あらすじ
北海道で生まれ育った高橋漣は、花火大会で出会った園田葵に一目惚れ。彼女が義父から虐待されていることを知るが、まだ中学生の漣には何もできなかった。それから八年。漣は地元のチーズ工房で働き、葵は東京にいた。 遠い空の下、互いを思いながらも、すれ違いと別れを繰り返す二人。それぞれの人生を歩んできた男女が、再び巡り逢うまでの物語。
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Posted by ブクログ
美瑛を旅行した時のポスターが印象に残っていて手に取った小説。
今の自分に響くような内容だった。
本の内容としては、①巡り合わせ・人との繋がり②守り、守られるという人の関係性、この二つがテーマの話のように感じた。
特に自分には、二つ目のテーマが心に残った。
誰かを守りたい、守らなきゃいけない、と言ってる時点で相手を下に見ている。確かにそうなんだろう。いつからか、自分が相手に対して優位に立とうとして、見下していたのかもしれない。そしてその感情を相手に見透かされていたのかもしれない。
今、途切れそうな関係性に対して、私はどう動くのか、私はここで手を離して本当に後悔しないのか、自分が相手に対して感じてる感情を、改めて整理するきっかけをくれた、そんな小説だった。
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映画を観て感動し、映像の壮大さは文字では想像できない。
原作を読んで、映画には上映時間の制約もあり、落とし込めなかった人物の行動、背景が理解でき、その知識で映画を観たら、さらに感動できた。
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偶然などではなく、逢うべき人とは本当に繋がっている。そういう人が自分にも必ずいるのではないか。読み終えた時に自然とそう思ってしまいました。
辛い境遇に立たされ、それでも前を向いて普通に生きていく漣を見ていると、少し辛かったです。おそらく漣は節子の言う「普通の人」であり、節子が望む形かどうかはわからないけれど、漣が最後には報われたことが、何より嬉しかったです。
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名曲の中島みゆきの『糸』から構想された物語(ノベライズ)。北海道の美瑛で生まれた男女(漣と葵)がさまざまな人物と触れ合いながら成長し、人生が糸のように複雑に絡み合う、そこに出会いと別れがある。平成最後の日にエンディング。よくできたラブストーリーなんだけど、なかなかの感動作でした。(章立ても『縦の糸』『横の糸』『ふたつの物語』『逢うべき糸』と歌詞をなぞらえています)
映画も2020年8月に公開されており、配信で駆け足でみてみましたが、菅田将暉と小松菜奈のダブル主演で素敵な内容でした。(2回くらい目頭が熱くなりました)ちなみにこの二人はこの撮影時には交際しており後に結婚しています。これも『糸』がもたらす縁なのでしょう。
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年代順に、色々な人の目線で書かれている連作の短編集のような作品だった。読みやすかった。内容があまり深くないからかもしれない。
虐待を受けている中学生葵さんと、葵さんを助け出そうとして失敗した蓮くん。お互い別々の人生を歩んでいくけれど、最後、北海道で再会する。
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高橋漣
北海道で生まれ育った。平成元年生まれ。中学生の時に行った美瑛の花火大会で葵と出会う。チーズ工房で働いている。
園田葵
花火大会で漣と出会う。中学生の時に家族で夜逃げのように出て行った。弓とは小学校からの友人。
竹原直樹
漣の友人。中学生の時に行った美瑛の花火大会で後藤弓に一目惚れした。
後藤弓
直樹と八年間、付き合ったり別れたりを繰り返しながら結婚した。が、一年で終わりを告げた。
村田節子
葵がよくご飯を食べさせてもらっていた家のおばさん。子ども食堂と呼ばれている。
桐野香→高橋香
漣が働くチーズ工房のガサツな先輩。
山田利子
直樹の2番目の妻。
高木玲子
葵が働いていたキャバクラの同僚で友人。シンガポールのネイリスト事務所で働いている。
水島大介
直樹の結婚式の時にベンツで葵を迎えに来た。キャバクラの客。ヘッジファンドのオーナー社長兼ファンドマネージャー。
矢野清
葵の伯父。昆布の漁師。
真由美
葵の母親。
池宮
中目黒で小さなネイルショップを経営している。
冴島亮太
シンガポールで働く玲子の運転手兼事務。
桐野昭三
香の父。
桐野春子
香の母。
高橋結
漣と香の娘。
矢部
高校を出たばかりでチーズ工房に入ってきた新人。
高橋英和
漣の父。
高橋智子
漣の母。
富田幸太郎
チーズ工房のオーナー。
富田奈津美
幸太郎の妻。
佐伯
新宿のネイルサロンの店長。
小柳翔
