あらすじ
日本がんセンター呼吸器内科の医師・夏目は、生命保険会社に勤務する森川から、不正受給の可能性があると指摘を受けた。夏目から余命半年の宣告を受けた肺腺がん患者が、リビングニーズ特約で生前給付金三千万円を受け取った後も生存しており、それどころか、その後に病巣が綺麗に消え去っているというのだ。同様の保険支払いが四例立て続けに起きている。不審に感じた夏目は、変わり者の友人で、同じくがんセンター勤務の羽島とともに、調査を始める。一方、がんを患った有力者たちから支持を受けていたのは、夏目の恩師・西條が理事長を務める湾岸医療センター病院だった。その病院は、がんの早期発見・治療を得意とし、もし再発した場合もがんを完全寛解に導くという病院。がんが完全に消失完治するのか? いったい、がん治療の世界で何が起こっているのだろうか――。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
✩4.6
まじかーー、おもろ!
最後まで読み終わったあとの感想。
内容は医療関係の勉強してなければ難しいと思う。
勉強してた側としては理解できるし、ふんふんって納得しながら読めた。
娘とあれ、DNA一致したんじゃなかったっけ、あれ?
ん?えーー!!そゆこと?!
すごーー、医療職が権利を別な目的で使うとこんな怖いことが起きるんやって思った
Posted by ブクログ
読む前は、物語冒頭の小ネタで使われていたような「双子の入れ替わりを利用したがん消失トリック」みたいな、そんなミステリ的な作品かと思っていた
でも読んだら本格医療ミステリ!
思ってたんと違う、でも面白い!
読みながらトリックを当てろと言われてもそりゃ無理でしょ!ってなネタなんだけど、読んでいてサラッと納得出来ちゃうのがすごい
医療とは無縁の素人が読んでもこれだけわかりやすく書けるのはすごいなぁ
このがん消失トリック、ここまでくるとこれはもうSFなのではないか……?なんて考えながら読んでたんだけど、巻末解説によるとどうやらこれは実現可能なトリックらしい
そこまで読んでこれまたビックリ
この作品自体は2017年刊行のようで、その当時の描写を読んでるだけで「ほえぁー、すげー」って楽しめたのだけど、そこからさらに6年たった今、医療技術がどこまで進歩してるのだろうとか、そんな所が気になるような作品でした
専門的な知識に裏打ちされた作品ってのはやっぱり面白いなぁ
Posted by ブクログ
リアリティが高すぎて所々理解できず。ラスト振り回してくるけど、そんなんアリ?という感じ。
がん患者の苦悩が描かれて、自分の健康を思うと憂鬱になる。
医はかくあるべき、と2人の医者が議論する場面は考えさせられる。医者じゃないけど。
Posted by ブクログ
著者デビュー作
9割読み応えを感じながら読んでいたのだけれど、
最後の最後の大どんでん返しが、
なんだかしっくり来なくて、なくても良かったのにー
という感じ。
Posted by ブクログ
淡々とした小説という印象。最後を除いて特に大きな盛り上がりはないが、かといってつまらないというわけではない。要所要所に謎があり、主人公たちの考察が展開されるので、先が気になる。
なぜがんが消滅するのか、そのトリックも結構あっさり明かされる。医学の知識がないので、説明が現実的なのか突拍子もないのかわからないが、無理は感じなかった。ただ、脅迫に従ったあとの人物のがんを消滅させていたが、その後反抗されたりしないのか気になった。
Posted by ブクログ
面白すぎて一気に読み終えてしまった。ドラマ化されていたことを知らず、がん消滅のトリックは最後まで全く想像できなかったが、途中で先生が必死に探していた仇のDNAが羽鳥先生と一致したと聞いて、てっきり娘さんは子宮頸がんで亡くなったのかと想像してしまった。結果的に全然的外れだったわけだが、女性ならば毎年受けている身近ながん検診であり、途端にこの物語がものすごい現実味を帯びて自分と重なり、年齢的にがんはどこか遠いものだと思っていたのがすぐ近くにあるものなんだと感じ背筋が凍った。
Posted by ブクログ
理論はなんとなくわかったような気がしたけど、現代の医療がこんなに発達していることにびっくり。
復讐でここまでするか‥という驚きと気まずさはぬぐえないけれど、ミステリーとしては唸らざるを得なかった。
医療がこのまま発達して、がんも治る様になったらいいなと思います。
Posted by ブクログ
家にあったので読んでみた本
医療に詳しい方が書いた小説らしく、物語やミステリーと言うより論説を読まされていたような気がする部分も多かったように思う。
現在の最先端技術であるiPS細胞を応用する技術についての話など医療的な記述に説得力があるので、そこはすごいと思ったし読んで理解するのに時間がかかった。現在ある技術を応用して様々な医療の可能性があるのだと感じたし、倫理面をかなり考えないとまずい局面に来ているなというのもわかった。
ただ大筋の物語としてはどうかな?
西條先生のビジョンがよくわからなかったし
娘さんの仇、と言いながら相手がわかったら突然奥さんへの恨みの話にすり替わってるし
その娘さんが大事に思っている相手に偽名で付き合っていたこととか、なんでガン発覚で自殺するん?とか
高邁な精神の西條先生が恨みを抱いているからと言って奥さんと不倫?した相手に痛み止めもなしに人体実験して、最後に自分の身代わりとして死体にさせるとか
なんか、へ?と思う部分が度々見られ、
医療に詳しい人が読むと面白いのかも知れないが、普通に物語として読みたい人にはちょっとあんまりな、よくわからない感じを受けました。
最後、結局自分の精子バンクへの登録で生まれていた子が自分の弟子で、お互い親子と認めあってるってことでいいですかね
そこに至る心理の変遷をもう少しして欲しかったなぁ。
読むの疲れました。でも面白かったです。