あらすじ
50年前、日本画家・香山風采は息子・林水に家宝「天地の瓢」と「無我の匣」を残して密室の中で謎の死をとげた。不思議な言い伝えのある家宝と風采の死の秘密は、現在にいたるまで誰にも解かれていない。そして今度は、林水が死体となって発見された。2つの死と家宝の謎に人気の犀川・西之園コンビが迫る。
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Posted by ブクログ
本作もとても面白かった。
今回のトリックは物理と化学によったもので、密室は気圧差によって、凶器は金属の融点によって作られると言うものだった。
現実にはどちらも際限が難しいところがある気がするが、仏画という設定などがうまくマッチしていた。
また記憶が混乱していることによって話が難しくなっているところで最後まで犯人を特定できない作りになっており、とても楽しむことができた。
本作は、ミステリーよりも犀川と萌絵の恋愛の進展の方が嬉しかったし、こんな形で進むのかと思わず笑顔になってしまった。
次の作品も楽しみになった。
Posted by ブクログ
自殺という形で事件が幕引きし誰も犯人ではないケースはs&mシリーズでは今回が初めてだと思う。
トリックは至ってシンプルで再現性がありそうと納得。
ただ、萌絵のエイプリルフールはなかなかに犀川にはきついものだったと思う。
Posted by ブクログ
天地の瓢と無我の匣の謎解きかなり好きだった
死の理由とその描写も後の行動も相変わらず理解できないサイコパスっぷりで◎
エイプリルフールでなんなら賭けに勝ったってなってるのもちょっとすごい、シリーズものの設定や展開が動く瞬間って好きかも
Posted by ブクログ
最初なかなか入り込めないな〜と思ってたけど中盤以降は一気読み!萌絵の悪戯にまんまと騙されて「え!?そんな展開なの?じゃあ今後のシリーズどうなっちゃうの?」と心配してしまった..犀川先生が怒るのも当然。でもこの一件で2人の関係もまた確実に変化したと思うし、今までにないほど動揺する犀川先生が可愛すぎた。
今作の中で一番好きな萌絵のセリフが「私...可哀想な自分って一番嫌いなの。アイスクリームが食べたいときには、どうしたって食べるんです。人の分を取り上げても」というものなんだけどこれが萌絵という人間を本当に的確に表してて最高。
肝心のミステリー部分も動機的なところはすごく哲学的で、抽象的な世界だなぁとは思ったけど理系要素も入っていて面白かった!
Posted by ブクログ
トリックは最後まで分からず、ザ・理系ミステリー!という感じだった。
犀川先生と萌絵の関係性がぐぐっと進展した回だったな〜〜ごちそうさま。
Posted by ブクログ
面白かった。
50年前に起こった密室での不可解な自殺。それと似た状況でまた死体が発見されてしまう。2つの密室と壺と匣の謎を萌絵と犀川が調べるという話。
今回のトリックは、正直誰が分かるのこれ、って思った。解かれるために描かれていないと思う。実はマリモが林水を運んでたこと、死体はあるけどそれをいないと言ったりとか、めちゃくちゃ発想を飛躍させないと無理だと思う。一応電池とかタバコの吸い殻とかでヒントは出されてるけど相当無理ゲーだと思った。壺と匣に関しては頑張ればギリギリ分かりそうな気もする。壺の中の鍵を凶器に使ったというのはびっくりしたし、よく考えられてると思った。鍵を溶かして凶器として使いそれをまた壺に戻して鍵の形にするというこの発想はすごい。
この小説は読んでてドキドキしたりはあまりしなかった。ずっとどうやって殺したのかなってモヤモヤしながら進んでく感じ。
萌絵と犀川の話がメインかと思うくらい今回は2人の事がいっぱい描かれていた。
クリスマスのお家デートだったり叔母に紹介したり、エイプリルフールで嘘をついたりと今回は盛りだくさんだった。
ただエイプリルフールの嘘はマジで焦ったし、あれをされた犀川からしてみればほんと勘弁してほしいだろうなって思った。
最後の国枝のごちそうさまが読んでも分からなくて調べたら昔はそういう風に表現していた事を知ってスッキリした。確かに国枝らしくない。ソファで寝てる犀川は実に犀川らしい。