あらすじ
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M&Aプロセスに不可欠の財務DD業務の全貌を明らかにする好評書の改訂。カーブアウト時のDD、買収価格を見据えた財務モデルの利用や価格調整などとの関係まで詳解。
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Posted by ブクログ
とりあえず読破。(再生とPMI箇所は流し読み)
財務DDについて、おそらく日本で1番詳しく書かれている本。
必要に応じて何周もして、自分の血肉にしたい。
(実際に財務DD担当するにはこれだけでは知識足りないので、会計やバリュエーションを実務経験と交えながら理解を深めていく)
Posted by ブクログ
コロナもあるのでじっくりと読んでみようと購入。5,800円に600頁超の参考書。
感想。タイトルに偽りなし。PwCによる「実務」本。
備忘録
・非上場企業のおける財務DDの結果、よくM&A交渉時の問題にあがる項目。未収リベートの実在性、オーナーとの取引、退職金引当漏れ。
・再生企業における財務DDの留意点。調査を受ける側は、抵抗感があり、事実を隠したいという状態に陥りがち。正確に現状を理解することの重要性を説きたい。
・製造業におけつ財務DDの留意点。赤字販売の有無、クレーム・アフターフォローコスト・製品保証等の勘案、滞留在庫、数年に一度の大規模修繕。このあたりをどの程度反映させて正常収益力を特定するか。
・シナジー効果の類型。売上シナジー:クロスせリング、ブランド効果、コストシナジー:拠点統廃合、バイイングパワー増、物流コストの削減他、研究開発:投資強化、技術やノウハウの統合。
・財務DD時に、重要な意思決定機関の議事録や会計監査、内部監査、税務調査の結果も調査しておきたい。
・従業員の年齢構成、勤続年数構成も非常に有用な情報。買収後のリストラクチャリングや体制整備に必要。
・正常収益力の分析は、財務DDの肝。スタンドアローン・イシューがある場合はそれも検討。
・BSの分析においては、買収価格に直結する、運転資金とネットデットの特定が、ゴールになる。運転資金の構成項目に何を含めるか、各明細の年齢(在庫や債券)は大丈夫か、増減理由は何か、最低必要現金はいくらくらいか。
・有形固定資産については、会計方針を整理し適正な簿価であるかを、管理状況をみて必要な更新投資がされているかを、権利関係のチェックも必要。
・ネットデットの特定。有利子負債と現預金だけでなく、デットライクアイテム、キャッシュライクアイテムを特定する。
・純資産分析の意義は従来より薄まっている。純資産分析が重要視されるのは、買収企業側ののれん計上、再生企業の債務超過解消期間の特定とか。
・事業計画の評価においては、社内承認の有無とレベル、各事業部間の計画との整合性にも注意したい。
・カーブアウト案件は、カーブアウト財務諸表の切り出しの難しさや、スタンドアローンコストの見積もり等で、難しさがある。利用中の社内システムや、業務フローとかの切り出しも。。。
・価格調整メカニズムについて、網羅的に記載があり。勉強になった。Day1のBSで最終調整を行うか、契約時のBSを前提に価格を固定しコビナンツで縛るか。