あらすじ
ビジネスで利用されるデータの多くは,その施策の意思決定を行う人物や組織の目的にそった活動の延長上で作られています。具体的には,DM送付などの広告施策であれば,担当者はユーザの反応率を上げるために,反応しやすいであろうユーザに対してのみDMを発送します。ここで発生したデータでDMの効果を計る場合,単純にDMを受け取っているか否かで結果を比較することは,DMの効果以外にも意図的にリストされたユーザの興味や関心を含んでしまうことになります。
データが生まれるプロセスに人の意思が関わる場合,単純な集計では判断ミスとなる可能性があります。わずかな計算の狂いでも後々のビジネスにおいて大きな影響を及ぼすことになるため,バイアスのない状態で効果検証できることが望まれるのです。
本書では「単純に比較すると間違った結論に導くデータ」から,より正しい結果を導くための分析手法と考え方を提供します。計量経済学における効果とは何か? を提示し,RCT(ランダム化比較試験)がいかに理想的な方法かを説明し,RCTができない場合でも因果推論を用いてRCTの再現が可能だということを説明していきます。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
実際のビジネスシーンに即しながら、できるだけ科学的に正しく、かつ、ビジネス的に意味のある効果測定を行う方法について、理論面、実装面の双方からわかりやすく述べられている。
この分野は初学者であったが、回帰、傾向スコア、DIDなど、各種手法についての基本的な理解は十分に得られたように思う。
あとは実践を繰り返して、より理解を深めていきたい。
この手の書籍では、理論の説明がしやすいような具体例が用いられることがあり、実際のビジネスシーンとの乖離を感じることがある。
一方本書では、いずれの具体例も、実際のビジネスシーンとの類似度が高いため、実務を想定しながら理解を深めることができた。
Posted by ブクログ
評判の良さも納得の本で,原理と実装のバランスが読者層をうまく把握していると思う。実装しようとする人はもちろん,因果推論をとりあえず知っておきたい人にもおすすめできる。
3章までの理論面については,グラフィカルモデルやバックドア基準などに詳しいPearl本により補完するのがいいだろう。
Posted by ブクログ
因果推論入門の好著
ただ本書だけだと「気持ち」が分からないかも
「原因と結果」の経済学
データ分析の力 因果関係に迫る思考法
岩波データサイエンス Vol.3
実証分析のための計量経済学
本書
実証分析入門 データから「因果関係」を読み解く作法
政策評価のための因果関係の見つけ方 ランダム化比較試験入門
調査観察データの統計科学―因果推論・選択バイアス・データ融合
統計的因果探索
の順で読むといいかも
Posted by ブクログ
因果推論の手法が様々なパターンで紹介されておりとても勉強になる内容でした。
自分の知識が乏しいのもありますが数式の説明などなかなか難しい部分も多かったと思います。
またRによる実際の分析手法が書かれているのも良かったですが、個人的にはPythonを使った分析になっていると良かったです。。