【感想・ネタバレ】皇帝フリードリッヒ二世の生涯(下)(新潮文庫)のレビュー

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Posted by ブクログ

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中世では、異端ともされてしまうくらいの圧倒的な先駆者。神聖ローマ帝国の皇位とともにシチリア王国の王位までももちながら、イェルサレムを無血開城してしまい、ローマ法王に破門されてしまったりもする。彼の信念は貫かれており、「皇帝のものは皇帝に。神のものは神に。」であった。だからこその、イスラムのスルタンと学問での友達にもなれたのだろう。

時代が時代ならば、もっと名君として君臨できたのではないだろうか。

彼の一生を描くには、ローマ人の物語やヴェネツィアの物語、十字軍の物語などなどの前段階がないと書けないような濃厚な作品に感じられた。

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2020年05月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

塩野七生の本なので面白くないはずがない。と言う訳で、題名の通り中世ヨーロッパで中世ヨーロッパから外れた傑物の神聖ローマ帝国皇帝 フリードリッヒ2世の生涯を好意を持って描いた本。そもそもフリードリッヒ2世という人を全く知らなかったが、中世において、絶大な権力を誇った神の使いであるローマ法王に真っ向から対立した(勝負を挑んだというほどには勝負はしていない)フリードリッヒ2世という人を全く知らなかったの発見の連続。もうあと200年くらい遅くに生まれていたら時代の寵児になっていたと思うが、残念ながらキリスト教(ローマ法王)的には全く容認できず、死後に歴史上から抹殺された感が強いのであまり知られていないのだろう。まあ、最終的に勝った側が歴史を改ざんするのは世の常なので仕方ないだろう。キリスト教と言う脈々と続く体制にいくら傑物でもたった一人では立ち向かえないということのようだ。それはさておき、中世において封建社会から脱した絶対君主制をそれも法治国家として確立しようとしたり、十字軍全盛の時に自らも十字軍に行って戦わずしてイスラム教徒と協定を結び占領されていたエルサレムを解放したり、と今から見ると大変先進的な気質を持った人物。そうはいっても負の側面もあるとは思うが、そこについてはあまり触れられていないのでよく分からない。とにかくこの本を読むとフリードリッヒのファンになることは間違いない。

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2023年01月11日

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