船戸優里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ優里さんの「私自身、自分のことを何も分かっていなかった」という言葉が印象に残った。
寄り良い自分になるためには自己を認識して理解していかなければいけないと改めて思った。
一方で当事者たちを支える側の辛さやしんどさも感じた。
優里さんは児童相談所や病院の先生のことを信用出来なくなったと語っていた。
しかし、支援する側の精神的負担や労働の重さを考えると、支援する側も自分の辛さで精一杯だったのではないだろうか。
結愛ちゃんが亡くなったことで責任の所在を問われることになった支援する側の逃げの心理も理解できなくはない。
支援する人たちが有効的な支援を行うために何ができるのかこれから大学で学ぶ中で考えてい -
Posted by ブクログ
この本を読んでから、事件に対する見方が180度変わった。ただ事件を非難しているだけの人程、手に取って読んでほしいと願う。
般若の「2018.3.2」のMVを見て、事件を再認識し、虐待死の有名な事件として知っていただけだった。なんとなく知っていた事件だなぁと思い、何も考えずに読み始めてしまった。読みながら涙が止まらなかった。
SNSで[他人の生活]を簡単に覗けてしまう今の時代こそ、「自分の子供はこうであってほしい」という両親の呪いに苦しめられる結愛ちゃんのような子が、たまたま今見えてないだけで、私達が思ってるよりずっと近くにいるのかもしれない。
子どもへの教育が思わぬ形で虐待にもなるし、自分の -
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自らの経験と重ねられるのではないかと思い、この本を手に取った。
私も虐待によって行政からの保護を受けていた期間があり、現在はこうしてゆっくりと本を読むことができている。
自身の経験を中心に感想を述べたい。
筆者の精神状態には(私が言える立場ではないのだが)非常に共感する。父親の暴力や叱責に疑問を呈しても力や長い時間に渡る説教で丸め込まれてしまう。…そもそも疑問を呈することなど自殺行為に近いのだ…私自身もそう考える事が多々あったため、筆者の苦労、娘を守ろうとする努力が一文一文からひしひしと伝わってきた。
私が父親からの虐待を受けていた当時は母親の気持ちが分からず、この本に触れるまでもまだ少ししか -
Posted by ブクログ
今まで読んできた虐待に関する本と全然違ったのは殆どが、被害者であり加害者の目線から文字から伝えられる文章だったこと。読み応えがある。
誰しもがなってしまうかもしれない状況下であり、この過程を行政は見逃してはいけず、それが悲しい事件に繋がったことも感じた。
どの虐待事件もそうだが、偏った考え方が加害者はあるし、その背景には切なく悲しい家庭環境が大体元凶である。してしまった事実だけでなく、そういたった背景をきちんと報道することで、未然に防ぐことはできるのではないか。子どもだけでなく、老人や動物に対してもそう。
自分にできることはないのか、考えさせられた。
巻頭に写真が載せられた亡くなったゆあち -
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このニュースは衝撃すぎて鮮明に覚えていた。
まだ小さくて小学校にも上がってない女の子が、虐待死したが、日常的なDVに加えて反省分を書かされていたこと。多くの人がこのニュースを覚えているだろう。
私はこのニュースを最初聞いた時、なんてひどい虐待なんだ。と思った。まだ小学校に上がってない女の子が「おねがいゆるして」なんて反省文を書いていたのは驚きでしかなかった。
同時に、両親はなんてひどい人なんだと思った。求刑を聞いた時は少なすぎる。死刑も同然なのではないかと思った。
しかし、この本を読んで一気にこの事件に対するイメージが変わった。最初は両親に対して強い怒りや悔しさを感じたが、母親もDVの -
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DVの被害者であり、虐待の加害者にもなってしまった船戸優里さんの手記と、精神科医の白川美也子先生の診断書を読みたくて手に取りました。
深い絶望の果てで、優里さんを理解し、力になろうとする人たちが現れて、優里さんがどのように変化していったか、厳しい状況に陥っていく過程で優里さんの身にに何が起きていたのか、優里さんの側から知ることのできる貴重な内容でした。
読んでいて、本当に他人事ではない、と思いました。
出版に向けて、怖いと思う気持ちもあっただろうと思います。
なぜ出版の意思を固められたのか、その想いも本書の中にありました。
SOSは何度も出されていた、けれど、受け取られなかった。周りが -
匿名
購入済み私もそうだったという共通点
この手の本は「どうして」と思う事があるが最後に巻末資料、意見書が付いていたのがわかりやすく良かった。
もう思い出したくもないが書いてみようと思う。
私も15年前にモラハラDV夫から逃げて離婚しているのだが、私もそうだった共通点があった。
当時はまだモラハラはほぼ知られておらずDVも殴る蹴るの認識で私自身も「DVってほどではない」認識で、でも毎日辛くておかしくなっていた。
私の友人の前で元夫が怒鳴り、友人にも怒鳴ったりしたので勇気を振り絞り警察に電話し警察に自宅に来てもらったが助けてもらえず、夫に嫁は酒乱だからすみません!と言い包められ絶望。
警察なんて呼んで、でも助けてもらえず -
Posted by ブクログ
現代の女性の嘆きが生々しく描かれていた。
DVの本質は支配とコントロールにある。今回の事件を他人事と思わず、DVの被害者に手を差し伸ばしてあげられるような人になりたいと思った。
ただ、この本は妻である優里さんの視点で書かれているため、夫が全ての元凶のように思われる内容が書かれていたが、夫の雄大さんは不遇な生い立ちを持っていたということが明らかとなっている。そういった事実に触れていなかったため、「夫が完全なる悪」であるという誤解を招く内容だった。
DVする側にもするだけの理由がある。それを踏まえた上で、児相には、子供だけでなくその親のサポートまで徹底して欲しいと思う。