞬言葉につまって「えーっと」となったんやけど、そこで口からポロっと出たのが「教育です!」って言葉。そんなこと考えてなかったのに、さもずっと考えてたようなフリをして、「教育です」と言ってしまった。すると、澤田さんが「そのとおりだと思います。わかりました」と話しにのってくれはったんです」(本書p53より引用)
また、本書で最も勉強になったのが、2009年に行われたMBOによる非上場化をリードした当時のCFO中多氏との対談である。現実問題として、当時の吉本興行には反社会的な一株株主が多数いた中で、実際に暴力を振るわれるなどしながら、どのようにこのスキームを実現させたかという経緯は資本戦略を考える一つの極論として参考になる。また、中多氏の専門であるアメリカの芸能プロダクションとの比較の話などは、コンテンツビジネスに興味がある人にとって極めて良質なインプットである。
総じて面白おかしく読めつつ、吉本興行という日本最大のコンテンツ制作会社を舞台にしたコンテンツビジネスの戦い方まで学べる良書、という印象。