【感想・ネタバレ】OODA Management(ウーダ・マネジメント)―現場判断で成果をあげる次世代型組織のつくり方のレビュー

あらすじ

この1冊で、現場で問題解決する次世代型組織・人材に生まれ変わります!

本書では、米軍の意思決定スキルとして開発され、いまビジネスでも注目されるOODAループを、PDCAサイクルとの比較、導入している企業の成功事例、失敗事例などを紹介しながら、現場で意思決定して成果をあげるための仕組み化を解説します。

リモートワーク、DX(デジタル・トランスレーション)など、変化の激しい経営環境に対応できる組織を育てたいと思っている経営者やリーダー、現場で即断即決するスキルを持ちたいと思っているビジネスパーソンに必読の書です。

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加護野忠男・神戸大学名誉教授 推薦!

日本企業が新たにイノベーションを起こせずに苦戦しているが、それはよりよい製品をつくろうという製品イノベーションにこだわり過ぎているからではないだろうか。いま日本企業に求められているイノベーションは、現場の新しい洞察から、仕組みのイノベーションを起こすことである。

そのために、参考になるのが本書で解説しているOODAの枠組みである。OODAは、刻々と状況が変わる戦場での現場レベルの意思決定のために考案されたものだが、変化の激しい状況に即応するという点では、ビジネス・モデルのレベルにも適用できる。

しかも、本書では、著者の原田勉氏が、現場で働くビジネスパーソンが非連続なイノベーションを起こすための仕組みづくりの方法を、ビジネスケースにOODAの枠組みを当てはめて論じている。OODAが、これまでビジネス・モデルの世界であまり注目されてこなかった点を踏まえると、大きな前進である。

本書が日本の未来を担うミドル層に読まれて、随所で飛躍的なイノベーションが起こることを期待したい。

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Posted by ブクログ

「リーダーの仮面」に通ずるミッション型経営。
行動を強制することは成長につながらない。
行動を選択させ、価値づけるからこそ習慣に昇華する。それが教員の仕事。

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2021年01月18日

Posted by ブクログ

OODAの特徴や基本コンセプトに加えて、
・観察の仕組み化のポイント(有用な情報を掬うスクリーニング、限定する焦点化、業務プロセスに着目する起承完結化、情報を文脈から切り離して可用性を高めるヴァーチャル化)
・情勢判断の仕組み化のポイント(暗黙知➜形式知への変換の観点や、試行回数と結果の予測性がどれくらい確保できるかによって考え方を変えることなど)
・実践にあたっての手段のポイント
が語られています。

OODAへの関心はより高まりました。
ただ自分の今後の仕事への落とし込みという意味では、この本を読んだだけではまだまだ私の深耕が足りないと感じています。
この本ではエッセンス、雰囲気はわかるものの、体系的な解説という意味では、この本だけでは足りないかと個人的には思います。PDCAとの違いも、確実性の高低がポイントというのは、なんとなくそんな気はするものの、言語化されて腹落ちするまではいかなかったです。

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2024年02月16日

Posted by ブクログ

現場判断で成果をあげる組織の作り方を述べた本。従来の組織はPDCAを回す事で対応してきたが、不確実性が増す近年新たなマネジメント方式OODAを適用すべきと謳っている。
確かに不確かさが増す現代において未来を読んで計画する事自体が難しく、大枠のみ決めて現状観察による情勢判断を行い、速やかに意思決定、行動に移す方がより良い結果が得られるのは納得できる。
ただそれをどう組織化して行くのかについて実例をあげて述べられているものの、今ひとつピンとこない。明らかに自分は実行型の人間なのだと改めて感じた。
今の理解ではとても実践出来そうにないので、もっと理解を深めた上で再チャレンジしたい。

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2020年10月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

★本の評価
 ・OODAループの実践に向けたポイントを、各企業や国家や偉人の事例を基に解説しているところは、本書の狙いにあるようにビジネスの実践に向けていること。これを評価したい。一方で、内容は一部結論に弱く感じるところもあったので、個人的には3点とした。(本のページ数の問題か?)

★感想
 ・現在の世の中では、すべてを論理・管理で片付けられない状態。仮に可能であったとしても、それをしていては他社に後れをとり、ビジネスでは時代錯誤。
 ・不確実性を生き抜くには、OODAを合わせて活用する。
 ・OODAを一言でいうと、成功のイメージに内的裏付けされた戦略行動。(自分の解釈)
 ・OODA的な行動を持たせるためには、PDCA的な管理をすることと、OODA的な感性で動くことを一部分けて考えることと、共存すること。
 ・マネジメントの考え方としては、至極言われていることだが、ビジョンを示して取り組みを委譲すること。指摘と改善命令ではなく、支援と共感を対セルにすること。こうした考え方を日々のサイクルの仕組みに盛り込むことが重要。

★内容
ビジネスの世界でも、ウーダループは有効

【OODAループ】
観察(他社や顧客の認識を外した観察)
行動(得た情報で即座にアクション)

【効果】
他社に勝つ
企業の競争力は、人材❌スピードという考え方
決裁の速度が早ければそれだけ競争力があがる

【課題と現状】
個人のウーダループは良くある。だが組織は難しい。
AIやビッグデータの活用により会社規模で行うところも出てきている

今企業が着目するべきなのは、
ウーダループの仕組み化
→ほとんどの会社で実現されていない

ウーダループを回すにはミッション経営が必要
*タスクを命令するのではなく目標を与えてそこに至るプロセスを委譲する。失敗しても権限が足りていないとする
*人が育たないのは失敗するとチャンス与えないから

