あらすじ
高2の茜は、誰からも信頼される優等生。しかし、隣の席の青磁にだけは「嫌いだ」と言われてしまう。茜とは正反対に、自分の気持ちをはっきり言う青磁のことが苦手だったが、茜を救ってくれたのは、そんな彼だった。「言いたいことあるなら言っていいんだ。俺が聞いててやる」実は茜には、優等生を演じる理由があった。そして彼もまた、ある秘密を抱えていて…。青磁の秘密と、タイトルの意味を知るとき、温かな涙があふれる―。文庫オリジナルストーリーも収録!
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Posted by ブクログ
今回は読みながら何度も涙を流した。
❥❥❥
小学生のある出来事をきっかけに
学校でも家でも常に気を遣っている茜。
思っていることは口に出しているのに
なぜか学校で好かれている青磁。
犬猿の仲みたいなふたりだけど
文化祭をきっかけに
距離が少しずつ縮まっていく。
❥❥❥❥
青磁の言葉によって
茜は思っていることを言えるようになるし
青磁のことが気になり始めるし
息ができる感じがしてくる。
信頼できる人が1人いるだけで
凄く安心できる気持ちよく分かるなぁ。
青磁は青磁で
言えない過去がありそうとは思うけど
それが何なのか想像できないから
先の展開が気になって仕方なかった。
❥❥❥
茜と青磁は高校が初対面じゃなくて
実は小学生の頃に出会っていた。
青磁はその頃の茜に出会っていたから
その後の辛い時期を乗り越えて
今を精一杯生きている。
でも茜は青磁のことを忘れていて
その事を知った青磁の気持ちは
どんなだっただろう。
❥❥❥❥
青磁が世界で2番目に美しいと
思ったのが“空”だったから
いちばんは何だろうと考えながら読んだ。
青磁の絵がコンクールで大賞を取って
その時に描いたのが
青磁が世界でいちばん美しいと思ったもの。
それは••••••
“小学校の頃の茜の涙を流しならの笑顔”
このシーンを読んだ時がいちばん泣いたかも。
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青磁が描いた実際の絵は出てこないんだけど
読めば読むほどその風景が想像できて
なんて美しいんだろうって感動した
それに
気づいたら空を見上げてることが増えた。
Posted by ブクログ
描写が大好きすぎる。
透明な気持ちで読んでました。
こっちまでドキドキしました。
でも青磁最後までムカつく!!謝れって思っちゃった
でもそういうところが良い人なのかな???
Posted by ブクログ
面白かった。泣けた。
序盤は茜に感情移入。読み進めていくうちに、青磁の優しくて素敵な一面が見えてきて王子様か?と。恋人とも友達とも言えない2人の関係に胸がくすぐられた。
空の表現がたくさんあって、自分もこれから空の色んな表情をちゃんと見ようと思えた。
Posted by ブクログ
作者あとがきより
思春期のころ進路や人間関係で悩みを抱えていた時、いろいろな小説を読んで、そこに登場する人物の生き方や、彼らのセリフに救われたことが何度もありました。
以下本文より
きれいな景色はこんなにも近くに、いつもここにあったのだ。
私がそれを見ていなかっただけで、見ようとしていなかっただけで。
いつだって、美しい世界はそこにあった。
正しいかどうかよりも、好かれるかどうかのほうが、この社会で生きていく上では大事なのだ。
人から嫌われないように、言いたいことも言わず我慢して、細心の注意を払って生きていたのに、青磁は嫌われることなんてこれっぽっちも怖れずに、言いたい放題やりたい放題で生きていて、それなのに誰からも嫌われていなかった。むしろ誰からも好かれているように見えた。そんなところがうらやましくて、そして妬ましかったのだ。
『夜が明けたら、いちばんに君に会いに行く』
それが、この絵のタイトルだった。夜明けに会いたいと思った人が、一緒に朝焼けを見たいと思った人が、あなたにとって一番大切な人。