感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
その頃からだろうか。わたしは部屋に「不在」を感じるようになった。彼はいない。いないならそこにはなにもないはずなのに、「不在」はいつもそこにいた。毎朝起きるベッドの右側に、食事をするときはテーブルの向かいに、二人掛けソファの半分に。「不在」は、いつも存在した。その「不在」は彼の形をしていて、彼の話し方で話をした。彼のやり方でわたしを喜ばせたり悲しませたり怒らせたりした。
恋人同士は希望がなくちゃ一緒にいられないのかもしれない。けどな、一緒に絶望できるのが夫婦ってもんなんだよ。
過去とともに生きる。そんなの当たり前だ。僕らは前へ進むけれど、その道は過去から続いているんだから。絶望も希望もぜんぶひっくるめて、僕たちは出会うのだ。彼女が、昨日までの僕をころした。そして今、新しい僕が生まれようとしている。僕は僕の誕生を、両手を挙げて歓迎したい。たとえその先に絶望が直結していたとしても。
Posted by ブクログ
第九話から始まるところから、驚いた。
最後まで読み終えて、もう一度、1ページ目に戻り、全てが繋がり、とてもすっきりしました!
題名を見た時、暗いお話?ミステリー?と思いましたが、全く違った!
読みやすくあっという間に読み終えました!
一話一話の題名も好きです。
面白かったー!
Posted by ブクログ
こんな始まり方でこんな展開の本は初めて読んだ。
こんなにもつよく読み終わった瞬間からもう一度分かった上で読みたくなる本は初めて。
タイトルの暗い重そうな感じはあまり感じず出てくる人も変わっているけどすごく好き。
雑学王がもうこの世にいないって分かった時から
私は全然わからず読んでいたんだと。
一見全く関わりもなくこれからも関わることのなさそうな2人が最後ロシアという共通の部分で出会うことになる。
こういうのを読むと運命ってこうやって見えないところで実はちょっとずつお互い関わっているんだと思った。