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  • 結愛へ 目黒区虐待死事件 母の獄中手記
    4.1
    彼女は、あなただったかもしれない。 2018年3月、東京都目黒区で当時5歳の少女、結愛ちゃんが息絶えた。十分な食事を与えられておらず、父親から暴力を受けていたことによる衰弱死だった。警視庁は傷害容疑で父親を逮捕。6月に父親を保護責任者遺棄致死容疑で再逮捕する際、母親・船戸優里も逮捕する。 本書は、2019年9月、第一審で懲役8年の判決を下された母親が、罪と向き合いながら綴った悲しみの記録である。 〈2018年6月7日、私は娘を死なせたということで逮捕された。いや「死なせた」のではなく「殺した」と言われても当然の結果で、「逮捕された」のではなく「逮捕していただいた」と言った方が正確なのかもしれない〉 〈結婚式直後のころと思う。何が原因だったか今となってはわからない。結愛が床に寝転がっていたとき彼が横から思い切り、結愛のお腹を蹴り上げた。まるでサッカーボールのように。私の心はガラガラと音を立てて崩れていった〉 〈私は、正座しながら説教を受け、それが終わると「怒ってくれてありがとう」と言うようになった。(略)私にとって説教とはしかられて終わりではなく、その後、彼に納得のいく反省文を提出し、許しをもらうまでの流れをいう〉

ユーザーレビュー

  • 結愛へ 目黒区虐待死事件 母の獄中手記

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    ネタバレ

    優里さんの「私自身、自分のことを何も分かっていなかった」という言葉が印象に残った。
    寄り良い自分になるためには自己を認識して理解していかなければいけないと改めて思った。
    一方で当事者たちを支える側の辛さやしんどさも感じた。
    優里さんは児童相談所や病院の先生のことを信用出来なくなったと語っていた。
    しかし、支援する側の精神的負担や労働の重さを考えると、支援する側も自分の辛さで精一杯だったのではないだろうか。
    結愛ちゃんが亡くなったことで責任の所在を問われることになった支援する側の逃げの心理も理解できなくはない。
    支援する人たちが有効的な支援を行うために何ができるのかこれから大学で学ぶ中で考えてい

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    2025年02月23日
  • 結愛へ 目黒区虐待死事件 母の獄中手記

    Posted by ブクログ

    この本を読んでから、事件に対する見方が180度変わった。ただ事件を非難しているだけの人程、手に取って読んでほしいと願う。
    般若の「2018.3.2」のMVを見て、事件を再認識し、虐待死の有名な事件として知っていただけだった。なんとなく知っていた事件だなぁと思い、何も考えずに読み始めてしまった。読みながら涙が止まらなかった。
    SNSで[他人の生活]を簡単に覗けてしまう今の時代こそ、「自分の子供はこうであってほしい」という両親の呪いに苦しめられる結愛ちゃんのような子が、たまたま今見えてないだけで、私達が思ってるよりずっと近くにいるのかもしれない。

    子どもへの教育が思わぬ形で虐待にもなるし、自分の

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    2024年09月19日
  • 結愛へ 目黒区虐待死事件 母の獄中手記

    Posted by ブクログ

    自らの経験と重ねられるのではないかと思い、この本を手に取った。
    私も虐待によって行政からの保護を受けていた期間があり、現在はこうしてゆっくりと本を読むことができている。
    自身の経験を中心に感想を述べたい。
    筆者の精神状態には(私が言える立場ではないのだが)非常に共感する。父親の暴力や叱責に疑問を呈しても力や長い時間に渡る説教で丸め込まれてしまう。…そもそも疑問を呈することなど自殺行為に近いのだ…私自身もそう考える事が多々あったため、筆者の苦労、娘を守ろうとする努力が一文一文からひしひしと伝わってきた。
    私が父親からの虐待を受けていた当時は母親の気持ちが分からず、この本に触れるまでもまだ少ししか

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    2024年01月22日
  • 結愛へ 目黒区虐待死事件 母の獄中手記

    Posted by ブクログ

    どうか多くの人に届きますように。
    親である人だけではなく、行政の方、子どもと関わる仕事をする人、保護者と関わる人、全ての大人に届きますように。DVについてもこの本で関心を持ってほしい。

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    2023年08月17日
  • 結愛へ 目黒区虐待死事件 母の獄中手記

    Posted by ブクログ

    最初から最後まで涙が溢れて止まらなかった。目黒区虐待死事件の母による手記。母親はDV被害者でしかない。身体的暴力の有無に関係なく、DV加害者の言動はなぜこうも判を押したようにみな同じなのか。著者が児相や精神科医や警察に藁をもすがる思いで助けを求めているのに、支援者の看板をあげている機関が二次被害を追わせている。著者を救えなかった人達こそ、責任を追うべきではないのか。著者の回復、DVの法整備、被害者支援の充実、DVについての世間への正しい周知を、心から願う。

    0
    2023年05月01日

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