【感想・ネタバレ】京大はんと甘いもんのレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年01月13日

 甘味をテーマにしたほのぼの日常ストーリー……だと思っていたのだが、実際は予想を大きく裏切るものだった。

 祖父の湯呑を媒介としたタイムスリップ。甘味を介して話はすすんでいくのだが、大きな目的は祖父の友人を戦死から救うこと。

 若き日の祖父になりかわった主人公が祖父の恋に悩み、しかし祖父が辿った...続きを読む道筋を外れその恋を成就させてしまうとタイムスリップの鍵である湯呑が割れ、元の世界に帰れなくなる。つまり、歴史が変わり、違う時間軸の存在となってしまう。結果、祖父の友人を救うことができない。

 できることが限られた中、奮闘する主人公の成長ぶりに心を打たれた。とても読み応えのある面白い作品。

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Posted by ブクログ 2020年10月02日

和菓子、友情とほのぼのとした雰囲気の中リズムよく読むことができ期待しながら読み進めたけど、
最後の最後、それぞれの人物がどうやって過ごしたのか経緯を知りたい。

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Posted by ブクログ 2020年09月27日

さらっとライトなお菓子のライト文芸かと思いきや、なかなかガッツリしたタイムスリップものやった。
さすがタイムスリップものらしく、伏線が結構細かくて読み応えがある気がする。
おもしろかった。

付箋を貼りたいいい言葉もたくさんあったけれど、わりとさらっと読んでしまった。残念。

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Posted by ブクログ 2020年07月26日

主人公は、当たり障りの無い人生を送ってきて、その結果、仕事も家庭も冴えないことになったアラフォーサラリーマン。やけくそで東京から京都まで行ってしまったはずみで、亡き祖父の頼みを思い出す。勢いのままに祖父の願いをかなえようとするが、なんと不思議なことに、祖父の学生時代に、祖父本人としてタイムスリップし...続きを読むてしまって・・・!!というお話。

面白いのは、主人公のこれまでの人生が、自分の「当たり障りの無い選択をしてきた結果」として、冴えないことになってるということ。特別に境遇が不幸だとか不運だとかではなく、冴えないといっても人生どん底というほどでもない。そこがリアルで、いいです。タイムスリップなんて設定であっても、他の部分は現実離れしないで、リアルに描こうとしてるような感じで、そこが特に良かった。

衝撃的とか、そういうんじゃなくて、ふわっと、やさしく、少し切ない、読後感もさわやかです。鍵となっている京都のお菓子たちも、ほどよく情緒を醸し出していいです。

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Posted by ブクログ 2023年11月01日

亡き祖父の学生時代に乗り移って、学生生活を体験する話。祖父のもう一度会いたかった、菓子を食べさせたかった相手は誰なのか。戦前の大学生ってこんな感じだったのかと不思議な気持ち。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年06月20日

サラリーマンの櫻馬がなぜか戦前にタイムスリップし、その時代に京大生だった祖父の体に入り込む。
そこで青春時代を送るのだが、仲間の誰かが戦死するという事を知り防ぐ事ができないかと考える… 
タイトルにある通り、戦前の京都の甘いもんが色々出てきて美味しそうだし、友情や恋というのもそこだけ読めば面白いけど...続きを読む、タイムスリップのくだりが何だか中途半端かな。

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Posted by ブクログ 2021年01月27日

櫻馬彰(さくらば しょう)、先週37歳になった。2ヶ月前に離婚した。会社に嫌気がさした。

プチトリップのつもりで新幹線に乗ったら、京都まで来てしまい…
祖父の心残りを思い出す。
この和菓子を、食べさせてやりたい奴がいた。
あんなに早く死んでしまうなんて、戦争は本当にむごい。
そう言いながら、祖父は...続きを読む集合写真を指で撫でた。

京都の素敵なところは、「現代でありながら過去とつながった街」
子供の頃の彰は「じいちゃんみたいに京大に行く!」が口癖だった

二人の心残りが重なった?
37歳の彰は、京大新入生の祖父・永太郎の中にタイムスリップする。
祖父は、「ときわ木」という菓子を食べさせてやりたかったと言ったが、彰は、その彼を、「戦争で死なせないこと」にこだわる。

華さんのところに下宿する「京大はん」たち、この中から戦争で命を失う者が出る。
永太郎になった彰の目線で、彼らの隠し持った内面にスポットが当たり…

今まで、人の話をいい加減に聞き流してきた、と気付く。
あの時、かの人は何と言っていたか?
真摯に思い出した、その言葉の中にヒントがある。
2018年に37歳の男が、昭和7年の20代前半の帝大生と共に成長する。
今は大人になりきれない大人も多い。
昔の人はそれに比べて早熟だったから、ちょうどいいバランスだったのかもしれない。
クライマックスが学祭というのも、京大っぽい?

タイムスリップものは、現代に戻る時が切ない。

私はこの作品を導入部のように感じている。
続きを読みたいのだ。
彰が去って、永太郎に戻ったじいちゃんの青春。
ノートを見て、謎の書き込みをどう思うか。
時が進んで、「三七、日中」「四一、真珠湾」の意味も悟るだろう。
下宿の仲間たちと真佐子さんのその後も知りたいし。

「甘いもん」は主役ではないが、思い出をつづる重要な鍵になる。

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