あらすじ
黒人スラム街にともに暮らし、黒人たちを撮り続けた、フォトジャーナリスト・吉田ルイ子――貧困・麻薬・売春・差別に象徴されるニューヨーク・ハーレムで、人間が人間であることを取り戻すことに目覚めた黒い肌の輝きを、女の感覚とカメラの冷徹な眼でヴィヴィッドに把えたルポルタージュ。
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Posted by ブクログ
エネルギッシュで今読んでも全く色褪せを感じない生気あふれる一冊、名著です!
圧倒的に理不尽な人種差別に苛まれ、ドラッグに売春が常態化していて、住人は外の世界をほとんど知らず知る機会もない。そういった外側がある一方、明るさ、優しさ、助け合いに囲まれた人間味あふれる内側もある。
本書はその両側面をリアルに描いてくれて、読み終えてとても熱い気持ちになりました!
Posted by ブクログ
人種差別は言葉の上では理解しているけど、物語や神話から入り込んでいるとなると、それを乗り越えるのは想像を絶する難しさがありそう。
白人の綺麗事を言ってる人は実害が出ると手のひらを返すかもしれない。また、黒人を差別しているのは白人だけではない。自分自身も偏見が少なからずあるはずなのでラベルを貼らずに関わることが大事そう。
Posted by ブクログ
大学生の頃に読んだこの本を、10年経って読み直した。
私が、海外、特に黒人の暮らしをのぞいてみたいと思ったこと、「女性ジャーナリスト写真家」という存在に興味を持ち始めたことの原点はこの本だ、と実感。
Posted by ブクログ
「写真家」という職業があることをはじめて意識したのは、吉田さんの書いたこの本を読んでからだと思う。
雑誌に載っている写真とは違った写真がたくさん。そして吉田さんの言葉。
「こんな写真が撮りたい」と思うような写真ではなく、「これがこの人の撮ったもの」という冷静に鑑賞できる写真。
それでいて何かを伝えたいような強さがある。
吉田ルイ子さんをはじめ、ルイ子さんの心のお師匠様であるユージン・スミス、そして藤原新也氏などの写真を10代の頃から触れる機会があって本当によかったとしみじみ思った。
写真を撮り始めたのは最近だが、一番最初に無言の教えをもらっていたような気がする。
Posted by ブクログ
私が日本を飛び出す切っ掛けになった本!!!懐かしい。どうやって出会ったのだろう?!内容も読んだのが昔すぎて忘れてしまったが、当時メデァアで見えるアメリカより、かなりリアルなアメリカにわくわく感というのか、心躍らされた気がします。
Posted by ブクログ
私の人生に大きく影響を与えた本のひとつです。ちょうどハーレムが最も変化していた時期に、そこにいた著者の言葉には重みがありますね。きっと世界観を変えてくれると思います。
Posted by ブクログ
十代のころ、表紙の写真に引き寄せられるようにして手にした一冊。
差別というものが当たり前であった時代が、ちょうど動き出した頃のハーレム。
「ブラック イズ ビューティフル」と声をあげ始めたそのパワーとエネルギー。
ハーレムでともに暮らし「隣人」として、時にジャーナリストの目線で、肌で感じた体験が愛すべき彼らへの思いとともに詰め込まれた作品。
今読んでも生き生き。文字通りの「熱」を感じた。
Posted by ブクログ
内側から見たハーレムの様子がわかって面白かった。個人的にはアングロサクソンの社会の文化よりもマイノリティの文化に興味があるので、興味深く読めた。わたしもハーレムへ行ってみたい。
Posted by ブクログ
三読。多分20年振りに読む。表紙の何かに挑みかかるような目をした黒人少年の写真が非常にインパクトを与える。ハーレムから見た60年代のアメリカの姿が生き生きと描かれている。50年前のことを40年前に書いた本なので、現地報告としての使命は既に終えているが、筆者の、そしてアメリカ合州国の青春期の話としては非常に面白い。ケネディ兄弟、キング牧師、ブラックモスレム、マルコムX、ブラックパンサ―、ベトナム反戦、毛沢東、カストロ、チェ・ゲバラ、赤軍派…こんな言葉がまだ希望を持って語られていた熱い政治の季節の物語。良書。
Posted by ブクログ
ハーレムという、黒人の住みかで暮らした女性の話。
人種差別について、いろんな研究がなされてるけど、この本では、人種差別を肌で感じてみた感想が述べられている。
特にどのシーンが印象的だったとかはない。
ただ、全体を通して、被差別民族である黒人たちの暮らしついて知れたし、黒人の人間性もすごく伝わってきた。
作者は、どちらかと言えば、黒人を肯定的に捉えてる部分が多いけど、欠点についてもきちんと指摘してるし、偏った見方をしていない。それがすごくよかった。
考えさせられたのは、深層心理として、黒人を下に見てしまう、あるいは無意識のうちに避けてしまっているという点について。
それは、作者の初めての黒人との出会いのシーンからもわかる。
積み重なってきた歴史的な思想を変えるには時間はかかるけど、現代社会を見たら、多少は改善された・・・のかな。
ブラックパンサーが、今どうなっているのか、調べてみたいと思う。
Posted by ブクログ
作者さんの文章はスラスラと書かれているのに、なぜかすごい情熱が伝わってくるような本でした。
賛否両論あるとはおもいますが、とてもいい本だ!と思いました。
NYに行ってみたいなぁ・・・。
Posted by ブクログ
60年代~70年代のアメリカ。
キング牧師やマルコムXがいたころのハーレムの様子が
当時大学でフォトジャーナリズムを専攻していた著者の目をとおして
いきいきと描かれる。
陳腐な表現だけど、「差別とは何か」考えさせられる作品。
著者の撮った写真も熱い。
当時の生活の温度が伝わってくる。
数年前、ルイ子さんご本人にこの本にサインをいただきました!
