【感想・ネタバレ】ESG思考 激変資本主義1990-2020、経営者も投資家もここまで変わったのレビュー

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Posted by ブクログ 2021年11月25日

とても良い。TCFDに関わるようになって手に取ったけど、これまでの世界の歩みや日本の対応が手に取るようにわかるし、基礎知識として役にたっているように思う。

アナン事務総長のころの国連の動き(20世紀末)や、その後(21世紀初頭)の国内での経産省と環境省の対応や「CSR」の潮流、あるいは欧米での(W...続きを読むRIなどの)NGOの動き、といったあたりがきっかけとして大事そう。
国連では2006年にできていたのに国内では10年以上知られていなかったPRI(国連責任投資原則)なども象徴的だし、リーマンショックが与えた影響の違い(日本ではCSRが暗黒の時代に突入した一方、欧米ではむしろサステイナビリティ経営が勃興し、リスクの洗い出し・対応や、社会の信頼回復が急務と捉えられた)も印象深い。
また、CSR報告書の内容(項目)についても、GRIのガイドラインでは重要な項目に絞って報告すればよいとされているのに日本企業は網羅的な対応をするという愚直さも、誰かが指摘していたとおりだ。

本書が示す四つの象限による、「オールド/脱/ニュー 資本主義」という捉え方は、世界の動きを理解するのに確かに有用だ。
欧米が「ニュー」に移行するなかで日本がどこか「脱」にいき気味なことや、そんななかでもGPIFの水野氏らの動きが投じた一石の意義もよく理解できる。
また、リーマン後と同様、今回のコロナをうけて欧米企業ではむしろサステイナブル(気候変動への適応含む)を意識しているがその背景をやっと理解できた気がする。
学んだ視座を、TCFD関係でもいかしていきたい。

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Posted by ブクログ 2021年08月27日

・欧米でこれだけESG投資と経済成長について議論されているにも関わらず、なぜ日本の企業や投資家はその潮流に乗れていないのか疑問に思った。英語ができないことや、右へ倣えの意識が強すぎることが原因なのだろうか...

・恥ずかしながら私も、CSRは株主に社会貢献活動をしているアピールをするためのものだと...続きを読む思っていた。しかし、この本を読むことで、適切なCSRは企業成長につながること、ESG投資は株主の利益につながること、がちゃんと理解できた。多くの人に勧めたい一冊。

・無知ほど怖いものはないと感じた。読書をすること、英語を学び海外の情報に触れること、を心がけたい。 

・日本で最初にESGインデックスを採用した、当時GPIFの水野さんは凄い。批判覚悟で新しいことを最初に取り入れられる人は本当に凄い。

・最近日本でも、「クリーンエネルギーへの転換」が叫ばれているが、これはただの流行なのか、それとも環境問題へのアプローチが経済成長につながることを理解した結果なのか、気になった。

・政府が産業界の声を集約し、政府が国際会議で交渉するといった「二層政治」が崩壊し、政府の存在がどんどん小さくなっていることも気になった。大企業の力がどんどん強くなることに問題はないのか、グローバル化ってこういうことなのか。関連書をもっと読みたいと思った。

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Posted by ブクログ 2021年06月24日

ESG投資が生まれた背景が、とても細かく書かれているので理解しやすいです。日本と欧米で環境経営に対して考え方がずれていたことが今の差になってしまったことがわかりました。おそらく日本の企業経営や国の政策に関わる人などがしっかり勉強してESG投資やサステナビリティを理解していればもっと日本も欧米に追いつ...続きを読むいていたのではと思いました。やっぱり英語とか読書が大切だと思いました。

