【感想・ネタバレ】世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学のレビュー

あらすじ

■第29回山本七平賞・奨励賞 受賞
■紀伊國屋じんぶん大賞2021(紀伊國屋書店 主催) 第5位 入賞
■読者が選ぶビジネス書グランプリ2021(グロービス経営大学院+flier 主催)リベラルアーツ部門 第4位 入賞
これが、ニュー・ノーマル時代を切り拓く哲学書。

「ずっとじぶんでも考えていたことが、別の光を当ててもらったような気がして、読んでいて興奮しました」
――糸井重里(株式会社ほぼ日 代表)

「わたしはすでに受け取っていたんだ。読むと次にパスをつなげたくなる本」
――伊藤亜紗(東京工業大学准教授・美学者)

「贈与を受け取ったから、私は家族の物語を書きはじめました」
――岸田奈美(作家『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』)

「人間の『こころ』の力動の機微をとらえる近内さんのセンスには肌の温かさと機械の精緻さがある」
――茂木健一郎(脳科学者)

「コロナ後の経済は『贈与』を軸に駆動します。必読でしょう」
――山口周(独立研究者)


2020年最有望の哲学者、「希望」のデビュー作

この資本主義社会で「お金で買えないもの=贈与」が果たしている役割とは何か?
「人間」と「社会」の意外な本質を、みずみずしく平易な文体で驚くほどクリアに説き起こす。
ビジネスパーソンから学生まで、
見通しが立たない現代を生き抜くための、発見と知的興奮に満ちた「新しい哲学」の誕生!

「一見当たり前に存在しているこの『世界』の成り立ちを、『贈与』や『言語』、『常識」の成り立ちを通して説き起こした鮮烈なデビュー作。
人間の『こころ』の力動の機微をとらえる近内さんのセンスには肌の温かさと機械の精緻さがある。
ウィトゲンシュタインと小松左京の本書を通しての出会いは思考世界における一つの『事件』。
社会の見え方を一変させ、前向きに生きるために、この本を処方せよ!」
―――茂木健一郎

目次
第1章 What Money Can't Buy――「お金で買えないもの」の正体
第2章 ギブ&テイクの限界点
第3章 贈与が「呪い」になるとき
第4章 サンタクロースの正体
第5章 僕らは言語ゲームを生きている
第6章 「常識を疑え」を疑え
第7章 世界と出会い直すための「逸脱的思考」
第8章 アンサング・ヒーローが支える日常
第9章 贈与のメッセンジャー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

単なる心温まるペイフォワードの話ではない。
贈与は与えられていることに気付くところから始まる。身近なコミュニケーションの話かと思えば、「贈与は差出人に倫理を要求し、受取人に知性を要求する。」知性がないと贈与に気付けない、知性を身につけるために歴史の勉強が必要だと説く。現代社会において先人が築いた贈与に気付き、いかに世界が贈与に満ちているかを悟った人を教養ある人と呼ぶそう。さらに、生きる意味を考えるとき、それば贈与先から偶然に返ってくるものだという。不当に受け取った贈与に気付き、次にパスをする。その先から偶然返ってくる(返ってこないかもしれない)もの、それが生きる意味だと。パスをつなごうとする使命感を手にすることことが生きる意味。
へー。生きる意味って使命感なのか。
こういうの、誰が読むの?資本主義に疲れた人?
私は近本きっかけで読み出したけど、ビジネスパーソンが仕事の意義とかに迷い出したときに読めばしっくりくるのかな?使命感とか程遠い生活をしている私はいまいちピンとこなかったのが正直なところ。まず感謝の気持ちを持つことが大切なのかも。当たり前を享受してる日常に感謝、とは普段からよく思うことなので。
丁寧に読んだつもり(初めて付箋をつけました!)だけど、一度読んだだけでは難しくて、かいつまんで再読して、なんとか主張に辿り着けた。小説しか読んでこなかったから読む力が偏っているのを自覚した一冊となりました。

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2025年11月16日

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