あらすじ
ソ連では第二次世界大戦で100万人をこえる女性が従軍し、看護婦や軍医としてのみならず兵士として武器を手にして戦った。しかし戦後は世間から白い目で見られ、みずからの戦争体験をひた隠しにしなければならなかった――。500人以上の従軍女性から聞き取りをおこない戦争の真実を明らかにした、ノーベル文学賞作家の主著。(解説=澤地久枝)
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Posted by ブクログ
漫画のほうを先に読んで、旧日本軍よりマシかも…とか感想を持った自分を殴りたい。
いろんな人がいて、いろんな手段で戦ったり、生き延びたりして。でも戦争がハッピーエンドで終わるなんてことない。これは今まさに繰り返されている悲劇だってことを教えられます。
腹立つのは、解放された捕虜に「なぜ生きてる?」と問うとこ。せっかく地獄を生き延びても裏切りを疑われながら生きなきゃならないとか。
著者のインタビュアーとしての姿勢が素晴らしい。「話してください。悪魔には鏡でその姿を見せつけてやらなければ」と。
しかしウクライナとかベラルーシの人たちのインタビューなんだよね。こんなことされてドイツを許す気になるかとか、その後のスターリンの仕打ちを考えるとソ連に抱く感情だって複雑だろうし。ほんと戦争嫌だ…
Posted by ブクログ
まず女性が戦争に行っていた事、そしてそれは看護士などもいたが狙撃兵もいたという事。読んでいてここら辺のところがえっ?どういう事?女性が?と頭がついていかなかった。タイトルを見て戦争って女性にとっては大変な事であり、そういう大変だ云々と言う事が女性の視点で書いてあるのかと思っていたから。私は何も知らなかったんだなと思う。まあ確かに大変な事ではあるのだけどそんな言葉で表現するのはあまりに軽すぎる。
映像化したら目をそらしたくなるであろう場面も。行動も精神も何もかも無茶苦茶になるのが戦争なんだなとあらためて思う。
これを読んで、戦争に行った人が戦争を語らない、固く口を閉ざしてしまって、という理由がやっとわかったような気がする。
あまり書いちゃうとネタバレしすぎるからこの辺で。オススメ。
Posted by ブクログ
半分まで読んで、辛くなって抜け出せなくなりそうになりやめてしまった。
もうしわけない。ただ、伝えられるべき資料であることに間違いない。
戦争に出たソ連の女たちは、そこでは英雄と称えられたのに、その過去をひた隠しにしないと戦後の社会で受け入れられず生きていけない。強くあることを求めた国や、男たちは、戦後は、血や戦いなど知らない女らしく可愛く綺麗である清楚であることを望む。理不尽な世界。
内容で印象に残ったのは、手紙を書いてくれる宛もない兵隊たちに毎日何十通も手紙を書いていたという話。「私はあなたの知らない女の子です。兵隊さん、勝利して戻ってきてくれるのはいつですか?」そうやって、私たちは戦ったり辛い思いをする誰かに愛情を注げる生き物なのかもしれない。
ベラルーシ出身の作者は、ベラルーシ自体からこの本を書いたことを非難されながらも、書き残した。残さなければいけないと、500人以上の話を聞き、それをかきとめた。やっと与えられた賞がノーベル文学賞。彼女にとって、これは努力が報われたって思ったことだったのか。国から疎まれ、送った原稿が大幅に消されて戻ってきても、繰り返し生の声を届けようとした彼女は美しい。
Posted by ブクログ
・それについて書いたものはさらに多い。しかし、書いていたのは男たちだ。わたしたちが戦争について知っていることは全て「男の言葉」で語られていた。わたしたちは「男の」戦争観、男の感覚にとらわれている。男の言葉の。女たちは黙っている。わたしをのぞいてだれもおばあちゃんやおかあさんたちにあれこれ問いただした者はいなかった。
・戦争の映画で色つきなんてありうる? 戦争はなんでも真っ黒よ。血だけが別の色……血だけが赤いの。
・老人は死を恐れるもの、若者は笑えるんです……若い人って自分は不死身だと思ってる。私は、自分が死ぬなんて信じられなかった……
・せめて一日でいいから戦争のない日を過ごしたい。戦争のことを思い出さない日を。せめて一日でいいから。
・戦争が終わったけれど、私のお父さんは決して戻って来ないんだ。戦争は終わったのに……
・ときどき泣きたくなる……でも、泣けない…… 戦争で全て忘れてしまいました。かつての自分らしい生活を。何もかも。
・死を手なずけることはできません……そう……死には慣れなかった。
・もし、戦争で恋に落ちなかったら、私は生き延びられなかったでしょう。恋の気持ちが救ってくれていました、私を救ってくれたのは恋です。
・一緒に殺してほしい。一発で一度に。死ぬ時はふたり一緒、生き延びるのも一緒と考えていたの。私たちの恋って、明日はない、今があるだけ。
戦争を繰り返してはいけない。
戦争は不幸なことしか生まれないことがさらに分かった。