あらすじ
読書術には、1冊の本を読む時間を節約したい「速読ニーズ」と読んだ内容を忘れない「記憶力ニーズ」があります。読書を習慣化するために必要なテクニックではありますが、それ以前に、「書いてある内容が理解できる」が重要です。
速く読めても、内容を覚えていても、読み手である自分が理解しているか――読書においての「読解力」さえ上げれば、速読や記憶力に時間をかける必要もないのです。
そこで、参考になるのが、理系の読み方です。理系は、問題を発見し、仮説を立てながら実験・検証して、自分の論をアウトプットする。理系では当たり前にやっている作業が、超合理的な読書術を生み出しました。
これまで東大生を500人以上、医大生を2000人以上輩出しているカリスマ講師である著者は、この読書術を学生に教えたところ、
・参考書を読む時間が減った(インプット時間の削減)
・読んだ内容を使って問題を解く時間が増えた(アウトプット時間が増加)
・自学自習の時間で、「自ら弱点を発見→それを潰す」というサイクルを回せた
などの成果を生み出しました。
大事なのは、「合理的」に読むことです。
具体的には、理系的な「問題発見力」と「仮説」によるスクリーニングで読むべき箇所の絞り込みを高精度で行い、読書の時短を徹底させる。さらに、アウトプットに時間を割くことができ、「実験と効果検証」により、読書によるリターンを最大化します。
この読書術を通して、一流のビジネスパーソンが持つ「問題発見力」「仮説思考力」「抽象化力」「行動デザイン力」「評価重視力」が得られ、地頭がよくなることは必至。学生から社会人まで、とにかく時間のないなか、読書効率の最大化をはかりたい人に向けて、理系が当たり前に持っているノウハウを提供します。
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Posted by ブクログ
本書で紹介されている読書の方法は、今までの自分の読書とは根本から違う読書のやり方だった。理系読書というタイトルの通り、読書の方法は、学校の理科の実験と同じ手順だった。まず、その本を読む目的を定め、自分の知りたい情報とそれについての仮説を決める。そして、目次から本の構成を把握し、自分の知りたい情報に辿り着く。さらに、その情報の質を見極めたうえで、実行にうつす。実行は、実験のように変える条件を一つにしぼり、結果からその効果を考察できるようにする。本書にはそれが筆者の経験から具体的に書かれている。
筆者が特に強調していたのが、問題意識をもつこと、実行することだ。私は読書をするとき、自分の知りたい分野の本を最初から最後まで一字一句ただ読んでいた。本書を読んで、読書はもっと能動的、積極的な心構えで読もうと思った。車でどこかに連れて行ってもらっても道は覚えられないが、自分で車を運転して行くと、道を覚えられるのと一緒で、何らかの意思を持って読み、実践することが大切だと感じた。
Posted by ブクログ
赤線で引かれたところだけを読んでも理解できる、とても親切な本だった。
ビジネス本を読む際、何かしら解決したい問題があるはずなので、全部を読もうとしなくていい。
解決策が載っているであろうところだけを辞書のように読み、得られた策を実践してこそ読書が生きる、という内容。
本の選び方や提示されている解決策の精査の仕方など丁寧に書かれていた。
ビジネス本を読む際に再度読んでみたい。