【感想・ネタバレ】余生と厭世のレビュー

あらすじ

七十二歳の誕生日で引退することを決めた精神科医のもとに、最後の新患が現れる。希死念慮と自殺の衝動に苦しむ彼女とカウンセリングを重ねるなかで、精神科医は自らの人生と老いや死へのおそれを見つめなおす。デンマーク人心理学者が静謐な筆致で描く小説

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Posted by ブクログ

引退間近の精神科医とその日常を淡々と綴りながら、最後の新患女性との診察を通じて起こる彼自身の変化を描いた物語。
精神科ならではの重苦しさはほとんどなく、なんとも心穏やかな気持ちで読み進められる不思議なトーンを持った本だった。
著者はコペンハーゲン出身の、臨床心理士でもある女性。元卓球デンマーク代表選手という興味深い経歴の持ち主。
他の作品も読んでみたくなった。

3~4ページくらいの短いスパンで見出しが付いており、全体のページ数も150ページほどと非常に読みやすい。
表紙のデザインはシンプルだがなかなかのインパクト。

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2021年01月16日

Posted by ブクログ

老病死と共に生きていくっていう話。

フランスを舞台にしてるけど、やっぱりデンマークの静かな雰囲気が似合う静かな小説。

章が短く分けてあって読みやすい。

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2021年01月08日

Posted by ブクログ

なんかいいなあ。しみじみ?この本の良さを表すのはどうすればいいんだ?退職を控えた精神科医72歳の日常。静かで地味。家族、友達いない。自分が歳とったら、かなり満足した毎日を送ることができるんだろうと漠然と考えていたけど全然そんなことねえな。むしろ思い通りにいくことの方が奇跡に近く、常に周囲に疲労させられる。日本はカウンセリングがあんまり浸透してないし、なかなか人目あって、自分の心に向かい合うことに敷居がある。不思議だよね、自分を労ることに何だか罪悪感があるんだ。まあ最後の最後、この医師は少し自分が見えた。

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2021年01月22日

Posted by ブクログ

アガッツが来たのが別のタイミングだったら、老医者は何も変わらなかったかもしれない。あのときに彼女が現われたからこそ、彼は自らの孤独や患者たちと真に向き合うことができた。たとえ嫌気の差す仕事でも、終わる間際になって初めて、かけがえのないものに見えてくるように思う。同じことが人生全体に言える。私ももうすぐ死ぬという時になったら、色んなものを受け入れられるかもしれない。そうであればいいと思う。リンゴのケーキ食べてみたい。 読みやすかった。訳者あとがきはちょっと微妙。

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2020年11月20日

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