東京の映像製作会社で働いている。子供の頃、子ども食堂でご飯を食べさせてもらっていた。
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映画を観たくて読んでみた。
蓮と葵のすれ違いは切なく、もどかしい思いの連続だった。
人が人と人を繋げていくストーリーの中に幾つもの切なさがあった。
死を覚悟した香の強さには心打たれた。
テンポ良く進んで行くし、シンプルな言葉、表現が多かったので1日もかからず読み終わった。
結ちゃんの章も感動的だったな。
早く映画が観たい。
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人は繋がりという糸を絶えず持っている。
時には解けてしまったとしても、何処かでまた繋がる。
そんなことを深く考えさせられるお話でした。
登場人物によって移り変わる視点も様々で、それぞれの人生観や考え方が混じり合い、人は出会い、糸を紡いで行くんでしょうね…。
人は何故めぐりあうのか…その巡り合わせの縁を大事に生きていきたいと思いました。
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映画を見たいけれど、映画館には行きにくい状況なので読んでみる事に。
菅田将暉さんと小松菜奈さんが、人物のイメージにぴったりで、映像をイメージしながら読みました。
悲しさ、寂しさ、逞しさ、そして愛情。登場人物それぞれの幸せを願いつつ読みました。
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出会うべき時に出会うべき人に出会う。
なぜめぐり逢うのかを私たちはなにも知らない。
出会いと別れには全て意味がある。縁があればいつかまた会える、っていう素敵なお話。
自分にも忘れられない人、思い出というものがあり、引きずっている訳ではないと言いつつも心のどこかでは忘れていない、引きずっているのかも…と考えてしまった。でも、忘れる必要はなくて、ずっと心の中に留めておいてもいいよねと思えた。初恋ってとても重くて切ない…。一生、心に残る。
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初 林民夫 作品。
「泣いている人がいたら、抱きしめてあげるのよ」この場面から、涙が止まらなくなってしまう。
二人の物語では、印象的なフレーズがいくつも出てくる。
「ただ、守りたかっただけなのに」というフレーズが何回も飛び交う。きっと、誰もがそうなんでしょう。そして、気づく。”誰かを守る”ことなんて、誰も出来ないことなんだと。とても傲慢なことなんだと。たぶん、自分を守ることだってできないのに。
「この町で、普通に生きていく」都会に出てきた若者は、いつしか、根無し草になってしまう。拠って立つ自分を見失ってしまう。”今日”と”明日”の重さに耐えかねて…。何が「普通」なんだろうか。なぜ「普通」になり切れないのだろうか。「普通」でなければ、それは高望みなのだろうか、と。
人は、出会うべき時に、出会うべき人に出会う。そうなのかもしれない、そうでないかもしれない。もし、そうだとしたら、私たちは、まだ道半ばなのだろうか。それとも…。
節子ばあちゃんがつぶやく「どうしちゃったんだろうねぇ、この国は」。ほんと、そう思う。
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縦の糸と横の糸、一人と一人の想いが織り重なって布になるんじゃなくて、それぞれの人生に、それぞれのストーリーにいろんな想いを抱えたそれぞれの縦の糸と横の糸が編まれて、厚みのあって温かな布を作り出しているんだと知った。
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今まで読んだ本の中で1番感動した。
人の出会いと別れは唐突に起こる。
後悔が無いように、大切な人との時間を過ごしたい。
感情移入し過ぎて、最後は小松菜奈になりました。
Posted by ブクログ
読み始めはよくあるケータイ小説的な小説かと思っていたけど、ちゃんと面白くて引き込まれてあっという間に読み終わった。
私も今、たくさんの人の糸が織り成す中で、奇跡のように存在している。
まさに「仕合わせ」だなあって思う。
この本から、中島みゆきの「糸」は壮大な「物語」になった。
Posted by ブクログ
人生という流れのなかで自分にとって大事なことはいくつかあって、ときが流れてもそれを忘れない、ということは大事よね
もとが脚本?だからか読みやすかった。それぞれの目線から物語が進むので、この人このときどう感じてたんだろ?という疑問がない。
最後はどう捉えていいかわからなかったけど
Posted by ブクログ
ずっと重たい感じ。
最後の結は感動した。
人間性がそれぞれ描かれていて分かりやすかった。
登場する回数少ないひとの一人称が
結構グッときた。
