あらすじ
グラフィティの騒動を通じ、お互いの距離が近づいたヨシとブーディシア。
ヨシの帰国が迫る中、ロンドンから、アイオンにグラフィティを学んだブーディシアの先輩・シュガーがクルーを引き連れてブリストルに襲来!
「人は必ず死ぬ。終わりの美しさを知る者だけが、豊かな生を過ごせる」
という信念を持つシュガーたちによりボロボロに上書きされるブリストルのグラフィティ。
立ち向かう〈女王熊の復讐〉のメンバーだが、肝心のブーディシアの書くグラフィティに異変が。
ブリストル最大の危機にヨシが取った行動とは? そして、ブーディシアの想いは? 激動の第3巻!
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Posted by ブクログ
なかなかに不穏な空気をまとった前半だったが、ラストシーンにはそれを上書きする温かみがあった。読後感はとてもよかった。
グラフィティという文化を題材にした小説だが、視覚的なアートを文章で表現するのは大変だったろうなと思う。実際、ブーディシアとシュガーの決戦シーンはいまいち迫力に欠ける感じがした。大きく引っ張ったわりにはあっさりだなぁ、と。
ただ、この作品はそういった迫力が求められるシーンよりも、海外(イギリス)っぽい言葉のやりとりが楽しく、日本語で書かれたセリフのルビに英語をのせるのはかなり良かった。上手く言えないが、キャラクターや彼らの言葉がちゃんと生きている感じがする。
全3巻で完結ということもあって、総じて読みやすく、またいつか読み返したいなと思った。