あらすじ
自意識過剰、
赤裸々過剰。
この愛すべき、
クソみたいな日常──。
あの『苦汁100%』が濃縮されて待望の文庫化!
人気ロックバンド・クリープハイプのフロントマンであり、
初小説『祐介』が話題をさらった尾崎世界観が赤裸々に綴る、日常と非日常。
文庫化に際し、コロナウイルスに揺れる2020年2月、
50ページ以上の書下ろし最新日記
「あとが記」を追加収録。
※※※
〈文庫書き下ろし「あとが記」より〉
2020年2月26日
起きたら
世の中が変わっていた。
大規模なイベントの
自粛要請が出て、
イベントが軒並み
中止になっていく。
積み上げたものが
たやすく流れるのを
ただぼうっと見てた。
液晶画面に表示された文言は、
どれも何かを押し殺してる。
クリープハイプも
3公演の延期を決めた。
※※※
〈本文より〉
2016年11月22日
私は誰の悪口も言わない。
そんな奴は信用できない。
ちゃんと人を好きになったことがないのだろう。
大好きです、愛してる。と、
大嫌いだ、死ね。は
限りなく似ていると思う。
※この電子書籍は2017年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
人間味に溢れていて、親しみやすいとは言えないけど、知れば知るほど好きになる。そんな人が書いた日記。
現実よりも文学的であり文学よりも現実的な文体が、ただの日記とは違って一人の表現者としての魅力を感じる。
弱い自分との葛藤の中で、それを許すような諦めとはまた違った感覚。ネガティブな感情に対して人間として感情的に包み込むような優しさとその優しさに纏っている言葉達に強く惹き付けられた。
等身大の自分の許す心構えを教えてくれた作品でした。
クリープハイプが好きでよかった。
Posted by ブクログ
私が想像していたミュージシャンの私生活というのは、とても怠惰でまったりと過ぎていき、ポツリポツリと曲作りなどをして日がな1日ゆったりと過ごしているのであろうと勝手に思い込んでいたが、それは全くの間違いだった!!
雑誌の取材に、ラジオやテレビの収録、移動してライブに次ぐライブ。
ライブの後にも取材の予定がパンパンに入っている。
そしてまた次ライブに向けてのリハ。
とても目まぐるしい毎日である。
嬉しかったのは、2016年8月28日のスイートラブシャワーでのライブがとても良かったと書いてあった事!!
この日私は最前で観ていたのです!!!!
そして、手軽に持ち運べる文庫になって、2020年2月1日から1ヶ月間の日記が新たに収録された。
久しぶりに読み返して、尾崎さん、相変わらずの忙しさだなと思った。
昨今のコロナ渦の中で尾崎さんが感じていた事なども書かれている。
延期になってしまった幕張公演、いつか振替で行けますように。
Posted by ブクログ
尾崎世界観さんの言い回しや比喩が好きだなぁ。オードリー若林くんのエッセイが好きな方は好きかも。
私は両者共に好きで、根底にこんな社会でやってやれるか!でもなんとかしてやってやるよ!!っていう静かで熱い激しいものを感じるから。
応援してます。
ライブいっちゃおーかなぁー♪
Posted by ブクログ
繊細で且つ文学的な独特の比喩表現や独特の活字ギャグが印象に残る。よしもとばななの「TSUGUMI」を教科書で初めて目にしたときの感覚を少し思い出した。
音楽にまつわる仕事としてプロモーション活動をするとそのおかげで音楽番組のリハの内容に1人遅れをとってしまうもどかしさ、とか、バンドが大きくなっても音作りに細部までこだわる人なんだなという内容が、率直な言葉なのも相まって響く。
星3.6くらい。
Posted by ブクログ
クリープハイプ自体は好きだけど果たしてどんなものか、と思い買ってみました。良くも悪くも人間臭く、しかし自分が好きな人、自分を好きでいてくれる人にはとても優しく責任感もあるんだなと思いました。大量の加筆も嬉しい。最後の一文がまた、いいですね。
Posted by ブクログ
一応、人の目に触れるものだから、気を使うのかと思いきや、真っ正直に書いているとこが、人間らしくていいな、と思いました。
私も日記はつけているけれど、毎日てはないし、マイブックを買って毎日少しずつ、尾崎世界観さんみたいに書いてみたいと思いました。
Posted by ブクログ
しんきゅう鍼灸院 小説『祐介』 マンションが付いた近代的な神社 撮影は長い間警備のアルバイトをしていた虎ノ門の路地裏 百八円の恋 初めてか、そうでないか、を問い詰めるおばさんの排他的な対応。お前にアスリートみたいな切迫感は求めてませんから。もっと優しくしてください。運動前のウォーミングアップは大事でしょう。心が肉離れするわ。 対談は滞りなく無事に進んで 武里団地へ。アジアで一番大きいこの団地にはスーパー、薬局、病院等があって、まるで小さな街だ。 積み上げてきた肌感覚でもう一度同じところまで行くのがどれだけ困難かがわかる 積み上げたものが容易く流れるのを、ただぼうっと見てた。液晶画面に表示された文言は、どれも何かを押し殺してる。 閉じていく世間に流される必要はない。買い溜めに走る人間は、思いも、言葉も、内側に溜め込んでいくんだろう。手に入れるのは、今必要な物だけでいい。だから、必要な時に必要な言葉を吐く。