あらすじ
民俗写真の第一人者、芳賀日出男が若き日に記した貴重な旅行記。北は納沙布から南は久高島まで、全16か所の写真とフィールドノートから、氏ならではの被写体への誠意と並々ならぬ愛情が見えてくる――。
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Posted by ブクログ
昭和30年代の日本各地を写真に収めた記録集。農村史でもあり、農業史でもあると思った。
北海道から沖縄まで、民俗行事や民間信仰の豊かさに興味が尽きない。本書で紹介された各地が現在どうなっているのか、つい調べてしまった。意外にも存続している行事が多いけれど、たぶんイベント化しているんだろうなあ。
震災後の東北で民俗行事や無形文化財の保存活動が盛んになったけれど、保存させるために従来のしきたりが形骸化したりして、記録することの功罪を考えてしまったことを思い出す。
北海道の少数民族である、オロッコ族・ギリヤーク族を初めて知った。アイヌだけじゃなかったんだ…。
あと皇族の証である菊の紋章を使うことを黙認されていた木地屋一族の話も興味深い。
奄美群島と妻良の写真が個人的には特に好き。