あらすじ
友だちってなんだろう? 「友だちというものは無駄な時をともについやすものなのだ。何もしゃべることなぞなく、ただ石段にすわって、風に吹かれて何時間もボーっとしたことのある友だち。失恋した友だちにただふとんをかぶせる事以外何も出来なかった日。中身が泣いているふとんのそばで、わたしはかつおぶしをかいていた」。佐野洋子は友だちをこんなふうに思っている。
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Posted by ブクログ
「友だちは無駄」というタイトルに驚きつつ、友だちの価値について深く考えさせられた。友だちが何かの目的のために存在するのではなく、ただ友だちであることが大切だと。一見無駄に思えるこの考え方。
友だちは目的や価値判断を超え、ただそこにいることに意味がある。「無駄」という言葉が友だちの純粋な価値を示していると感じました。
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この本は、友達は無駄ものだと言っている本です。この本では、友人はお金になるわけではなく、社会的地位向上に役立つものでもない。すぐには役立ちそうもないし、何に使ったらよいのかもわからない。能率や成績や進歩にも直接かかわらない。そういう意味で無駄である。友達なんていなくてもいいけれど、ともに持つ無駄な時間にこそ意味がある。と書いてあります。僕も、この本をよみ書いてあることに納得してしまいました。確かに友達が多くいてもお金はてに入らないし、自分にとってどういうメリットがあるのかもわからないけど、友達と過ごす楽しい時間には、ものすごく価値があると思いました。ぜひ、読んでください。
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背表紙を見て思わず店頭でくすっと笑ってしまった。内容は「友達はいらない」ではなく、「だからこそ友達はいる」というものだった。語弊あるな。笑。インタビュー形式でありながら、最後まで聞き手の名前ははっきりと明かされない。なんとなく、あのひとだろうなあと思いながら読み、あのひとだった。
口が悪くて、情が深くて、、理由はよくわかんないんだけど、なんだかすらすら読めた。
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わたしなりに解釈すると・・・
幼少期は、友情など存在しない時代であり、友だちは玩具と同等。
その場かぎり、ただ全力で遊ぶ対象でしかない。
やがて、思いやりの心は芽生えるかもしれないが、
心にも体にも十分な力は備わっておらず、お金も時間も自由にならない年齢で、
友情と呼べるほどの交流を育むには不自由すぎる時代。
時間の切れ目が、縁の切れ目。
残酷で刹那的な遊びの果てに、ようやく、
自分の意志と力をもって友情を育める時代がめぐってくる。
ただし、思い通りに成立するわけではなく、縁あって繋がり結果的に育っていく。
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切れ味のよい人間関係のお話。
友情、恋愛、親子、社会での関わり。
題名は、とても逆説的。
ご本人無駄だけど、その無駄が大切であることを
よくわかっている。
すっきりとした良い本です。
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「100万回生きたねこ」の佐野さんはエッセイも上手い。
タイトルからは一見寂しい印象を受けるけど、ここで表してるのは「無駄な時間をともに費やすもの=友だち」という意味。
言い得て妙なり。
一人っ子だったせいか今でも新しく友だちを作るのは得意じゃないけど、長い付き合いの友だちと無駄な時間をこれから先もずっと一緒に費やせるなら寂しくないな。
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タイトルに驚いて読んだ。面白かった!
産まれてはじめの他人との接触から現在までの友達について谷川俊太郎と対談してる。
友達は、なにも生産性がないからこそ大切。無駄なことにこそ光りがある。
改めて思うのは、こどもって大変だったなぁということ。戻ったりしたらやってける気がしないや。
ともだちといつも通りの無駄な時間を過ごしたくなる本。
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友だちは人生に直接役立つものでなく、役立ったらそれは友達でなく別の何かである。友だちと共に過ごす無駄な時間こそ貴重である、とか。
対談形式はなんだか入り込みにくいけど、この対談相手佐野さんと仲良しなのかなあ、頭がよくてインタビュアーとして冴えてて佐野さんとの会話のテンポもすばらしいなあ、と思ってたら谷川俊太郎さんだった。ええー!
年をとってこんな風に話せる相手がいたら最高だなと思った。小形桜子さんとの会話もよい。
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表題についつい惹かれて手にとってしまった本。
著者の佐野さんのとっても自分の心に正直な雰囲気が伝わってきますね~。
友達ってものは、お互いの利害とか、そういったものとは全く違うところに存在するもんなんだと、改めて日ごろの自分の人付き合いについて再考する機会となりました。
ちなみに、対話の相手が谷川俊太郎さんで、読み進めるうちに、谷川さんの可笑しさもちょっと伝わってきたのが印象深かったです。
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佐野洋子さんのエッセイは、何を読んでも、何回読んでも面白い。しかも今回は、谷川俊太郎さんとのインタビューが中心。面白くない訳がない。
「友だちは、無駄である。」
「でも、無駄なことが、どんなに大切か。」
彼女のメッセージが、胸に響いてくる。
中高生向けに企画された本らしいが、大人にだって、充分に面白い。だって、私を含め、それを忘れてしまっている(判っていても、ついつい、余計なことを言ってしまう)大人は、結構、たくさんいるもの。
中高生向きということで、いつもより毒気が少なかったので、★を1つ減らしてみました。
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中高生向けのちくまプリマー新書からの文庫落ち。インタヴュー形式で、佐野洋子の「友だち論」が詳細に語られる。封印したはずの過去の自分の感情が激しく揺さぶられて、非常に困った(苦笑)。 思春期になった息子らに、ぜひとも読ませたい。思春期の子供によって「親は敵」だから。親の言葉よりも深く心に染みて響いて、友だちとの仲に思い迷うことがあったら、この本が救いとなりそうだ。 佐野さん…なんて素敵な女性なんだ。ぽわ〜ん(*^^*)。
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友情というのは利益を目的としたものではなく、無駄なものだけれど、結果としてその無駄なものが肥料となり人生に実りをもたらせてくれるというところに感銘を受けた。
幼少期のいじめについてのコメントで、いじめを受けた子は、その痛みを教訓に他人に優しくなるのではなく、いじめられる痛みを知った上でいじめを行うようになるだろうというところが参考になった。
Posted by ブクログ
体験からそのままでてきた友情論。友だちは何の役にも立たないから無駄だという。
深い。
たしかに、友だちを何かの手段に「使って」はいけないのだ。何かに「使う」ようでは友だちとは言えない。