トヨタのチーフエンジニアがうまく行くのは、尊敬があるから。尊敬があると、上司や対立が複数あっても、部下は動く。

まとめ ウーダループを回すマネジメントは…
①ミッション型の遵守
②上司と部下の信頼関係
③管理者へのリスペクト


【求められる背景】
不確実性の削減←ウーダループ
→到達点はなく、進化し続ける行動をとる
(例)情報的優位=心理的優位となるため、不確実性を情報のGIVEで埋めることが、優位を持ち続けるポイント


【ループを回すマネジメントの考え方】
ウーダループを現場が回すのであれば、上位者はPDCAを回す。
方針管理がPDCA方針のやり方はOODA

【OODAループマネジメントの手順】

No1.観察

①スクリーニング
 シグナリングを起こして情報優位になること
 *合図を送って、知らない人に対して優位な状態を作る(潜在顧客に対してアクション、顕在顧客の関係づくり)(直接営業よりマーケティング)積水ハウスでは、家を売る人は、モデルハウスに複数回訪れたデータを顕在化として扱っている

組織開発でいう、組織診断と自然なアプローチ(あ、助かる)の手段を持つこと。

②焦点
 観察するときの対象を限定することとその仕組み。

組織開発でいう、観察する対象に狙いを定めることや、内容を絞ること

③起承完結
起承転結ではない。起こした後に転じるのではなく、企画から結果までがつながりのあるプロセスとして仕組みが作られている。
トヨタのチーフエンジニアは一人でやっている。チームの中で起承完結のシステムをつくることもある。

④ヴァーチャル
ウーダループは、現実を示すものだが、仮想空間の情報をヴァーチャル空間に置くなどすれば、昨日カ価値として残り続ける

従来のアナログな情報収集(アクチュアル化)
先進のデジタルな情報収集(ヴァーチャル化)

No.2 直観的判断~行動実践
【直観力】
経験を積んだ軍人の判断の95%は直観である。
これは熟練の経営者における会議でも同様であり、
フレームワークを求めるのは、判断力の稚拙さがもたらすやり方である。

知識と智慧は違う。現場では多くの変化・問題が起こっている。これを知識としての糧とし、実際に扱えるようになることが智慧。 優秀なプログラマーは100回の失敗の上に、一つの成功を生み出せるかどうか。
OODAを実現するマネジメントは、職場内に最終的には知識の実践が直観になるような目標の糧になる失敗をさせ続けることを認め、進めるシステムが無ければならない。

【直観的判断能力の開発】
①内概念(暗黙知)
 熟練した製造ラインの作業者は、機械音を聞くだけで、不具合の予兆や、ライフサイクル、故障箇所が見いだせるという。長嶋茂雄も、松井のバット素振り音だけで、今の状態を判別できた。
 ➡卓越した感覚(暗黙知)重視の姿勢が超直感をもたらす。

②イメージ形成
イメージの力を信じること。すべてが論理では示されない。アインシュタインも、まずは自分の頭の中でイメージができること、それを他人に示すときに、初めて言語や記号を使う。と述べている。

③原初的認識
述語論理(pはqであるのqを活用した三段論法が例)論理的に破綻することもあるが、仮設を作るには良い

イノベーション創出には述語(機能や形式・付加価値など)を類型化した適応が課題になることが多い。

例:ウォークマン
ラジカセ機能とポータブル機能を同一視したもの。


④概念的認識(形式知)
これらのプロセスを形式として落としこむ

【その他事例】

~組織メモリー~
トヨタ自動車は、必ず部品を2社競争方式で発注する。
リスクヘッジ・コスト独占の排除をしている。また、長期的な関係の保持を重点ポイントとしている。会社同士の信頼度になるが、これは選ばれなかった、短期的には利益を上げられない案件などを受けた場合にも、後々のいんせんてとして大きく利益になる価値である。

組織における貢献度合いの保持機能は、日常の職場の人間関係にも信頼残高といった形で扱われていると感じる上、規定はされていないものの、意思決定においては重要なファクターであると考えられる。

~ポジティブデビアンスアプローチ~
いい意味で常軌を逸する行動によって成果をもたらすもの。
ベトナムの広範な栄養失調を解決したスータニン夫婦の6か月間のプロジェクトでは、従来の意識啓蒙型の研修や、緊急対策的な物品の配布ではなく、家庭の日常に根差した課題の原因と、対策を実践させる形で普及させる手法をとった。(pdアプローチと呼ばれるようになった)

ビジネスの場では、あまりに華々しい外のテーマは社内では参考にはなっても、実践にはつながらないことが多い。
ただし、社内事例は別で、多くがこぞってまねを使用とする。社内事例をうまく活用することが、こうした実践を浸透させるための大きな幹になることが考えられる。(社内事例であればよりリアルかつ直観的に実施したいと思える)

社内でこうしたやり方を適応させるには、①凡人の逸脱行為を見つける ②行動特性として抽出する 2点を実施することが良い。
(例えば、会議が終わったあとに席を立たないということがあったなど)

~GEの人材育成~
GEの人事評価は、業績とバリューの二軸。
両方もしくは片方が期待以上の従業員は、35%ほどであり、いかにこのゾーンに従業員をあげるかを重視しているが、単純な成果(コンピ)ではなく、バリューにのっとった行動をしているかどうか、人となりを見ていることがあげられる

【組織におけるOODA実現へのポイント】

①ミッションの優先順位を持たせる
②権限を現場に委譲する
③現場に責任を取らせない
④PDCAとOODAのすみわけ

以上

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2020年11月20日

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