【感想・ネタバレ】芭蕉という修羅(新潮文庫)のレビュー

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Posted by ブクログ

著者の『芭蕉紀行』も読んだ。芭蕉=隠密説は、彼の出身地が伊賀であることから得心できることだ。江戸時代は日本国内を旅することは、現代の外国旅行と同じだったろう。特に「おくのほそ道」紀行は、隠密旅の緊張感が伝わってきた。また、貞享暦『天地明察』や土芥寇讎記『殿様の通信簿』といった既読本につながる話題が出て、更に芭蕉を身近に感じられた。

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2020年08月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この本を手に取ったとき、私は入院中だった。緊急入院だったので必要最小限の私物しか持って行っておらず、家族も仕事等で面会に来れない状況だったので、病院の売店で何か読む物はないかと探したのだが、なかなかピンとくるものがなく、正直、ないよりはまし程度で購入したのである。
ところが、いざ読み始めてみると、面白くてどんどん読み進めていた。芭蕉が「何のために」東北へ赴いたのかというのは、中学の時の国語の授業で「奥の細道」を読んだ時もちょっと疑問に感じていたところはあったので、最近言われている「芭蕉隠密説」はなるほどと思うところがあったのだが、この本はもちろん単なる都市伝説などではなく、嵐山先生は芭蕉の作品の中に、また当時の時代背景からも、とても丁寧に論を展開しておられたので、最後まで本当に興味深く読んだ。
解説で小澤實氏が「本書を読んで、隠された旅の目的によって、数々の名句や『おくのほそ道』という作品の価値は変わるものではないと思うに到った。逆にその作品の陰影を深めるものという感じがしている。」と書かれているのだが、本当にその通りだと思った。仕方なく手に取った…はずだったのに、また読み返したい本に出会えた。とりあえず「おくのほそ道」の現代語訳を読んでまたこの本を読み、最終的には原文にチャレンジしたい。

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2021年02月22日

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