あらすじ
1888年ロンドン。『緋色の研究』を発表したばかりの若き医師コナン・ドイルは、前首相から、巷を賑わす連続殺人事件を、シャーロック・ホームズの推理法を用いて解決に導いてほしいと依頼された。ドイルは、ホームズのモデルでもある恩師ベル博士と、現場の下町に詳しい男装の女流作家マーガレット・ハークネスの協力を得て、のちに切り裂きジャックと呼ばれる殺人鬼との知恵比べに挑む。貧しい労働者階級の街イーストエンドで三人が見いだす恐るべき真相とは? 長年軍医を務めた著者のデビューを飾る痛快冒険推理。
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Posted by ブクログ
原題の『霧の中のナイフ』のままが良かったと思う。
英王室の血友病の影響は、ロシア革命だけでなく、切り裂きジャック事件にも及んでいたのか。当時のプリンス・オヴ・ウェールズも容疑者に挙げられていたし、切り裂きジャックを王室と結びつける考えは根強いよね。
ドイルの奥さんは夫が他の女に心を奪われているのに気づいていると思う。妊娠中、ただでさえ神経過敏になりがちなのに。それを思いやれないから、ドイルは探偵として二流なんだ。
ドイルがマーク・トウェインを愛読していたのは事実なのかな。
Posted by ブクログ
ホームズのモデルとなったベル博士と、作家のマーガレット、ドイルの三人が切り裂きジャックの謎に挑む話。
ベル博士はホームズとはまた違って落ち着いた紳士的な人で、そこまで目立つシーンはなく、マーガレットが一番目立つ存在だった。
女性やユダヤ人への差別的扱いにたいするマーガレットの主張や態度はよかったものの、ドイルとのほのかなロマンスは必要だったのか?普通に仲間じゃだめか?という気持ちと、切り裂きジャックとの決着のつけかたには少しモヤモヤした。
それでもラストは爽やかであり切なかった。