【感想・ネタバレ】フェラーリと鉄瓶 一本の線から生まれる「価値あるものづくり」のレビュー

あらすじ

いま世界からもっとも注目されている気鋭のデザイナー、奥山清行。長年海外を舞台に活躍してきた彼は、いま何を考え、どんな未来をみているのだろうか? 本書は、日本人で唯一「フェラーリ」を手がけた男が語るデザイン論。「なぜ、フェラーリは高くても売れるのか?」「地元山形の高い職人技術とデザインの融合とは?」など、デザインの要諦からものづくりの秘訣までそのすべてを語りつくす。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

四面楚歌の海外で働いてきた著者の言葉に本物の重みを感じた。
かなりの苦労があったのだろう。
それを乗り越えて来た自負もうかがえる。
そして、これからの日本の活力のヒントが見えた。


以下メモ

言語によって思考は変わる。
議論が個人攻撃になるのは日本人の悪いところ。
あくまでも仕事の内容に対してのものと捉えることが大事。
そして適度なところで抑えることも。

イタリアは繋がりの国。
友達になればいろいろと便利なことも。
階級制度が色濃く残っており、
生まれた環境によって、あきらめている。
しかしその中で楽しく暮らす特性がある。

物を大切に扱う。ブランドは購入プロセスと所有の満足。

イタリア人は基本的にコンサバ。
イタリア料理しか食べない。
これが最高なんだから、それでいいだろう。という考え方。

ワインはランチでも飲む。
コーヒーもこだわる。ただし、砂糖を入れる。

イタリア人はやはりマザコン。
就職しても2年はインターンシップでただ働き。
初任給の手取りも7万円しかないから、
35歳ぐらいまで家にいて、母親の手作り料理を食べることになる。

地方都市がそれぞれの先端として機能。
海外との接点として地方都市が立っている。

ピニンファリーナの会長の言葉
「美しいものは正しい」に哲学がある。

シンプルなデザインこそ、手間がかかっている。
極めればシンプルになるという真理。

コミュニケーションによって求めるものを見抜く時代。
良いものの基準が多様化し、作っていれば認めてもらえる時代は終わった。

フェラーリは限定モデルの販売方法でブランドをつくり、ロイヤルカスタマーをつくっている。
ブランドを守るために顧客を選び、最大限の満足を与えている。

マニュアルが無くとも使えた日本の製品がマニュアルが無いと使えなくなってしまった。
Appleにお株を奪われたSONY。

これからの企業はクリエイティブクラスの育成が鍵。
作るだけではなく、創り出すということ。

地元山形でのカロッツェリア的な取り組みとして、バイオマス燃料のペレットを使ったストーブが面白い。
それが都心の青山で使われているのも面白い。

0
2011年06月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『デザイン』という言葉に興味があり、ビジネス書が好きな方におすすめ。

とにかく、随所に、今、時点でのビジネスや社会問題に対する意見、提案、そして、実行できる文章がちりばめられている。

タイトルから、なかなか、車好きな以外には、手にとられない可能性があると思われるが。

そして、やはり、机上で、考えているだけ、部屋にこもってパソコンに向っているだけでは、だめだなと。手を使う、足を使う、人と話す、そして行動することの重要性が伝わってくる。

組織のピラミッド構造の部分で、総理大臣はほぼ様々な分野について素人だが、なぜ、重大な決断、判断ができるのかなどは、今、日本が抱える問題について予想して書いたようで、興味深い。

そして、好きということがあれば、それを徹底的に追求するということの凄さを感じた。

僕も車が好きだが、著者の好きにくらべたら恥ずかしくて、車が好きなんていえないな。

読みやすい文体で、一気に読めます。

0
2011年04月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

こちらも海外で活躍する日本人。イタリアのデザイン工房でフェラーリのデザインをやったと。主にイタリアと日本の違いが主眼。鉄瓶の話は最後の方でちょっとだけ。

0
2013年03月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

イタリア仕事の進め方や生活面は、自分勝手なイメージだけだったので、その国の実際を知ると、日本の良さも悪さも少し知ることができた。

0
2012年08月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

著者によると、ものづくりの過程では、作り手の顔、文化背景やそこから生じる思想(メッセージ)が盛り込まれる。
買い手は、各々の判断基準を通じて、そこに価値を見出す。
何が良いもので、何が悪いものかは、判断基準からイメージされる。

日本人には判断基準がない。
それは自分の役割や価値を主張することが少ないからである。(⇔イタリア人)
自分の価値観(こだわり)があればその基準から好きなもの、哲学にあうものを選び出しうる。高級なものを知らなくとも、想像力の助けによってイメージができる。

あと意外とイタリア人はかっこよくない(笑)
ただし「他人が自分をどうみているか」常に意識し、意見をめちゃくちゃ言う。日本人が見習うべきところであると感じる。

0
2012年06月14日

「趣味・実用」ランキング