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Posted by ブクログ 2021年06月13日

ESGの重要性が叫ばれて久しいが、その内容や背景を理解したく本書を手に取ったが、ESGを誤解していた自分に気付いた。企業の社会的責任あるいは倫理的観点から、環境、社会、コーポレートガバナンス(ESG)を遵守するものと認識していたが、本書を通して、ESGはグローバルで企業が守るべき重要な枠組みとして理...続きを読む解されていることを知った。
リーマンショックを経て、短期的な業績に焦点を当てるのではなく、長期的視点でリスク要因を洗い出し対応することが企業経営に求められるようになった。つまり、短期的視点で利益を追求するような企業経営では、社会・環境・コーポレートガバナンスを度外視した企業活動が正当化されていまい、長期的なリスクが顕在化する。例えば、四半期決算の利益向上を目的にして、海外生産拠点で児童労働をして人件費削減をした場合、短期的には減価を下げ利益を上げることができるが、長期的には現地労働者によるボイコットで生産ラインが停止したり、国際NGOが児童労働を猛烈に批判し、株価が急落するだろう。中でも、気候変動は最大の長期的リスクの1つで、グローバル展開をする企業にとっては、その生産地から長期的かつ安定的に資源調達が可能なのかは、サプライチェーンを管理する上で非常に重要だ。
このように、欧米ではESGは企業の長期的成長を支えるための重要なリスク管理として捉えられており、環境・社会への配慮と利益は両立するものだという共通認識がある。
一方、日本の多くの企業では、ESGはボランティアら倫理的取り組みとして捉えられており、ESG推進が長期的な成長要因になると理解されていない。そればかりか、ESGへの配慮と企業の成長は対立すると認識されている。
ESGに対する捉え方の違いを学ぶ好例は、ファーストリテイリングのウイグルからの綿花調達の問題だろう。ナイキを初めとする欧米メーカーは、中国政府のウイグル自治区に対する監理を批判し、ウイグル自治区からの綿花は調達しないと公言した。これは、ESGの思考の枠組みで考えたとき、ウイグル自治区で不当な労働環境にある労働者からの綿花を調達することは、長期的にはサプライチェーンが維持できないと考えたからだろう。一方、日本の最大手アパレルメーカーであるファーストリテイリングは、中国のウイグル自治区への支配に対して明言を避けている。もちろんファーストリテイリングも中国の振る舞いが倫理的に肯定できないと分かっているが、重要顧客である中国を刺激できないのだろう。この意思決定の背後にあるのが、ファーストリテイリングとナイキのESGに対する考え方なのではないかと、わたしは思う。

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Posted by ブクログ 2021年05月08日

ESG思考、ESG投資の歴史的な流れ、概略がわかる本。
ところどころ「日本はその時まだ、、、」という指摘があるが、そのとおりだと思う。
要するに、環境や社会や企業コンプライアンスなどを無視しているとそれが時折大きな問題になる。そこに配慮する姿勢はリスク回避を試みていることだから、投資対象として優良だ...続きを読む。ということか。
関連書籍もどんどん読んでいきたくなる。良い本でした。

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Posted by ブクログ 2021年01月17日

グローバルとは、こういうことかとわかった1冊だった。

短期的な利益追求では、うまくいかない。
長期的な思考が大切。

投資は、すでにニュー資本主義に移っている。

CSRとは違った観点。
社会貢献ではない、SDGsをやっていかないと企業存続が危うい

自分達に大切な項目(企業が利益を得るために)を...続きを読むコミットして、数字を上げていく。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年07月05日

30代男性
テスラの時価総額がトヨタを抜いたという記事を読み、改めてESG投資の潮流を理解するために、読みました。
ESG投資に至るまでの歴史として、古い資本主義(日本企業)からESG投資対象のニュー資本主義が生まれる話や、ニュー資本主義のパフォーマンスまで記載してある。
日本企業のニュ...続きを読むー資本主義への遅れが理解でき、より長期的な目線で、企業体質を変えていかないと投資してもらえないことを理解できた。コロナ渦で世界からの日本への投資が増えることを期待しているので、ESG投資先として考えてもらえる企業になるように努力する必要性を感じれた。

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Posted by ブクログ 2020年06月11日

この2,3年でよく見るようになった

ESG

という三文字のアルファベット.

SDGsのバッジ(小泉環境相が付けってる)も

肩書が上な方々が

つけてるのをよく目にします.

環境・社会に意識高いです

というアピールだと

思いますが

たぶんその方々の中で

本当にその意味を理解しているの...続きを読む

少ないのでは・・・と

思ったりします.

かくいう自分も

ESGやSDGsの後押しを

受けている仕事をしていて

普通の人よりは知っているはず

と勝手に思ってました.

が、実際それは勘違いで

日本と世界のESGに対する捉え方は

似て非なるもの.

日本のメディアがESGに対する誤った伝え方を

したのも相まって

完全に日本版ESGは迷走中.

そんな間違った捉え方をしてる日本人に

これが本物のESGだっ

と教えてくれるのが本書です.

リーマンショックの経済悪化で

日本企業の命運は分かれ

落ち目を迎えてしまいました.

けれど今回の新型コロナによる更なる不況期で

どうESG思考を強めていくかで

その企業の真価が問われ

今後の企業持続に繋がるだろう

と思われます.

