あらすじ
政府の圧政や麻薬組織の犯罪が続き、難民流
出が絶えない中米の小国コルドバ。米国は政
府と麻薬組織の対立を激化させ、新たな指導
者を擁立する計画を秘密裏に立てる。指揮を
任されたのは米国陸軍の元大尉ジャディス。
かつてコルドバ難民を死なせ、虐殺者の汚名
を着せられた男だ。次々と試練が降りかかる
中、腐敗した国を再建することができるのか。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ページをめくる手が止まらなかった。動悸がする。
難民問題はとても一筋縄では解決できるものではない。
ワンネス、平和、自分も人もよかれと願う。
人道支援の重要性は誰もが認めるところではあるだろう。
国家間において厳然とした利権があるし、本音と建前はどこの世界においても存在する。
矛盾をはらみ世界は存在していると思う。
試練に目をつぶれば、不信感を積み上げるだけだろう。先送りは問題の雪だるまになり加速する。
視点の狭さは明るい未来には繋がらない。
面白さと共に考えさせられる本だった。
Posted by ブクログ
中米のコルドバという仮想国を舞台に独裁大統領と麻薬組織を倒して新たな国を作るというエンターテインメント小説は近未来SFというべきか。着想は面白いし、作者得意のスリリングな展開もいい。けどもう一つ入り込めなかったのは、どこかフィクションとリアリティの間が埋まらない感じが続いていたからか。元陸軍大尉のジャディスの葛藤はかなり奥深いものではあったはずだけど。
Posted by ブクログ
テーマは難民問題
面白かったけど予定調和なストーリ(笑)
もうちょっとハラハラドキドキ、泣き所があってよかったのに。
映画のようなエンターテイメントストーリ
難民問題、独裁政権、米国の対応、と必要なものはみんな入っている(笑)
ストーリとしては、米国の隣国のコルドバから、独裁政権と麻薬組織犯罪により、難民が押し寄せます。
警備していた米国陸軍はそこで発砲事件になり、ウォールの悲劇として、コルドバ難民が100人以上死んでしまします。
難民虐殺者の汚名を着せられたジャディス大尉は不名誉除隊。
そんなジャディスのもとに、コルドバ再建の計画が..
政府と麻薬組織の対立を激化させ、秘密裏に傭兵をコルドバに送り込み、新たな指導者を担ぎ上げ、コルドバの民衆による革命を成功させ、民主的なコルドバを再建する。
ジャディスたちは、再建させることができるのか?
民衆は難民とならず、自分たち国として暮らす未来を手に入れらるのか?
と、ストーリとしては、アメリカ映画を彷彿させるエンターテイメント展開で、好きなものです。
しかし、次々に試練が襲い掛かりますが、なんとなく展開が読めてしまいます(笑)
ここは、もっと厳しい展開でもよかった。
泣き所も期待していましたが、それほどでもなかったです。(笑)
心震えるところまでは至らず。
とはいえ、エンターテイメントとして楽しめました。
Posted by ブクログ
高嶋哲夫『紅い砂』幻冬舎文庫。
国際紛争小説。随分とアメリカを美化していることに驚かされた。作品としては平凡過ぎるほど平凡。
中米の小国コルドバでは独裁政府による弾圧と麻薬組織の犯罪激化により難民流出が絶えず、アメリカとメキシコの国境ウォールに難民が押し寄せる。対するアメリカ軍は難民数百人を銃殺する。当時、軍を率いていたジャスティス大尉は虐殺者の汚名を着せられ、軍を追われる。家族も仕事も友人をも失い、酒に溺れる日々を過ごすジャスティスにコルドバの独裁政府討伐のミッションが持ち掛けられる……
全くハラハラする所も無く、予想通り、予定通りの展開と結末。実際のアメリカは自国の軍事関連産業の繁栄による経済発展を目的に他国に軍事介入しているのに、本作では正義のためにというから驚いた。主人公の名前がジャスティスというのも臭過ぎる。
本体価格790円
★★★