【感想・ネタバレ】ブランディングの科学 新市場開拓篇 -エビデンスに基づいたブランド成長の新法則-のレビュー

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Posted by ブクログ

前著と比べて実践的な内容
前著に出てきたキーワードの復習に加え、CEPなどの新しい要素、新ブランドの新規市場でのブランディング、Eコマース、高級ブランドについても語られている。
もしかしたらこっちだけでもいいかも?と思った瞬間もあったけど前著のほうが詳しく語られている部分もあるので両方読むべき

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2021年01月17日

Posted by ブクログ

既存のコトラー等の理論をひっくり返す『ブランディングの科学』の続編。
翻訳のせいでしかたないが示されているデータがやや古めなことと、データは示されるものの理論の解説がやや抽象的なところ、あと索引がないのが残念。
ただ、バイロン・シャープは避けて通れないと思うので、押さえておきたい。

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2020年10月24日

Posted by ブクログ

FMCGや耐久消費財を中心的な題材としているものの、情報財のマーケティングを考える上でも示唆が豊富な一冊。

「間口か奥行きか」の議論に対し、「ブランドは浸透率を大幅に改善できた場合のみに、ロイヤルティを満足できるレベルまで高めることができる」という刺激的な一石を投じる。

ダブルジョパディの法則、カテゴリーエントリーポイント、フィジカルアベイラビリティ、メンタルアベイラビリティ、ブランド資産パレット…といったキーワードを紡ぎ合わせながら、命題の証明と実務への活用を説く

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2020年09月27日

Posted by ブクログ

オンライン、新商品、高級品などダブルジョパディが起こらなそうなカテゴリーでもやはり同じ法則が成り立つことを説明している。納得できたし、ちょっと違う世界が見えた感じもした。この続編ではメンタルアベイラビリティとフィジカルアベイラビリティという言葉を用いて、ではどうするか?も言及されている。が、弱いブランドばかりの会社にとってはできなくないか?と思ってしまい…うーん…

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2022年06月07日

Posted by ブクログ

 前作と併せて読むと理解が深まった。

■重要なキーワードやマーケティングの法則
メンタルアベイラビリティ
 消費者のブランドにかかわるすべての記憶のことで、ブランドロゴやパッケージの形やブランドカラーなどのブランドの構成要素から、なぜ・いつ・どこで・誰と・何と一緒に買う・使うのかというようなブランドオケージョンの記憶を指します。このようなブランド記憶が多いほど、またその記憶が新鮮であるほど、購買シーンで消費者がブランドを想起する確率が競合ブランドよりも高まります。マーケターは自分の担当するブランドのメンタルアベイラビリティを上げることに全力を注ぐ必要があります。

フィジカルアベイラビリティ
 ブランドの存在感が高まっていて多くの消費者に幅広い購入機会が提供されている状態。具体的には配荷の量と質のことであり、ただ単に100%どの店にも配荷されているだけでなく、棚位置やフェース数、棚以外での山積みを獲得し、ECサイトでは上位に検索され、小さいスマホ画面の中でも目立つように配置されているなど、消費者がブランドを購入する瞬間に常に競合よりも購入されやすい状態であることが問われます。マーケターだけではなく営業やEC担当者にとっても非常に重要な概念です。


ダブルジョパディの法則
 マーケットシェアが低いブランドは、購買客数も非常に少なく、ロイヤルティもやや低くなります。逆にシェアの大きなブランドは、購買客数が多く、ロイヤルティはやや高くなります。ブランドの大きさ、つまりマーケットシェアに応じて、浸透率とトライアル指標(間口)は大きく変化し、リピート率や購買回数などのロイヤルティ指標(奥行き)は緩やかに変化します。通常、双方ともリニアな相関関係を示します。この法則はほぼすべてのブランドに当てはまります。

自然独占の法則
 マーケットシェアが大きいブランドほど、そのカテゴリー内の多くのライトバイヤーを引きつけます。つまり、そのカテゴリーをそれほど頻繁に購入しない消費者は、より大きなブランドを好んで買う傾向があります。

ロイヤルティへの過度の依存は危険
 ロイヤルティはまずダブルジョパディの法則に沿うという事実があります。ブランドがユーザーベースを広げた結果だともいえます。いわゆるロイヤルユーザーの顧客基盤を占める割合 は非常に小さいのですが、彼らにはたして効率的にリーチすることは可能でしょうか? すでに購買量が多いロイヤルユーザーに、今以上に購入回数を増やしてもらうことは相当難しいと考えられます。また、ロイヤルティ指標の期間設定にもよりますが、そもそもカテゴリー購入回数が少なく、たまたまそのブランドだけを購入しているロイヤルユーザーが非常に多いのも 事実です。ロイヤルティ一本槍のマーケティングが成功する確率はかなり低そうに思えます。

購買重複の法則
 ブランドの顧客基盤は、市場シェアに応じて競合ブランドの顧客基盤と重複しています。つまり、どのブランドも、多くの顧客基盤を規模の小さいブランドよりも規模の大きいブランドと共有することになります。 どのブランドもその規模に応じて他のブランドと一定の割合で顧客を共有しているのです。特定のブランドからシェアを奪おうとしても、これもなかなか難しいことと言えそうです。


