【感想・ネタバレ】真珠の世界史 富と野望の五千年のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

中国では水中に産するたまを「珠」といい山に産するたまを「玉」と言ったらしい。
宝石を表す「珠玉」の中で「玉」とは違う輝きを放つ真珠に人々は魅せられてきた。
そんな真珠とそれを求める人々の歴史を新書とは思えないほどガッツリ読むことが出来ました。

クレオパトラの真珠を酢に溶かして飲み、ローマの将軍アントニウスを驚かせたエピソードは有名だが、かつて真珠の養殖技術が確立する以前、ダイヤより価値があるとされた時代があった。
大航海時代の真珠の収奪、モードの変遷による益々の真珠ブーム。
ローゼンタールが世界の天然真珠市場を掌握した時、日本で御木本幸吉が半円真珠の養殖に成功。
見瀬辰平が世界初の球形真珠を作り出し、藤田昌代がその実用化に成功する。
養殖真珠を排斥しようとする海外の真珠シンジケートと御木本の訴訟合戦。
天然真珠の市場の大暴落。
モードの変遷による真珠ブーム。
第2次大戦による日本の真珠生産の中断。
戦後、真珠は主要な輸出品となり日本は世界に冠たる真珠王国となるが、モードは真珠ブームを起こしもするがブームを終わらせる事もする。
まさかミニスカの流行でそこまで真珠業界がダメージを受けていたとは・・・。
輸出中心から国内消費に重点を置くようになった日本。
高度成長期とバブルに踊っている内に、オーストラリアやタヒチ、インドネシア等の養殖真珠業の確立によって日本の真珠は存在感を無くしていた。
さらに養殖による環境汚染で赤潮や感染症で真珠を生み出す貝の数が現象するなどの問題に悩まされている。

0
2016年01月28日

「学術・語学」ランキング