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北海道で育ち、12歳の時に離れ離れになってしまった漣と葵が再び巡り会うまでの物語。
そこに行き着くまでに2人が出会う周囲の人たちがそれぞれの価値観と背景を色濃く持っており、漣や葵に影響を与えていく。
(弓の「なるようにしかならない」や玲子の「やさしい人になること」)
最後に2人の糸が交差するのも思いもよらない人と偶然が重なった結果だったり。
人と人の関係はその間だけで結ばれるものに見えるけどそんな単純なものではなく、これまでに出会ってきた人や経験、偶然によっても左右されるということを改めて感じました。
所々に「平成→令和」や「東日本大震災」などの出来事が描かれていたけど、敢えて描く必要あるんだっけ?何かの伏線か?とモヤモヤしてしまったのだけネガポイントでした。
Posted by ブクログ
映画が泣けるいい話だったので本も買って読んでみた。この人はこういう背景があったのかと再発見でき、映画の北海道の雄大な景色、沖縄の人情、東京、シンガポールの洗練された風景、中島みゆきの歌、感動がよみがえってきてよかった。美唄から函館には簡単に行ける距離じゃないよと相変わらず思ったけど。。小説だけ読むと登場人物がごちゃごちゃするかも。両方楽しむのがいいかな。
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こういうの読むと「運命」ってあるのかな、と思う。
出会いと別れを繰り返しながら、
切れたりもつれたりしながら、再びめぐり逢う。
18年の時を経て、
2人の糸が繋がってほんとよかった。
"逢うべき糸に出逢えることを
人は仕合わせと呼びます。"
〈結〉っていい漢字だな。
むすぶ、ゆう、つなぐ、たばねる。
悲しでる人や泣いてる人がいたら、抱きしめる。
守りたい人がいたら、全力で守る。ただそれだけ。
出逢えてよかったなと思える人。
自分がそう思う人を大切に、生きていきたい。
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すれ違いと別れを繰り返す漣と葵。
それでも互いに思いを寄せ合いながら生きていく。
運命の糸は本当にあるのかなぁ。
感動とまではいかなかったけれど、漣のラストは良かったです。
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葵の育った家庭環境の描写などは共感しましたが、全体的なラブストーリーはラストに行き着くまでが長い感じがして、感動するほどは盛り上がれなかったです。
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人の縁というのは不思議なものだなと感じる。人生のある時期に繋がった誰かと切れてしまうこともあれば、何年かの時を経て再び繋がることもある。それはいわゆる運命の赤い糸であったり、友情の糸であったり様々である。
そして人はそうした運命に翻弄されつつも生きていく。そのような物語を様々な登場人物の視点から描いた作品。感動よりも不思議な巡りあわせに心惹かれた。
Posted by ブクログ
中島みゆきさんの糸の小説。
自分もいつかは逢うべき人に巡り会って幸せになりたい。
「時代とは関係なく、人間は死ぬ。
いつかは死ぬ。
厳然たる事実だ。
人生は思ったより短く、はかない。
大切な人もやがて失う。
生きている限り、誰もがいつかは誰かを失うのだ。
誰もそこからは逃れられない。
それならなぜだろう。
なぜ失われるとわかっていて、人はめぐり逢うのだろう。」ー本文よりー
Posted by ブクログ
想いを寄せる人がいても現実な生活はいとなわれていく中で普通はあのような事は起こり難いけど、そこはまぁいいとしましょう。
DV絡みの過去を物語に入れるのは反対派です、コレがあるとどうしてもDV被害者目線で物語に入ってしまうことになる。
Posted by ブクログ
皆さんは忘れられない人はいますか?
長い糸もあれば、細い糸もあり、
切れてしまった糸もある。
大切なのは、
大切な人との糸を、
大切に育てていくことなのかな?
誰かを暖める布にね。
Posted by ブクログ
人生の成功と失敗、出会いのお話だった。
とてもドラマチックでベタな展開が多かった。
素敵なお話だとは思うけれど、ベタすぎて個人的には好きではなかった
Posted by ブクログ
評判通り登場人物毎に一人称で繋いでいる分テンポが悪い。よくある視点を変えれば考え方や心境は変わる、と言う手法なのはわかるがくどい。
ストーリーはわかりやすく内容は100ページもない短編をそれぞれの視点展開で描かれた分増量している。
海外小説読んだ後なので読みやすく半日で完読できる。頭の中は常に中島みゆきの糸が流れるが縦の糸と横の糸の章はそれは表現出来ておらず、単に運命の糸の「糸」だけを当てている感じで次点。
まあ、個人的に言うと、中学生時の運命の人と結ばれるストーリーは昭和時代で終わってるだろ?と言いたい