第1章 ブランドの育て方
 我々は現在、ブランドの顧客基盤(浸透率)の成長と衰退は顧客獲得数に原因があることが多いという明快なエビデンスを得ている。ブランドを成長させても衰退させても、基本的には想定される顧客離反率に準じて(すなわちブランドの市場のシェアに準じて)顧客を失うことになる。ブランドが成長するか衰退するかに大きく影響を与えているものは顧客獲得の規模だ。…デトロイトが日本と韓国のブランドに相次いで米国での市場シェアを奪われたのは、顧客維持率が崩壊したからではない。むしろ、米国の車市場が通常の顧客獲得率を維持できなかったからだ。浸透率を拡大するためにできることは、顧客獲得率を上げることだけでしかない。

 市場シェアの大きいブランドのほうが顧客基盤は大きく、またその顧客基盤はライトカテゴリーバイヤーで構成されている。(したがって彼らのカテゴリー独占度は高くなる)。
 このような相違でわかることは、小規模ブランドの顧客は多くの選択肢を知っており、また実際に購入しているということだ。仮に初めて購入した小規模ブランドを好きになったとしても、競合状況から、そのブランド名を覚えることはやや困難だ(メンタルアベイラビリティの不足)。もしブランド名を覚えることができたとしても、今度は見つけることが困難だ(フィジカルアベイラビリティの不足)。

■結論
 ブランドが成長するためには、メタルアベイラビリティとフィジカルアベイラビリティを拡大して浸透率を伸ばさなければならない。ブランドの市場浸透率を拡大することを同時に行わずにブランドロイヤルティを構築するためにターゲットを絞る戦略を取っても成功の可能性は低い。ロイヤルティにのみ注力し過ぎること、すなわちロイヤルティ構築そのものに度量したり、逆にロイヤルティ自体が存在しないと思い込み、価格プロモーションやインセンティブなどの施策に依存して顧客を獲得しようとすることは予算の浪費であり、ブランドにはその余裕はない。

第2章 市場全体をターゲットにする
■結論
 ブランドの成長はライトバイヤーとノンバイヤーからもたらされる。それは、これらの消費者が何人存在しているか、また彼らの購買力の余力はどれほどかを考えてみるとよくわかる。

第3章 新規顧客を探す
■結論
 ブランドが成長するためには新しい顧客を獲得しなければならない。そしてその顧客は競合ブランドから獲得すべきだ。…そのためには、ブランドの特徴や機能的な差を成長するための布石とすることを躊躇してはならない。

第4章 メンタルアベイラビリティを構築する
■購買にかかわる思考と行動の特徴
・瞬時に判断する―意識的な検討は行われない
・状況の影響を受ける―その時の状況に応じて思い出す記憶が決まる
・記憶は不安定である―今日思い出せないことが明日思い出されるとは限らない

■ブランド管理で重要なこと
・購買客が購買の選択肢について考えるときに、どのような”きっかけ”を用いているかを知ること
・その”きっかけ”とブランドとの間に新しい強いリンクを構築すること

■カテゴリーエントリーポイント
 CEPはブランドとつながっている道の入り口だ。CEPが多ければこの道も多くなり、ブランドが目立つ機会が増える。

■CEP特定のためのフレームワーク
・WHY?目的は?
・When?いつ使う?
・Where?どこで使う?
・With whom?誰と一緒に使う?
・With that?何と一緒に使う?

■ブランドの記憶構造の強度を評価する主要な評価基準
・メンタルマーケットシェア
・メンタルペネトレーション
・ネットワークサイズ

■独自性と差別化の違い
 差別化は経済理論から取り入れられた発想だ。差別化は購買につながる意味のある差として優先される。…
 独自性はブラドのアイデンティティであり、競合ブランドに認知度において優るためのツールだ。視覚、聴覚、嗅覚、触覚に訴えるブランドの成長を促す要素はすべて含まれる。独自性はブランドの購買理由を与えるためにあるのではなく、そのブランドらしさを明確にするために、あるいはそのブランドへの気づきを促進させるためにある。…
 差別化と独自性はまったく異なる概念であり、どちらかがどちらに含まれるわけでも、どちらかの代わりが務まるわけでもない。

 一貫性を維持する。どの瞬間もブランドにとっては生死をかけた重要な瞬間だ。人の心の中へ通じる窓は小さく、開いている時間も短い。一貫性はすべての瞬間に意味を持たせるために非常に重要だ
 一貫性が欠如すれば、独自のブランド資産を強化する機会を逸するばかりでなく、ブランド想起を阻害する連想が形成されてしまい、ブランドのアイデンティティ構築を遅らせてしまう。

