あらすじ
国力がはるかに勝る米国との戦争。それは当然ながら、苛烈な戦闘と決死の覚悟を日本の将兵に強いた。昭和から平成、そして令和に時代が変わった今でも、その「記憶」が消し去られることはない。兵を率いる指揮官には、理性派や闘将型、さまざまなタイプがあったが、刻々と変わる状況下で求められるのは、相手の出方を読む冷静な判断力に加え、「肉を切らせて骨を断つ」強烈な気迫であった。リーダーに迷いがあれば、部下はついてこない。そして、そのような将たちにも、守るべき家族がいた──。海軍からは、山本五十六、山口多聞、角田覚治。陸軍からは、中川州男、栗林忠道、今村均の戦略や戦術、采配を分析。真珠湾攻撃やミッドウェー海戦、南太平洋海戦、ペリリュー島や硫黄島の戦いなど、太平洋戦争の分岐点となった数々の戦闘を取り上げ、その背景や位置づけ、勝敗を分けた要因について詳しく解説。父祖たちが残した激闘の軌跡から、現代の我々が受け取るべきものとは。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
日本陸海軍の名将6人について、研究者がそれぞれの視点から考証しています。
特に今村均は素晴らしい方で、この人が中枢にいたら歴史は確実に変わっていたでしょう。
ページ数も少ないので、昨日から読み始めて、あっという読み終わりました。
Posted by ブクログ
映画MIDWAYで浅野忠信氏が演じている山口多門という人がどのような人物であったか興味を持ったことがきっかけで本書を手に取った。
帝国軍人というと、プライドが高くそれ故に柔軟性に欠けるようなイメージが漠然とあったが、名将と呼ばれる人々は皆総じて己のメンツよりも部下や現地の人々のことを非常に大事にする人格者であり、同時に、現場の状況を冷静に分析し判断する軍人としても優れていた人たちであったと知ることができた。
日本が全て悪かったという自虐的な歴史観が我々の世代には当たり前になってしまっているが、パラオやインドネシアのように、日本の統治が肯定的に受け止められている地域があるというのもまた事実であり、そう言ったことも同時に伝えていかないとフェアではないし、倒れていった方々にも浮かばれない。青山繁晴氏の真珠湾攻撃に関する書籍を読んだ後なので尚更そのように思う。
Posted by ブクログ
時代も価値観も当時と違うが、
戦争時代の名将の生き様を現代に置き換えると
という永遠の問いが集められた1冊
そんな中、ペリリュー島が書かれた第四章は必読です
Posted by ブクログ
日本人として、15年戦争について最低限のことは知っておきたいと思いながら、本によっては左右の違いが甚だしく偏りを感じることが多くありましたが、少しずつ読みやすい本が増えてきたように感じています。