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Posted by ブクログ 2022年08月21日

世の中がESGを意識した活動に代わってきた歴史が、環境破壊を考えるようになった1980年代以降から、SDGsを掲げる現在までに渡って詳しく書かれている、またそこに、日本と外国での差、意識の遅れ、取り組みの遅れがどう出てきているのかがわかる本。

メモ
ニュー資本主義とは、環境・社会への影響を考慮する...続きを読むと利益が増える、と考える。この考え方がここ10年でグローバル企業や機関投資家に浸透してきている。
リーマンショックを機に、欧米の機関投資家やグローバル企業は、サステナビリティ経営やESG投資に取り組むようになっていった。
ESGとは何かを理解した上で、ニュー資本主義の時代に必要なマインドは、長期思考を持つこと、グローバル企業や国際機関など、視野を広げて世界の動き、情報を捉えること、が特に重要と感じた。
世の中の変化に対して、長期思考を持ち、将来の事業成長や価値創造にとって重要なことは何かを考え、適応して実行していく力が必要とされる。

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Posted by ブクログ 2021年03月14日

企業のCSRやSDGs活動にピンときてなかったが、本書を読んで、ESGという別の企業戦略がある事を知った。
日本であまり聞かない用語だが、グローバル企業が少なかったり、政治の問題だったりが起因してるのかと。
世界は進んでいる。

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Posted by ブクログ 2020年09月05日

気候変動リスクという新しいリスク管理対象が出てきていると聞いて、興味を持った本。
ESGと言って環境に配慮した企業が評価されるべきと言う考え方が出てきており、実際にそのような企業の方が業績が上がっているという報告もあるようだった。

金融機関のリスク管理という観点で、もう一段深く調べたいところ。

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Posted by ブクログ 2020年08月30日

日本企業のオールド資本主義体質を指摘し、グローバル経済の中で日本企業が進むべき方向性を指し示した羅針盤とも言える著作。

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Posted by ブクログ 2020年05月04日

最初に提示されるフレームワークがすべて。オールド資本主義、脱資本主義といった、環境か利益か、を二項対立で捉える従来の考え方から、利益と環境が両立するニュー資本主義へ。

不況期こそESG思考の真価が問われる。コロナ対応でもリーマンショック時の短期的な雇用調整と自社株買い、貸し渋りとは異なる動きになっ...続きを読むている。自社株買い禁止、休業補償、パートナー支援、医療機関への寄付、融資枠の拡大、リモートなどの転換。人類全体の問題であるパンデミックに対する戦いこれこそ長期的な視点では利益となる、という考え方


・オールド資本主義 利益至上主義 対 脱資本主義の対立構造から、環境社会への影響を考慮すると利益が増えるニュー資本主義、これがESG投資
・機関投資家の受託者責任の解釈の広がり
・リーマンショックが欧米の経営のサステナビリティやリスクに目を向けさせた
・不況期こそESG思考の真価が問われる。コロナ対応でもリーマンショック時の短期的な雇用調整と自社株買い、貸し渋りとは異なる動きになっている。自社株買い禁止、休業補償、パートナー支援、医療機関への寄付、融資枠の拡大、リモートなどの転換。人類全体の問題であるパンデミックに対する戦いこれこそ長期的な視点では利益となる、という考え方

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Posted by ブクログ 2020年05月04日

投資や経済に詳しくない自分にとっては難しかったです。でも、もしESGに興味をお持ちで同じ様な方いらっしゃったら是非最後まで読んでほしい。今まで何となくしか理解できていなかったESG投資の成り立ちや、日本と欧米の立ち位置の差などを通してかなり勉強になりました。

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Posted by ブクログ 2022年04月06日

現在のESGムーブメントに至るまで経緯を中心に書かれており、日本がいかに出遅れているか、顔色を伺い無難にやっていこうとする姿勢では今後通用しないことが分かります。

具体的な事例が挙げられているのですが、自分には馴染みのない団体であったりワードであったりで正直頭に入って来なかったです。

詳細な説明...続きを読むが多い分、全体像が掴みにくいのが残念でした。

これまでの話が9割なので、これから何をすべきかと知りたい方、時間のない方は最後の章だけ読むことをおすすめします。

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Posted by ブクログ 2020年12月24日

これまでの経済成長一本のオールド資本主義から、
環境や社会問題の解決と経済成長を両立する
ニュー資本主義に移行している。

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