【感想・ネタバレ】ごきげんいかが、ワトスン博士 上のレビュー

あらすじ

1889年夏。アイリーン・アドラーと親友のペネロピーは、パリで意識を失った男性を助ける。偶然にも、彼はペネロピーが家庭教師をしていたときの知人クウェンティンだった。医師の診察により、昏倒したのは毒物が原因だと判明するが、彼は詳細を語らない。だが、アイリーンの家で療養中に狙撃されたことで事情を打ち明ける。かつて戦場で助けられた軍医に迫る危機を知らせるため、危険を承知で彼を捜しているというのだ。軍医の名はワトスン――。アイリーンたちはアフガニスタンに端を発する事件をめぐり、名探偵ホームズとまたもや相まみえる!

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Posted by ブクログ

このシリーズ、アイリーンと友人になり生活を共にするようになったネルが主人公なんだけど今回はネルの昔の知人の事件に巻き込まれ、その知人はアフガニスタンでワトソンとも知り合いで…という話。アイリーンとホームズとの関係性をアイリーンよりのネルから描く描写がホームズに対して辛辣でよい。今回ホームズ要素は少ないけれどホームズという人間の存在がアイリーンにおいて相当大きいのがわかるシーンもあるし、ホームズもワトソンも出てくるのが良い。物語としては山場がモリモリしてるわけでもトリックが目新しいわけでもないのでアイリーンと旦那のゴドフリーとネルとの掛け合いとネルと知人の恋についてをずっと読まされている感じ。このシリーズのアイリーンって活発で好奇心が強くて時々子供っぽくて、いわゆるホームズパスティーシュに描かれるホームズとキャラ設定が同じなんだよね。原作のアイリーンがそんな女性だったのかについては原作の描写が少ないのでわからないけれど、このくらい活発なアイリーンと共にいるゴドフリーなかなかに大変そうだよね。
原作は全8篇あるらしいけど、2から3までの翻訳に相当時間が開いたことを考えると続きの翻訳はないのかもな。ホームズが出ないと売れないということもあるのかもしれない。昨今、翻訳も相当厳しいところがあるだろうし(出版の金銭的な面で)。でも続きが読みたいところです。小説的な面白さは可もなく不可もなくの星3。

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2024年03月25日

Posted by ブクログ

とりあえず上巻。
この時代の、しかもイギリス人って設定上仕方ないんだろうけど、語り手がグダグダ言い訳ばかり言って事件から、当事者から距離を取ろうという事なかれ主義なので話が進まずちょっとゲンナリ。後、語り手が随分と自意識過剰。皆アイリーン観てるから、誰も君の音出しするだけのピアノなんて見てないって(笑)

というわけでそこかしこに言及される差別意識も、当時のイギリス女性として当然の価値、という事で作者が意図的に表現しているんだろうけど。ちょっとネロ?ネルさんが鼻に着く感じ。アイリーンと夫は彼女を私たちの特別な友達、とか言うけどホンマかいな?と疑ってしまうなぁ。

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2019年08月27日

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