あらすじ
フランスを主戦場として英仏王家が攻防を繰り広げた百年戦争(一三三七~一四五三)。イングランドの大陸領をめぐる積年の対立に、フランス王位継承権争いが絡んで勃発した。当初イングランドが優勢だったが、ジャンヌ・ダルクによるオルレアン解放後、フランスが巻き返して勝利する。戦乱を経て、英仏双方で国民意識はどのように生まれたか。ヨーロッパ中世に終止符を打った戦争の全貌を描き、その歴史的意義を解明する。
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Posted by ブクログ
『百年戦争 中世ヨーロッパ最後の闘い』はシェイクスピアの『リチャード二世』の時代背景を知る上でとても参考になる作品です。
この本は薔薇戦争に先立つ百年戦争について学ぶのに非常におすすめな参考書です。
百年戦争といえばあのジャンヌ・ダルクが活躍した戦いです。
この本を読めばシェイクスピア史劇をより楽しめること間違いなしです。ぜひおすすめしたい作品です。
Posted by ブクログ
英仏百年戦争を描いた本書。
読んでみて、ヨーロッパっていうのは闘争につぐ闘争、戦争につぐ戦争で休まる時がないなぁ、としみじみ思う。修羅の地という名前がこれほど似合う地域も他にあるまい。そりゃ、「人権」という発明品が出てくるわ……それでも大分時間がかかってはいるが。
離合集散、合従連衡当たり前。隙あらば地位向上、領地拡大を狙う王侯貴族。独立心旺盛、条件よければ鞍替え上等の在地貴族。戦乱に巻き込まれ悲惨なはずの民衆たちも、何だかんだで逞しく図太い。
……これだけ条件そろえば平安なんて望むべくもない。中世は「暗黒時代」とはよく聞くけれど、「闘争時代」の方が実態に即している気がする。キリスト教会の賛否はあるけれども、「仲介者」としての側面を見るとヨーロッパ人として手放せなかったのだろう。
本書を読んで、改めてヨーロッパ及び其処に住む人間が一筋縄ではいかないモノだと思うし、EUがむしろ良く保っているものだと思う。イギリスのあの態度こそヨーロッパのスタンダードなのだろう。
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大学公開講座で学んだ先生の著作。
非常にまとまっており、読みやすい。
百年戦争という事象でこれだけの著作は珍しいと思う。
また読み直すのだろう。
Posted by ブクログ
百年戦争と呼ばれているが、実は百年以上の戦争が続いていたこと、英仏との戦争といわれるが、英仏内の一部では敵と協力するときがあるなど、必ずしも教科書の記述通りというわけではない。また戦争そのものが、敵軍兵士の殺害よりも身代金を得ることを目的に捕虜を優先する、正義がなければ暴力行使は許されなかったなど、近代以降の戦争と性質が異なる。
Posted by ブクログ
百年戦争を通じて英仏が国として変化していく過程が追えて面白かった。
特に仏側は詳細に描かれていて興味深かった。
章のはじめにその章の主な登場人物の紹介が載っていて親切。
Posted by ブクログ
●仏王
フィリップ6世(ヴァロワ朝開祖)
ジャン2世(騎士王)
シャルル5世(パリの城壁拡張。神聖ローマ皇帝カール4世の甥。租税の発達)
シャルル6世(精神疾患)
シャルル7世(ジャンヌ・ダルクの支援で戴冠)
ルイ11世
●英王
エドワード3世(母イザベラからの仏王位継承権主張)
リチャード2世(英語母語初)
ヘンリー4世(英王位簒奪、ランカスター朝開祖)
ヘンリー5世(本気で仏王位狙う)
ヘンリー6世(トロワ平和条約により、仏王継承)
Posted by ブクログ
世界史あるあるで、同じ名前の別人が登場して混乱しそうになるけど、領地や王位を巡るイングランド王とフランス王との紛争が契機だったことなど、大きな流れに注目することで通読。
Posted by ブクログ
小説ではないので読みづらい部分も多くあったが、百年戦争の全体像を掴むことができた。
この後、イギリスでバラ戦争を戦うランカスター家やヨーク家、フランスを支配したバロア家、オルレアン家、さらにフランス革命のブルボン家など貴族の権力、領土欲のぶつかり合いが基本原因で、虚しい戦いを長い間続けたものだ。ペストの蔓延やジャンヌダルクは蔵書にあるものを引っ張りだして詳しく読みたいです。
Posted by ブクログ
フランスを主戦場として英仏王家が攻防を繰り広げられた百年戦争。イングランドの大陸領をめぐる積年の対立にフランス王位継承争いが絡んでの勃発。更にフランス諸侯や神聖ローマ帝国、教皇などの思惑も複雑に絡み合い…。
百年戦争の本は何冊か読んだけど、やっぱり複雑。
フランスの王家とイングランド王家の関係も捻れてるし、貴族たちの力関係やら色んな事が…。それでもこの本は分かりやすくて、良かった。