あらすじ
37歳の迷える私=橋本治には、小林秀雄の『本居宣長』は過剰と孤立を恐れるなと諭す、じいちゃんの励ましだった。いまもその感動は圧倒的だ、ただ……。小林秀雄賞を受賞した55歳の私は改めて難解な作品の通読へ向かう。そして、真摯な愛情と決意で、小林の文章にねばり強く伴走するうち、ある「恵み」を受け取ったのだった。小林秀雄から現代日本人の宿命を遠望する革新的論考。
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Posted by ブクログ
いつものように、橋本治の思考過程を追いながら、小林秀雄は何を考え、当時の人はそんな小林の文章を何故ありがたがったのかが分かります。
けど、この本の中で、私が、一番好きなのは橋本治が小林秀雄の『本居宣長』を読んで「そうか、学問とはいいものだったんだ」って思ったってところです。
愚かな孫は小林秀雄の『本居宣長』を読んで、「そうか、ちゃんと学問をすればじいちゃんが言うみたいに、自信をもってなんでもやることが出来るのか学問というのは、そういう自信を与えてくれるのか』と思ったのである。だから「もう一度ちゃんと学問をしてみようかな」と思った。
(橋本治は小林秀雄の孫ではありません。念のため)
これは、37歳の時に筆者が思ったことであり、本書は50を超えて精読しなおしたものなので本論ではないのですが……。