あらすじ
世の中には勝者もいれば敗者もいる。だけど、その勝ち負けは誰が決めるんだ? ――高校を卒業後、小さな鉄筋加工工場でアルバイトをはじめた俺。超ベテランの爺さんと組むが、その手は…「鉄の手」、建築現場で働く労働者との出会いで俺が決めたのは…「ヨンパチ」、地元の裸祭に参加しようか悩む俺…「フンドシ・トランス」など、勝ち馬に乗れない“俺”たちを描いた連作短編集。ひとつひとつの短編がかすかに繫がり、すべてを読んだ後に見えてくる景色に、心も体も躍り出す。
この作品は、二〇一二年に幻冬舎より刊行された『傍らの人』に訂正を加えて再編集をしたものです。文庫化にあたり、改題をしました。
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Posted by ブクログ
バッセンの著者の読むのは2冊目。これは6編からなる短編集。全編、話には入って行きやすかったが、面白かったのは2編目と6編目。
バッセンもそうだったけど、何かですごいやつは全然出てこない、本当に等身大の話。でも、今思い返せばそんなに思い出せないから、あの頃、中坊時代も高校時代も、もっと真剣に毎日を、毎分毎秒を過ごせれば良かったなと、何故だかそういうことを考えさせるような話だった。
Posted by ブクログ
建設現場の近くを通るとき、そこで働く人を見かけると、なぜかそれだけで泣きそうになることがあります。本作はその理由を教えてくれたような気がします。
三羽さんのデビュー作であり、私が彼にハマったきっかけでもある『太陽がイッパイいっぱい』と同じような現場から始まり、前章までの登場人物がカメオ的に出演する連作短編集。気になっていた人のその後がちらりと見え隠れ。
皆に薦めたくなるほどのインパクトはないけれど、心に焼きつけたい台詞がいっぱいある。「ちゃんと間違って、ちゃんと狂って、ちゃんと失敗しろ、馬鹿野郎」。その通り。
Posted by ブクログ
まだ人生の半ばにもきていない青年たちの葛藤や思いが描かれている。タイトルの意味が読み終えてなるほどと思える。この1冊で何人かの青年の人生を垣間見えたような気になった。男の子も大変だなぁー