【感想・ネタバレ】BNA ZERO ビー・エヌ・エー・ゼロ まっさらになれない獣たちのレビュー

あらすじ

アニマシティを築いた市長バルバレイ・ロゼがまだ少女(ナタリア)だった頃。獣人と人間の共存を模索しているナタリアと、過去の惨劇に囚われ人間を許せないでいるオオカミ獣人の大神士郎。二人は獣人を助けながら世界中を旅していた。彼らの役目は人間に迫害されている獣人たちを新天地へ脱出させること。ナタリアは士郎と共に知恵を絞り、心優しいヤギの獣人や人間と信頼関係を築いたクロヒョウの獣人たちを救い出していった。いつしか士郎に認められ彼の相棒となったナタリアだったが、獣人たちに一途に尽くす士郎の孤独な姿に気づき、彼を救いたいと願うようになる……。獣人と人間が相容れない時代。長い旅を通して二人が見つけた希望とは――。アニメ『BNA ビー・エヌ・エー』の前日譚を描いたスピンオフ小説。

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アニメBNAお好きな方はぜひ

アニメBNAの前日譚にあたる物語です。BNAがお好きな方は本書を読むと一層アニメを楽しめるかと思います。アニメ視聴時に感じる市長と大神との謎の信頼感の理由や大神のルーツがわかります。

第二次世界大戦終戦直後、のちにアニマシティ市長になるナタリアと大神を中心に物語が進みます。
人間と獣人という対立だけではなく、異なる文化を持つ人間と人間との対立など、自分と異なる他者を排斥しようとする感情はどの社会でも少なからず存在します。
ナタリアが様々な価値観・関わり方を持つ人間・獣人と接することで、まっさらな人にはなれないながらも獣人としての立場から共存のための一筋の光を見出します。
一方大神は獣人を救い続ける救世主ですが、囚われた考え方からは逃れられません。

差別と偏見に満ちた世界で、どのように多様な存在が共存していくのか、彼らのこれからをアニメBNAを通じて確認できるのが嬉しいです。
まだ道半ばですが、人間から獣人になってしまったみちるが、一石を投じて世界に新たな変化を起こす希望となると確信しています。
疲れた救世主に幸あれ。

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2020年05月07日

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