あらすじ
見るだけで服のサイズが分かる異能、果物の旬が分かる異能、蚊を一撃で倒せる異能など、この世界では誰もが取るに足らない「異能」を持っている。
主人公OL・星野は、書類を崩さずに詰める異能と、あともう一つ、人には言えない異能を持っていた。
それは他人の異能が分かる異能。そしてしょっちゅう風邪を引いている同僚の藤原に、超レアな不老不死の異能があると分かり!?
ちょっぴり変わったオフィスを舞台に繰り広げられるSF(すこし不思議な)異能力オフィスコメディ!
★単行本カバー下画像収録★
ふとした時に「こんな能力あったらいいな」と思ったことありませんか。
「もし自分に異能があったら!?」と妄想した人も少なくないはず!
そして、かくいう私もそのひとり。
壮大な妄想を繰り広げたことは数知れず。
本作は「書類を崩さずに詰める異能」から超レアな「不老不死」まで、多種多様な異能を持つ人たちを描いたのんびりほのぼのオフィスコメディ。
異能を持つ人達の日常をこっそり覗いている気分です。
私たちの毎日に「しょうもない」異能が溶け込む世界を具現化した、そんな感じ。
でも、異能によっては、万能でもなくて、制限がある異能も存在するらしいのです。
そんなの妄想だったら絶対に出てこない!!
だって妄想は都合が良いからおもしろいんだもの。想定外すぎる。
(ちなみに私は「猫にめちゃくちゃ好かれる能力」と「レジに並ばずに済む異能」が欲しい)
リアル化された「みんなが異能を持つ世界」を覗いてみませんか。
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Posted by ブクログ
狙ったカードを一発で引ける異能羨ましすぎでしょ!!(※本筋とはまったく関係ない感想です)
ゆるっとほっこり日常かと思ったら、お仕事描写はちゃんと会社員が読んで共感できるていねいさ。
「一般的な日本の企業で起こる出来事、そこにちょっとした異能が絡んできたら……?」みたいな面白みがある。
Posted by ブクログ
異能を持つ人が一般的になっている日常の話。
異能といえば、
「火を出せる」
「氷が出せる」
「空が飛べる」
「重さを変えられる」
などSFっぽさかが出てくるが、この本はそれが全く感じられず、もしかしたら現実にもあるのではないかと思わせるほど自然。
なぜかと考えた時に、
「見るだけで服のサイズが分かる異能」
「果物の旬が分かる異能」
「言っている人の嘘の割合がわかる」
「書類を崩さずにつめる」
と、あったら嬉しいな〜ぐらいのビミョウなラインを攻めている異能が多いからだと思った。
そして感じたことは
異能だけで判断してしまうと、その人の大切な人柄や生き方、価値観、経験、努力などがないものとなってしまう可能性があること。
異能は個性であり、その人の全てではない。
それは今の自分にも言えることだ。
最近は自己分析でタイプ分けしているものが多いが、そのフィルター越しにその人を見てはもったいない。
自戒として書いておく。
ちなみにわたしだったら…
鮮度がわかる能力が欲しい。
そして、冷蔵庫とギリギリのラインを格闘したい!
Posted by ブクログ
1~3巻までまとめて感想。
久しぶりにストレス無く読める作品に出会いました。素敵な時間をありがとうございました。
特に大事件は起きないけど異能をテーマにあリそうな出来事で終始していて、作者が楽しんで描いてることが伝わります。ショートストーリーで読み易い。基本的に会社での悲喜交交なので読者は社会人の方が共感するかも。
絵は上手いです。人物のデッサンやコマ割りのバランスも良いし、小さなコマのデフォルメも上手い。可愛い。人物やその場の雰囲気をトーンで表現するのも分かりやすい。
Posted by ブクログ
「他人の異能が分かる異能」を持つコンサルタントは、自分が異能を活かしているからこそ、他人にもそれを求めているんだろうな。
それは人の異能を過大評価しているとも言えるし、人の異能に敬意を払っているとも言える。決して「しょうもない」とは思っていない。
不老不死の異能は後天的に身についた可能性。
Posted by ブクログ
タイトルで気になって読んでみたらまず主人公が『紙を崩さず積める能力』というしょうもなさ。他の人もカロリーがわかるとか重さがわかるとかわりとしょうもないもの多め。ちょっとすごいのもあるけど、大抵しょうもない。そんなゆるふわオフィスコメディ。こんなオフィスあったらいいなあと思って読める。良。
Posted by ブクログ
個人的にツボだったのは「相手に韻を踏ませる」異能。「しりとりがめちゃくちゃ苦手」だなんて、ニッチにもほどがある弱点……
しょうもなさにも二通りあって「すごいけど役に立たない」と「地味だけどすごく便利」、いずれにせよ争いには馴染まない。折り合いをつけて日常に溶け込んでいる様子がリアル。「不老不死」とか出てくるのに。
競争社会への皮肉が込められているのか、そうでもないか。「才能とは」「自分らしさとは」「長所を活かす仕事とは」について深読みを誘う。
Posted by ブクログ
ああ〜、しょうもないのに、おもしろい〜。
全人類には検定でわかる「異能」があって
その異能が就職の資格にもなる世界のおはなし。
でも「しょうもない能力」だから(笑)
世界征服できるとか、そういうのじゃないの。
例えば主人公・星野は「書類を崩さず置ける能力」
(と実は「他人の異能がわかる異能」も)
同僚の方々の「誤字脱字がわかる能力」とか
「カロリーがわかる異能」は実生活の役に立ちそうですが。
一番すごいのは「不老不死」の藤原さんだけど
検定嫌いなので自分の異能を知らない。
まさか、こんな設定でオフィスものが楽しめるとは!