あらすじ
Excelに手で打ち込んだ経費精算の書類をプリントアウトしてハンコ押して出して、それを経理が目で見て領収書と突き合わせて入力してダブルチェックで確認して……こうした「ムダ」は、そこらじゅうにあります。
本書は、総務・経理などの個別の業務ではなく、そうした部門が関わる会社全体の業務(バックオフィス)の最適化の方法を「経営戦略」としてお伝えするのが目的です。
特に、ペーパーレス化、テレワーク体制など、デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組みたい方々に適しています。
▼ ITを最大限に活かす、本当に使える「業務最適化の地図」の描き方
近年、ITによるバックオフィスの最適化を考える企業は増えてきました。たとえば、
「ITサービスの導入による、人間が手作業で行ってきた事務作業の省力化・自動化」
「グループウェアやチャットツールによる、情報共有やコミュニケーションの活性化」
などです。
しかし、手を付けてみたものの、なかなかうまくいかない会社も多いのが実際です。
しかも現在、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行などを受けて、多くの会社では仕組みやツールが整っていない状態であってもテレワークなどを余儀なくされ、こうした問題は経営戦略上でも「喫緊の課題」となってきました。
本書では、そうした現状に対して、経営の視点でどう対応していくべきかを、わかりやすく解説します。
重要なのは、業務フローを考えるとき、会社のすべての情報が行き着く先である「会計」から逆算して考えるということです。
もちろん、ただ単に「ITを活用してより便利にします」ではなく、多くの経営者にとって気になるポイントである「売上を上げる」という点を重視。
正しいIT投資によって「売上アップ」と「効率化」を両立させる方法を教えます。
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Posted by ブクログ
著者は本間拓哉氏。一般社団法人IT顧問化協会代表理事、(株)I経営ワークスや(株)DXソリューションの代表取締役。
感想。
今知りたい情報がたくさん詰まってました。読んでよかったです。
採用管理、労務管理、勤怠管理、給与計算、経費管理、会計、グループウェア、通信インフラ、セキュリティ、テレワーク、名刺管理、営業管理、販売管理、マーケティング、等々。易しく整理して頂いている。
タイトルは、本質はそうなんでしょうが、読者目線からすると期待と異なる感情を抱かせるかも。
備忘録。
・経営者が現状に問題を感じて「ITシステムを活用して問題を解決したい」と考えているのに、IT活用・導入をを実現できる人材が社内にいないケースが非常に多い。(←これ)
・経営者の方々は売上アップを望んでいる。IT活用で業務が効率化して、それが実際の売上や利益に繋がるか。単なる効率化だけで、それにITツール利用の月額利用料がかかるなら、現状のままで良いのではないかと。
・著書らは、IT活用が、バックオフィスの最適化が、最後は売上蔵に繋がらことを理解し、そのために必要な手順を策定し、導入支援をするという。
・ポイントは数字を盛り込んで可視化すること。見えにくい間接コストを可視化し、ITによってどれだけ削減できるか。間接コストの負担は現場にかかることを経営者は理解する必要がある。我慢させつつ、残業を抑制させて、などしてたらまずい。
・著者らがバックオフィスの最適化を考える場合、会計ソフトにどうやってデータを落とし込むか、を、まず考える。どんな業務フローも、大概は最終的に会計ソフトに繋がる。
・自社の環境に合ったITツールを選んで導入しても、グループウェアやインフラの整備がイマイチでは、バックオフィスの最適化は叶わない。
・ITシステム導入には初期設定が必要不可欠。この設定には、「使い勝手を上げるための設定」と、「それがなければ運用できない設定」がある。
・自社にオンプレミスのシステムを持ち、そのオンプレミスのシステムを使いつつ、クラウドのシステムも併用するのもあり。ポストモダンERP。