【感想・ネタバレ】男のレビュー

あらすじ

男は黙ってよく働いている
だいじにしなければなあと思う

歿後30年。
「男」をめぐる初の随筆選。

羅臼の鮭漁、森林伐採、ごみ収集、救急医療、下水処理、少年院、橋脚工事――
日常の暮らしを支える現場で働く男性たちに注ぐ、やわらかく細やかな眼差し。
現場に分け入り、プロフェッショナルたちと語らい、自身の目で見て体感したことのみを凜とした文章で描き出す、行動する作家・幸田文の随筆の粋。


(収録作品)
男(濡れた男/確認する/切除/火の人/傾斜に伐る/都会の静脈/まずかった/ちりんちりんの車/救急のかけはし/並んで坐る/橋)
ちどりがけ
当世床屋譚
植える
出合いもの
いい男
男のひと
素朴な山の男
男のせんたく
男へ

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 北の国はあらゆることに強さを要求している。覚悟のないものには辛い土地。知床半島、羅臼町。胸もズボンもずぶ濡れ、海の男。すなどりびと。獲る業は荒くとも獲る心は優しい。鮭は4年で産卵に戻る。遡上する鮭の夫妻。その努力と産卵後の結末があまりにいじらしくて正視できないほど。すっかりみじめになり、最後の努力を尽くす。産卵する妻を見守る夫。精根尽きる。死を待つ鮭を「ほっちゃれ」と呼ぶ。幸田文「男」、2020.7発行、20編のエッセイ。1959年「婦人公論」等に連載。冒頭を飾るのが「濡れた男」。漁師の男と牡鮭の話。

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2023年06月02日

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