 メンタルアベイラビリティとはブランドが購買機会で際立つためのブランドの特性を意味する。メンタルアベイラビリティを構築するためには、ブランドはCEPを幅広くカバーする新鮮なブランドリンクを持つ必要がある。…
 さまざまなタッチポイント(購買客との接点)が存在することで、購買客はそのブランドを自分の生活シーンの中に置いて考えるようになり、結果的に購買客のブランド記憶が刷新される。ただし、広告の中でブランドの存在感が際立っていなければならない。…
・広告のなかでのブランドの存在感を高める
・ブランドとの接触機会を拡大する
・書き文字に依存しないブランディングを実施する
・ブランドの広告表現の質を向上させる
・五感に訴えるブランド広告を増やす
・メディアプラットフォームをつなぐキャンペーンを実践する
・過去に実施したキャンペーンを現在の広告表現に応用する

第6章 リーチを拡大する
■結論
・ブランドの成長を支えているオーディエンス、つまりブランドのライトバイヤーとノンユーザーを重視する。…
・ダブルジョパディの法則を利用して、ヘビーメディアユーザーは小規模のプラットフォームに引き寄せられる傾向があることを理解しよう。…

第7章 話題にする価値のある口コミを作る
■結論
 否定的な口コミには注意を向ける価値はない。否定的な口コミが生じることは少なく、生じたとしても影響は小さい。…
 肯定的口コミは、ブランドを買いたい気持ちが低~中程度の人にリーチしたときに最大の効果を発揮する。口コミをより広範囲に拡散するためには、会話に値する内容を持つことおよびその発信のタイミングが重要だ。

第8章 フィジカルアベイラビリティを構築する
■3要素
・プレゼンス:ブランドに存在感があるか
・レレバンス:ブランドは買い求めやすいか
・プロミネンス:ブランドは目立っているか

■結論
 プレゼンスを構築するためには、その目的ができるだけ多くの購買機会に対処することであることをわすれてはならない。…
 ブランドのレレバンスを高めるためには、購買客のためのチャネルではなく購買機会のためのチャネルをデザインしなければならない。…
 …独自のビジュアル資産を持つことで、購買客やリテイラーのブランドへの気づきは促進され、高額の投資を行って獲得したプレゼンスの活用につながる。

第9章 オンラインショッピング
■結論
・オンラインであろうとオフラインであろうと購買客は購買客だ
・オンラインでのポートフォリオの作成は慎重に
・レパートリー買いに備えること
・オンライン上ではすべてのブランドのプレゼンスが等しくなくてもよい
・オンラインではオフラインよりも浸透率を高めることが難しくなりつつある
・オンラインでもメンタルアベイラビリティの構築は重要
・買いやすい環境を作る

第10章 新ブランド導入と新規顧客獲得
■結論
●新ブランドの広告
・購買客の記憶の中で意味を持つためにも、どのカテゴリーに属するかが明確であること
・メンタルアベイラビリティを構築して独自のブランド資産構築の土台を作る優れたブランド戦略に支えられていること。

第11章 高級ブランドについて
■結論
 …高級ブランドがメンタルアベイラビリティを構築し維持するためには大量の広告を出稿する必要があること目標とする高い評価を得るまでには相当の時間が必要であることが示唆される。高級ブランドとは理想的には長年にわたって高品質で美しい製品を生み出しているブランドだ。そのためには、市場に参入して長い年月が経過したブランドであることを訴えることはとても効果的だ。

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2021年09月05日

Posted by ブクログ

調査結果から傾向を見出しそれを一般化していく試みが行われている。
読みやすいテキストではないが既存のペルソナとかターゲティングとか意味ないよという話は面白い。

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2020年11月26日

Posted by ブクログ

1.前著「ブランディングの科学」を読んでおり、続きが気になったから
人口減少を迎えている日本にとって、新市場の開拓は非常に難しい問題となっている中で、どのようなやり方で新市場を開拓していくのかを参考にする

2.ブランドは浸透率によって生み出されるものである。近年は、ロイヤルティを高めることこそマーケティングの王道とされてきた。しかし、ロイヤルティが高い顧客に対して、購入回数を増やすことは非常に難しい。なぜなら、元々購入回数が高いため、それ以上に購入することはかえって不必要ななるからである。つまり、ロイヤルティへの過度の依存は危険だということである。
そこで、ブランドを形成するにあたっては、市場でどれだけのシェアを占めているか(どれだけ認知されているか)ということが重要である。大きくシェアを占めることで、顧客との接触機会が多くなり、購入機会も自然と増えていく。現代はモノにあふれており、消費者は無意識で商品を選択していることが多くの研究結果で示されている。つまり、顧客に対して、自社の商品イメージを植え付けておくことが第一である。それを踏まえたうえで、初めてブランドが形成されていくという主張になっている。

3.正直なところ、前著ですら50%ほどの理解だったので、まだまだ理解不足です。自分のイメージとしては、一部のロイヤルティが高い顧客への依存はすぐに限界を迎えるため、常に新規顧客を獲得していく必要がある。そのためには、市場でどれだけ商品が認知されているのかを重視しなくてはならないというざっくりしたまとめになってしまいました。1人の購入回数には限度があるため、購入機会を増やし、牌を増やす?という戦略が良いのではないかと思っています。
まだまだ、理解不足なので、何度も読み直し、自分なりのマーケティング戦略を確立していきたいと思います。

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2020年10月11日

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