あらすじ
公務員はやりがいのあるいい仕事だ。一見地味ではあるが、長い目で見れば、人の意識を変え、社会全体を変革する。その醍醐味を、豊富な経験をもとに紹介する。
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Posted by ブクログ
「30歳未満の若手男性官僚の7人に1人が、数年内に辞職する意向」、内閣人事局が実施した意識調査で、そんな衝撃的な事実が報道されている。昨年11~12月に国家公務員の約3割を対象に実施。約4万5千人の回答ということであり、一部の公務員ではなく公務員全体の意識を反映した内容。背景には、民間以上にハードと言われる長時間労働等、働き方改革の遅れもあると思われるが、この間の「忖度」等に代表される公務員の働き方そのものへの不満・疑問があると思われる。それは「もっと魅力的な仕事につきたい」が約半数の回答であったことにも現れている。
そんななか、元厚労省事務次官の村木厚子氏の著書が発刊された。村木氏は、労働省(現・厚生労働省)に入り、女性や障碍者政策を担当。郵便不正事件で逮捕されるという苦難に遭遇も、無罪をかちとり復職。その後厚生労働省の事務方トップの事務次官も務められている。
そんな村木氏が、公務員になろうとする人や若手の公務員を対象に「公務員という仕事に興味をもってもらい、公務員を目指してもらうため」に書かれたのが本書。
公務員の仕事とは、「世の中のニーズに気づいて、遅れることなく、対策の打ち方を考えたうえで、新しい法律や制度をつくる仕事」「大きな課題にリレー方式でチャレンジする仕事」。本来は、「世の中の役に立つ、価値のある仕事」。「やりがいがあり、おもしろく、仕事を通じて自分自身が大いに成長できる仕事」。新型コロナウィルス等で、社会全体が危機を迎えている中で、公務員が果たすべき役割は、かつてなく大きく期待されている。「ライスワークからライフワークへ」、若い人たちだけではなく、中堅や社会をリードする役割を担っている公務員のみなさんにこそ読んでいただき、気持ちもあらたに仕事を進めてもらいたいと強く願う。