あらすじ
※2020年5月14日まで配信していた講談社ノベルス版『人類最強の初恋』と同じ内容となっております。重複購入にご注意ください。
孤高の赤、哀川潤(あいかわ・じゅん)。
彼女の『今』が語られる。
《最強》シリーズ、開幕!
「あーあ、つまんねーの。自殺しよっかな」
人類最強の請負人・哀川潤。
強くなり過ぎた彼女に、遂に世界のすべてが降伏する。
倒すべき敵も、応えるべき依頼も失った請負人に、
そのとき、初めての「恋」が襲い掛かる!
『戯言』では済まされない、『人間』の枠を越えた、
『最強』のラブストーリー!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
西尾維新における雑談は、やっぱり面白い。
例えば、長瀞とろみのこの台詞。
「…有名な映画の台本でも、努力は大切だとか、生まれた環境は関係ないとか、そういうメッセージを発するものじゃないですか。…あれって、建前上、あるいはマーケティング上、そう言ったほうがお客さんの受けがいいからそう言っているのかなって思ってましたけれども、最近は、ホンを書いている人は、ひょっとすると本気でそう信じているのかもしれないと、思うようになりました。…才能あるクリエーター達が、才能の大切さをよくわかってないだけなんじゃないかって。」(pp.298-299)
メタ的に考えると、この後言及されるように発言者の長瀞とろみはどエリートなのですが、これを書いている西尾維新こそ、ホンを書いている、才能あるクリエーターなわけです。
才能ある者が二重写しになっていて楽しいですね。
この最強シリーズにおける努力vs才能論や、戯言シリーズだと西東天の運命論のように、哲学っぽい雑談は好きです。
現実では才能があろうがなかろうが、どうせ努力するしかないので、論ずる意味のない話ですが、こういう話題を取り上げられるところに物語の良さがありますね。
といって社会問題を提起するわけでもなく、哀川潤がこの話題を蹴飛ばしてくれるので、気持ちいいです。
戯言遣いのいーちゃんなら、もうちょっと根暗なことを言いそうですが、それはそれで読んでみたかった気もします。
匿名
戯言シリーズは全刊既読で哀川さんも好きなキャラだったので楽しめました。
2部構成ですがどちらもスケールの大きい話で面白かったです。
ただ、掛け合いがくどくて多少読み飛ばし手島しました。