あらすじ
彼女は、あなただったかもしれない。
2018年3月、東京都目黒区で当時5歳の少女、結愛ちゃんが息絶えた。十分な食事を与えられておらず、父親から暴力を受けていたことによる衰弱死だった。警視庁は傷害容疑で父親を逮捕。6月に父親を保護責任者遺棄致死容疑で再逮捕する際、母親・船戸優里も逮捕する。
本書は、2019年9月、第一審で懲役8年の判決を下された母親が、罪と向き合いながら綴った悲しみの記録である。
〈2018年6月7日、私は娘を死なせたということで逮捕された。いや「死なせた」のではなく「殺した」と言われても当然の結果で、「逮捕された」のではなく「逮捕していただいた」と言った方が正確なのかもしれない〉
〈結婚式直後のころと思う。何が原因だったか今となってはわからない。結愛が床に寝転がっていたとき彼が横から思い切り、結愛のお腹を蹴り上げた。まるでサッカーボールのように。私の心はガラガラと音を立てて崩れていった〉
〈私は、正座しながら説教を受け、それが終わると「怒ってくれてありがとう」と言うようになった。(略)私にとって説教とはしかられて終わりではなく、その後、彼に納得のいく反省文を提出し、許しをもらうまでの流れをいう〉
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Posted by ブクログ
泣きながら読みました。優里さんは夫・雄大からDVを受け、支配され苦しみながら頑張っていた。結愛ちゃんのことも本当に愛していた。その悲しみ、苦しみ、後悔、自殺念慮…たくさんの気持ちが書かれていて、何度も何度も泣きました。心を開ける弁護士さん、精神科医と出会えて良かった。少しずつ現実を見ることが出来るようになってきた文を見て光が差したような希望の光のような気持ちになりました。
Posted by ブクログ
優里さんの「私自身、自分のことを何も分かっていなかった」という言葉が印象に残った。
寄り良い自分になるためには自己を認識して理解していかなければいけないと改めて思った。
一方で当事者たちを支える側の辛さやしんどさも感じた。
優里さんは児童相談所や病院の先生のことを信用出来なくなったと語っていた。
しかし、支援する側の精神的負担や労働の重さを考えると、支援する側も自分の辛さで精一杯だったのではないだろうか。
結愛ちゃんが亡くなったことで責任の所在を問われることになった支援する側の逃げの心理も理解できなくはない。
支援する人たちが有効的な支援を行うために何ができるのかこれから大学で学ぶ中で考えていきたいと思った。
そしてこの事件を私はニュースで知っていたが、優里さんの置かれていた状況について全く理解出来ていなかったため、自分の無知さを恥じた。
養父についても仕事などで問題を抱えていたことがわかり、加害者の背景について考えることをこれからも大切にしていきたい。
本を読むことがどんなに素晴らしいのか改めて感じることが出来た。
Posted by ブクログ
巻末の解説を読むとよくわかります。夫による支配と洗脳による解離性障害とPTSD。母親として結愛ちゃんを守れなかったのは事実ですが、きちんと正常な判断ができるように治療しつつ、自分を見つめ直し罪を償ってほしい。
個人的には野田小4の事件のことを獄中で知らせれてたのがヘェでした。
Posted by ブクログ
被害者と加害者は紙一重。
船渡優里さんの日記と当時を振り返ってのこの著書は客観性や具体性に欠ける部分はあるが、主観性が表されると感じる。
どれだけ本当のことが書かれているかわからないが
『結愛は体を張って、私と息子をあの地獄の日々から救い出してくれた。だったら私も、同じような事件が起きないように、結愛と同じような思いをする子がいなくなるよう、体を張らなければいけない。』という文章が船渡優里さんの本当の気持ちだと信じたい。
疑問です
巻頭の色々な元気な娘ちゃんが気の毒でなんともいえません。
読者の感情移入を狙っている構図です。
伝えたい?私は違う感情を抱きました。
商売と割り切れる方は買っても良いかもっていうレベルです。