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ怖かった。
リベラルなつもりの白人(夫)の態度とか、同じカラードだから白人より差別的じゃないつもりの著者が、それでも労働者階級の黒人とは握手すらできない刷り込みの強さが本当に怖くてたまらなかった。
これが、何百年も前の話じゃなくって今と繋がっているってことが怖くてたまらない。
衝撃度なら★5.怖すぎたからマイナス1
Posted by ブクログ
僕が高校を卒業した頃に読んだ書籍。この本は「草原から来た人」が紹介してくれました。その後の僕の人生を大きく変えてくれた一冊です。物語じゃないから、今の人にお薦めはしないかな。でも、アメリカに旅立とうとする若者には絶対にお薦め!この書を片手に僕はアメリカに旅立ち、写真を学び、カメラマンになった。(今は違う仕事をしていますが)「草原から来た人」とは今でも時々連絡をとります。僕に本当に色々な事を教えてくれた人です。「草原から来た人」の言葉で、『いつまでも傷みのわかる男でいておくれ』というものがあります。その言葉と林檎を一つ、くれました。その林檎を口にする事が出来ず、いつまでも枕元のテーブルにあった。やがて、その林檎は腐って行くのですが、腐食が進むにつれて甘酸っぱい香りを放っていました。ん。。。。そういう思い出もある一冊です。
Posted by ブクログ
本屋で見つけて表示と本の題名に惹かれて即買ってしまった。
60年代の生々しいハーレムの様子を垣間見ることのできる貴重な一冊。
作者が愛情を持ちながらも戸惑い悩み葛藤しながら、ハーレムのブラックの人々を撮り続けた思いが生々しく伝わってきた。
人間の尊厳、人種、差別、いろんなことを考えさせられた。
Posted by ブクログ
購入者:山口
このへんのカルチャーに興味があったので買ってみました。
当時の雰囲気が感じられてよかったです。
貸出:小畠 返却:(2008.12.1)
日本に生まれ、育ち、生活をする日本人には、アメリカ社会は理解出来ない事が多くある。つい最近まで存在した人種階級制度、肌の色が違う人々が集まっての生活、仕事を共にしているアメリカ社会。アメリカ社会は、世界一寛大な大国であると改めて認識させれた。
貸出:滝口(2008.12.2)返却.(2008.12。20)人種差別、宗教、この問題は、今のなお世界中で紛争が絶えない平和な日はいつか?
貸出:山田(2009.5.26)返却(2009.7.7)
奴隷制度が終わってもプライドを持つことを許されなかったニグロの時代から、プライドを取り戻そうとしたブラックモスレム、マルコムX、ブラックパンサー党のブラック時代を経て、今やアメリカのプライド(誇り)となったブラックで大統領となったオバマ氏。
どん底から這い上がるのは短期間では難しいものですが、思い続けること願い続けることが大きな結果・成果になることを感じました。
プライドを取り戻すための革命と呼べる色々な行動には感動しました。
自分の若いころはHIPHOP(RAP)が好きで黒人音楽のセンスやファッションに憧れていました。人種差別というもの少し知っていましたが、KKKの一部の少数派団体が行っているものだと認識しており、国全体がこれほどまでに人権を無視した差別を当たり前のように行われていたことについては色々と考えさせられるところがありました。
マルコムX自身がブラックモスレムであり、多くの演説の中、影響力があり支持者を増やしたというのは知りませんでした。日本ではマルコムXというのはファッションの一部でしかありませんでした。そして、まだまだブラックミュージックファッションが少なかった時代、HIPHOP(RAP)ファンたちとその歌詞に込められたメッセージもろくに知らずにクラブやライブで盛り上がっていたのはのんきだったように思います。そういった境遇にない日本人に理解するのは難しいかもしれませんが、歴史を知れてよかったと思います。