感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
鰻を愛して止まないもので、タイトルに惹かれて手に取りました。
タイトルの印象とストーリーに、ギャップが有り過ぎる。良い意味でだけれど。
ある鰻屋さんを舞台にした一人の男に関わる女たちの話。
信じきれなくなった女の話が切ない。
そして、小道具としての鰻の使い方が良い。
あの鰻はこの鰻。
あの人にとってのあの鰻と、この人にとってのこの鰻。
すれ違いが悲しい。
最後まで読んで、思わずもう一回の話に最初に戻ってしまった。
Posted by ブクログ
*お不動さんの参道にあるうなぎ屋「まつむら」。そこにはとある一人の男に縁深い、五人の女たちが集う。売れない俳優と同棲する女、大学教授と見合いをする女、ベストセラーを夢見る女、「太るから」うなぎが嫌いな女――。人生の決断を迫られた彼女たちのそばにはいつもうなぎがあった。
甘くてしょっぱい、うなぎのように濃厚な連作5編を収録*
題名から、明るくて元気が出る女子たちの奮闘記?みたいなお話をイメージしていましたが、違いました。
文調はからっと明るめでテンポ良くさくさく読めますが、お話が進むにつれ、大人ならではの言えなかったこと、聞けなかったこと、目を逸らしてきたことが陰を差します。わかるけど、あと一歩、あと一言で状況は変えられたのに…とヤキモキさせられる展開がニクい。
無理矢理ハッピーエンドに結び付けないラストと、ともえが「今日も心をいっぱいにしてくれる大人のごちそう」を焼くシーンが心に残ります。
Posted by ブクログ
うなぎにまつわる5人の女性の話。
それぞれ別々の話かと思いきや、どの話も権藤という男が出て来て、物語が進む。
全部の話を読むと、1話で出て来る人やエピソードが繋がります。
話を重ねるごとに権藤のイメージが変わる…笑子のお土産の件は誤解されたままなのでは…。
ちゃんと説明すればいいのに、と思ったけどあえてそうしない理由があるのかな。
どの話も読み終えたあとは前向きな気持ちになれます。
この方の本は初めて読んだけど、一人一人のキャラが特徴的で人間らしい。