あらすじ
■ゴリラ、シロアリ、宇宙、アフリカ、古代ローマ――2050年の社会課題の突破口を、京大の多様な知性と日立の未来社会研究が融合し探究!
■京都大学と日立製作所により「ヒトと文化の理解に基づく基礎と学理の探究」のため設立された日立京大ラボが、人口減少やシンギュラリティといった社会的課題解決に、本源を問う「大学の知」がどのように役立つかを探索するユニークなプロジェクトの成果をまとめる。
■継続的な京都大学の先生との対話から、2050年の日本が抱える社会課題(3つの喪失:信じるものがなくなる/頼るものがなくなる/やることがなくなる)を解決するヒントを、「不思議や未知なるものにわくわくする心」や「主体的に課題を問い、解決する力」と仮定。それらのヒントをベースに、「市民参加型の社会システムや社会インフラを構築すること」や「便利すぎない未完成な社会を許容し、多様な人財が社会貢献できる余白をつくること」といった将来に向けて大切にしたいことを提言する。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
日立製作所が本気で社会に関わりながら将来に顕現しうるディストピアを防ごうとする気概が感じられた。日本の電機メーカーがこのような課題感、価値観に基づいて活動しているのは、とてもありがたいことと考える。
Posted by ブクログ
大学の講義を聞いているようで、面白かった。
日本社会を覆う三つの喪失
1.信じるものがなくなる
2.頼るものがなくなる
3.やることがなくなる
から脱出するには…と書かれて本。
途中難しい箇所(自分が興味持てない)があったが、
日本の問題に対して、どのように向き合うべきか。
またその分岐点など興味深かった。
Posted by ブクログ
進化はスクラップ&ビルドではなく、アド オン。
言葉が生まれたのは7万年前、人類の進化の1%の時間。
ローマ帝国
ローマ文化=文明化として押し付け
同じ法と通貨、移動の自由 →EUも同じ コロナで移動の自由が失われた
日本
国への依存度が強い
東南アジア みんなで何とかする多重なネットワーク
国の自立性が不透明に、国家への信頼が揺らぐ
三つの喪失 トリレンマ
「信じるものがなくなる」
「頼るものがなくなる」
「やることがなくなる」
ささやかな心遣い
調和的な主体性
セレンディピティ 予期せぬ幸運
アリ 賢くないが、とにかく歩き回る
想像力や発想力 立場の違う人との対話から
不便益
余白
エモーショナルな益価値
創発=emergency
単純なものでも集まると予想外のことが生まれる
匿名の「われ」が化け物を作り出す
アフリカ
相互理解のための話し合い 打ち負かすためのディベートではない
等価交換ではない 関係性で決まる お金の価値
Posted by ブクログ
世の中をすばらしいものにしたい。そういう願いは過去にもいろいろな場所にあったということがわかる本である。
コロナ禍などと言い、世の中は様々な問題を抱えている。一種の閉塞感があるとも言える。本書を読むと実は様々な時代・場所で世の中を良くするという取り組みがあったということがわかる。
歴史を学ぶ理由がわかる本だとも言える。