【感想・ネタバレ】日本一わかりやすいMaaS&CASE――ストーリーで理解するのレビュー

あらすじ

【内容紹介】
未来の「移動と暮らし」はこう変わる
MaaSとCASEが一冊になった初めての本!
時代は100年に1度のモビリティ革命に

【著者紹介】
[著]中村 尚樹(なかむら・ひさき)
1960年、鳥取市生まれ。九州大学法学部卒。NHK記者を経てジャーナリスト。専修大学社会科学研究所客員研究員。法政大学社会学部非常勤講師。
著書に『マツダの魂 不屈の男 松田恒次』、『最重度の障害児たちが語りはじめるとき』、『認知症を生きるということ─治療とケアの最前線』、『脳障害を生きる人びと─脳治療の最前線』(いずれも草思社)、『占領は終わっていない─核・基地・冤罪そして人間』(緑風出版)、『被爆者が語り始めるまで』、『奇跡の人びと─脳障害を乗り越えて』(共に新潮文庫)、『「被爆二世」を生きる』(中公新書ラクレ)、共著に『スペイン市民戦争とアジア─遥かなる自由と理想のために』(九州大学出版会)などがある。

【目次抜粋】
はじめに
第1章 MaaSとCASEとは何か
第2章 交通弱者を救うMaaS
第3章 観光型MaaSが持つ可能性
第4章 都市型MaaS:タクシーとライドシェアの新動向
第5章 都市型MaaS:まったく新しいマーケットの創出
第6章 CASEのカギを握る「自動運転」への挑戦者たち
第7章 ビヨンドMaaS:だれも見たことがない世界へ
おわりに
参考文献

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Posted by ブクログ

ネタバレ

様々な切り口からMaaSについて理解することができ、将来の交通機関・移動手段のあり方について考えるきっかけとなる。特に交通事業に携わる者は、現業・非現業を問わず、今後の自らの仕事・働き方を考える上で重要な業界内外の動向について理解を深め、また、技術革新に伴う環境の急激な変化を実感することができるため、必読であると感じる。

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過疎地域におけるデマンド交通の仕組みは以前から様々な実験や実用化がされてきているが、クラウドコンピューティングにより配車などの事務作業を効率化しやすくなっている。スマートフォンからの予約により、自動かつ即時に、最適なルートを構成することが可能になっている。歩くのに不自由な人にはパーソナルモビリティも有効。障害者だけの乗り物ではない。

観光地における移動手段としてもオンデマンド交通が注目される。ルートを効率化し乗車率を上げることでドライバー不足の解消にもつながる。MaaSにより、交通機関の選択肢が増え、より細やかな観光が可能に。観光型MaaSの導入により地域交通の利便性も向上する。観光地のみならず生活に必要な病院や郵便局にもアクセスしやすいように工夫。

タクシー業界では配車アプリが急速に普及している。走行距離は変わらずして実車率と収入の向上に寄与。
ライドシェアも徐々に進んでいる。自家用車・社用車などの使っていない車をシェア。駐車場のシェアリングも注目。
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コロナ以後のテレワークの定着で都心部への通勤需要は確実に減少する。同時に地方への移住志向が高まることが予想され、地域の交通手段の利便性の向上にMaaSは必要不可欠である。
また、働き方改革により移動時間を無駄にしたくない志向も強まるだろう。移動する必要があるのなら移動中も会議を行いたいなど。都心部の公共交通機関にとっては脅威である。

交通事業者が交通網を整備して街づくりを行う時代は終わった。多様な働き方・価値観を認め、住む人自身が主体となって交通を作る時代を感じることができた。

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2020年05月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

MaaSという言葉を耳にしない日はないくらい日常語になりつつあるものですが、完成形がどういうものなのかは分かりづらい。
きっとこれで完成という状態は無いのかもしれないし、世の中の困りごとを解決するために、移動をキーワードとしているものはすべてMaaSと呼ばれるだろうし、他の何かと組み合わせる事で価値を創造するということも正しいのだろう。

自動運転がどんどん高度に実現されれば、道路の渋滞も緩和される。
人口減の社会において、働き手を増やせない事業社をカバーし、利用者にとっては1回あたりの乗車料の権限に繋がる。
所有からシェアリングへの流れも今の世の中、若者にとっては頑張って車を持つという気持ちも減っているという中では必然。

少子高齢化、地方都市の過疎化、路線バスの廃止など地方はどんどん苦境に立たされている。
地域創生ということで地元に戻ってきてもらえるような仕掛けを行政側で考えていると思いますが、
それが実現されるのにどれだけの時間がかかるのか、官民連携しながら最適解を求めて活動するなどもMaaSという新たな思想があってこその事。

子供の頃に夢見た未来が直ぐ側まで来ている。

世の中の動きを日本だけでなく、海外の事例も含め紹介いただき、非常に理解が深まる作品です。

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2020年05月11日

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