あらすじ
恋愛小説家のいつきは、旧知の元編集者から怪談の収集を依頼される。ノベルアプリ開発のため、彼が紹介する取材相手から怪異体験談を聞き、原稿にまとめるという仕事だ。友人に反対されつつも生活費のために依頼を引き受けたいつきだが、異様な体験の数々を聞き集めるうちに奇妙な夢を見るようになり、身の回りにも変化が……。「呪い」が、システムに則って動き出す。
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すっごく面白かったです。ラストまで一気読みしました。怖さは個人的には全然なかったですけど、内容が面白かったです。
この著者の他の作品も読みたいと思って調べたのですが、普段は全然違うジャンルをされてる方のようで(笑)
ホラー小説はこの一冊だけのようです。そこが残念で、著者さん、ホラー小説出してくれませんか?
Posted by ブクログ
恋愛小説家であるいつきは、昔の知り合いである編集者の出泉からノベルアプリで使用する怪談の取材、編集を頼まれた。仕事に困っていたいつきは、快諾するがいざ仕事を始めると奇妙な事に「呪い」にまつわる話ばかりが集まり始めた。
主人公であるいつきが仕事を通して5つの怪談話を収集していく。そのどれもが呪いに関する内容で、おどろおどろしい。また、家を繁栄させるため生贄としての嫁、捨てられた妻と赤ん坊、男に心酔する女など男女の痴情の果てから生まれた呪いばかりで嫌悪感が募り、非常に気持ちが悪い。怪談を読んでいる間はドキドキしたり、終始胸焼けに苦しんだりと忙しかったが、とても読みごたえがあった。怪談もさることながら、この小説の主軸である「呪い」の本質について言及している部分が興味深い。呪いは『効く』んです。信じていようと、いまいと。 このセリフを見て非常にしびれた。腑に落ちたというのが一番近い感情か。何故人々は呪われてしまうのか。 呪いはある種のシステムで、正しい順序を踏めば簡単に人間に効く。「リング」ならば呪いのビデオて、「呪怨」ならば呪いの家に踏み込んで。呪殺された彼らは、自ら正しい手順を踏んで呪われた。呪いは正しい手順を踏めば、誰にでも効く。 なるほど納得である。最後の不穏な感じもよく、久しぶりに読み切った!爽快!という感じ。それにしても出水気持ち悪すぎる。倫理も道徳のねじも何もかんも吹っ飛んでる。